レクサス HS250h 試乗レポート/藤島知子(3/3)
- 筆者: 藤島 知子
- カメラマン:島村栄二
スポーティさに上質感をプラス
HS250hは2.4Lエンジンとモーターの組み合わせで2.5Lのエンジン並みの動力性能が得られている。これまではハイブリッドカーというと、2つの動力源が切り替わるさいにエンジンがブルッとした振動とともに始動することで、ハイブリッドカーに乗っているという実感が得られたものだが、このクルマに至っては2つの異なる動力源の存在すら忘れさせてしまうほど、それらの連携はスムーズに行われる。
エコモードで走行する際は1600kgの車重は出足で若干重たさを感じさせる場面があるものの、高速走行主体のドライブではメーター上で18.3km/Lを表示。プレミアムセダンとしては優秀な数字といえそうだ。また、いざアクセルを踏み込むと、余計な振動にかき乱されることなく、クォォンというエンジン音だけが心地よく胸に響く。
今回の試乗車は18インチタイヤを装着していたが、ハンドリングは切り出しからシャープかつ滑らかなフィーリングが得られていて、スポーティさと上質感がほどよくバランスされていた。 「ブレーキによるエネルギーの回収をいかに効率良く行いながら、クルマの姿勢をコントロールして走ろうか?」そんなことを頭に浮かべながら、ハイブリッドカーならではのメカニズムを堪能し、気がつけばスポーティな走りに没頭してしまっていた。HSでドライブしていると、「ハイブリッドカー=低燃費で穏やかな乗り物」というだけでなく、「気持ちのいい走りが楽しめる新種のプレミアムカー」として新たな可能性を垣間見たようで、何だか嬉しくなってしまった。
今回初めて採用されたハーモニアスドライビングナビゲーターは、ドライバーのエコ運転度を測定し、低燃費走行を実現するためのテクニックを指南してくれる機能を備えている。ドライバーがエコドライブで得たポイントは、レクサスを通じて日本ユネスコ協会連盟の活動支援に役立てることができるのだが、これまで漠然としていたエコドライブの概念が社会貢献という形で具現化されることで、個々のドライバーがエコドライブに対してやり甲斐を見いだすことができそうだ。
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