レクサス SC 試乗レポート

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SCとはスポーツ・クーペの頭文字

日本ではソアラとして販売されていた2+2シーターのクーペ・コンバーチブル。北米レクサスでは当初からSC430でラインナップしていた。日本だけが独自の名称だったのだ。

GS、ISがフルモデルチェンジしたのを機にレクサスブランドとして登場したのに対し、SC430はソアラのマイナーチェンジでレクサスブランドになった。

もともとソアラは01年4月のデビューだったので、すでに4年を経過している。できればフルチェンジして登場してほしかった。

ソアラからの変更点は、エクステリア、インテリアのほかに、メカニカルな部分ではミッションがある。5速ATが6速AT+マニュアルシフトモード付になった。さらに、サスペンションもショックアブゾーバーがオイルシール改良型のモノチューブタイプが採用された。

ちなみに車名のSCというのはスポーツ・クーペの頭文字をとったものだ。

SC430になり顔がより上品になった

一見、ソアラと同じようだが実車に接すると、印象はちょっと違う。SC430のほうが上級感がある。

その理由はエクステリアの手直しによるものだ。まずフロントマスクはグリルがヘッドライトよりもさらに前方に伸び、エッジがハッキリとした。これはGS、ISと同じキャラクターラインのアローヘッドだ。全長も20mm長くなった。

ヘッドライト形状も変わり、ライトはクリアレンズになり、進行方向を照射するインテリジェントAFSが採用された。

インテリアの基本デザインは変わっていない。しかし、よく見ると、右メーターのATインジケーターの表示やハンドル中央のエムブレムが変わっている。

マークレビンソンのオーディオは標準装備になったので、オプションで選べるのは、リアスポイラーと、ランフラットタイヤぐらいのものだ。

4000回転を境に性格が変わるスポーツモデル

エンジンはV8、4.3L。280馬力の出力も43.8kgmのトルクもソアラ時代と同じ。しかし、そのチューニングは微妙に変わっているように感じた。

6速ATで加速テストやワインディング走行すると、4000回転から上のアクセルレスポンスの鋭さ、豪快なエキゾーストノートがかなりスポーツカー的なのだ。マニュアルシフトモードを駆使しながらの走りは、かなり楽しかった。

一方、4000回転以下でもトルクが太いので、Dレンジで十分に交通の流れをリードすることはできる。このときの走りは、かなりジェントル。

つまり、4000回転を境にSC430はかなり性格が変わるスポーツモデルなのだ。

ハンドリングと乗り心地は、ノーマルタイヤのほうがよい。ランフラットタイヤもソアラ時代と比べると、かなりゴツゴツ感が少なくなったものの、まだかたいのだ。

隠れ“レクサスの象徴”

ソアラのマイナーチェンジでレクサスSC430になってしまったクルマだが、このクルマこそ、フルチェンジして、レクサスブランドのフラッグシップにしてほしかった。少なくとも、来年秋にLS=セルシオが登場するまでのトップモデルにしてほしかった。

2ドア、2+2シーター、クーペ・コンバーチブル、というSC430は、実用車ではない。それだけに生活に余裕がなければ買えないクルマといえる。

でも、このムダとも思えるコンセプトが、本当にぜいたくではないだろうか。つまりレクサスブランドを象徴しているわけだ。

実際に、トヨタの役員の人のなかにも、このSC430こそレクサスだ、という人もいる。 ボクもそう思う。

ソアラの630万円から50万円高になったが、オーディオやATの進化を考えると、納得できる。というか、そういうことを気にせずにポンッと買ってしまう人が本当のレクサスユーザーなのだ。

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石川 真禧照
筆者石川 真禧照

1947年東京都生まれ。1970年日刊自動車新聞社入社。翌年同社退社後、フリーの自動車評論家となる。1982年「I.W.OFFICE」を設立し、自動車を中心としたメディア活動を開始。「自動車生活探検家」として、『GORO』『DIME』(小学館)、『HOT DOG PRESS』(講談社)、『カーセンサー』(リクルート)など多数のメディアで活躍、現在に至る。日本モータースポーツ記者会会員。日本自動車ジャーナリスト協会副会長。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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