レクサス RC・RC F 熊本試乗レポート/今井優杏(2/3)
- 筆者: 今井 優杏
大人しいかと思えば、ドン!と背中を蹴られるように膨らむトルク
熊本空港から国道57号線を経て、県道339号線に入り、RC F “Carbon Exterior package”は、通称ミルクロードにさしかかる。
対向一車線ずつの狭い道路だが、この先には絶景の名高い阿蘇山が形成したカルデラと、それを取り巻く外輪山が織りなす雄大な景観を眺めることが出来る「やまなみハイウェイ」や「阿蘇くじゅう国立公園」にまたがるエリアとあって、ただ走るために日本中からドライバーやライダーが訪れる“名道”が数多く存在するエリアだ。
とはいえ景観がいいからといって、決して路面の舗装までが素晴らしいわけではない。しかしRC F “Carbon Exterior package”は、坂道に差し掛かったあたりから時折V8エンジンの小気味よい咆哮を聞かせてくれるものの、路面からの入力を仔細に伝えすぎるということがない。車内でもごく小声で会話に集中できるほど。あまりに大人しすぎやしないかとアクセルを踏み込めば、ドン!と背中を蹴られるようにトルクが膨らんだ。さすが最高出力351kW,477ps、恐れ入りました。
さて、モータースポーツ関係者やレースを愛するファンにとって、スポーツクーペでこの道を辿っているということはすなわち、ある場所へ向かっているということと同義語であるのだが、そのとある場所とはスーパーGTなど国内ビッグレースも開催されるサーキット「オートポリス」だ。
そう、本日のメインイベントはここでの走行。極少人数の占有で、思いっきりサーキットを走行できるという趣向。
用意されたのはV6 3.5リッターのRC350、そしてRC F、もちろん我々がここまで乗ってきたRC F “Carbon Exterior package”も用意された。一般道用にフルハイブリッドのTHSⅡを搭載するRC300hもセットされている。
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