レクサス RC 新型車解説/清水和夫の“冷徹評価”(3/3)

レクサス RC 新型車解説/清水和夫の“冷徹評価”
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豊富な電子デバイス制御と安全技術

レクサス RC

ここまでが基本性能の領域だが、電子デバイスで構築されているRCのシャシー性能には、どんな技術が採用されたのだろうか。

ここで注目するのは「LDH(レクサスダイナミックハンドリング)」だ。これは4WS(四輪操舵)を主に意味するが、従来からある安全技術の総本山である「VDIM」と連携する形で構築されている。VDIMはビークル・ダイナミック・インテグレイテッド・マネージメントの略であり、VSC(ビークルスタビリティ・コントロール)の進化版だ。

つまりABS・TRC(トラクションコントロール)・VSC・AVS(アダプティブ・バリアブル・サスペンション)の4つの機能を統合する制御がVDIMだ。

一方、LDHはレクサス専用に開発されたシャシーの電子デバイスであり、VGRS(バリアブル・ギアレシオ・システム)・EPS(エレクトリック・パワーステアリング)・DRS(ダイナミック・リヤステアリング)で構築される。

レクサス RC

RCは、このVDIMとLDHがハーモナイズすることで前後左右、上下の動きが制御される。タイヤでみるとスリップ率とロック率、前後タイヤのスリップアングル、タイヤへの荷重変化などが最適に制御されるわけだ。

RCシリーズには安全面への新技術も豊富に盛り込まれている。予防安全の領域では先に述べたVDIMに加えて、ミリ波レーダーによるプリクラッシュセーフティシステムを持っており、衝突警報、ブレーキアシスト・緊急自動ブレーキが備わる。

さらに、バックミラー内に後方から接近する車両をミリ波で検知するシステムやレーン逸脱警報、オートマチックハイビーム、タイヤの空気圧警報が装備される。衝突安全では従来の技術に加えて歩行者保護のためのポップアップフードも備わっている。

エンジンは基本的にはキャリーオーバーだが、RCシリーズに新しく採用された技術が「サウンドジェネレーター」だ。V6でもハイブリッドでもエンジン音が演出されている。床下はフラットボトム化され、空気抵抗の減少と高速走行時に車体が浮き上がらないように工夫されている。

RCの登場でレクサスの走りは従来から大きく進化してゆく

レクサス RC

まとめると、基本となるボディ剛性が世界のトップレベルになったことでRCの走りが従来のレクサスを大きく進化させたことは間違いない。ライフスタイルのためのクーペではなくこれからのレクサスの真価が問われるほどの先進技術だと評価できる。

実際にステアリングを握ったのはV6 ガソリンエンジンだが、そのドライブフィールは乗り心地がよく、パドルシフト付の8速トルコンATとのマッチングもよかった。高速走行ではステアリングが軽く感じてしまったのが期待とはズレていたが、日本仕様はどうなるのか。いつものレクサスと同じように「FSport」と「バージョンL」が用意されるが、どれに乗ってもあるレベルの快適性は確保されている。

サーキットではRCはご機嫌そのもの。RC Fよりも気軽にサーキットドライブが楽しめる。318PS・380Nmは十分なスポーツ性を発揮している。

ちょっとサーキットも楽しめて、普段は快適に安心してスポーツドライブが楽しみたいという人にはRCがおすすめだ。ハイブリッドに乗れなかったのは残念だが、きっとハイブリッドでもRCの楽しさは味わえるはず。

レクサス RCは「シャシー性能の勝利」と言えるだろう。

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清水 和夫
筆者清水 和夫

1954年生まれ。1972年のラリーデビュー以来、国内外の耐久レースで活躍する一方、モータージャーナリストとして、自動車の運動理論・安全技術・環境技術などを中心に多方面のメディアで執筆し、TV番組のコメンテーターやシンポジウムのモデレーターとして多数の出演経験を持つ。近年注目の集まる次世代自動車には独自の視点を展開し自動車国際産業論に精通する。一方、スポーツカーや安全運転のインストラクター業もこなす異色な活動を行っている。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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