レクサス 新型LS(LS460/LS600hL) 試乗レポート/渡辺陽一郎(2/4)

レクサス 新型LS(LS460/LS600hL) 試乗レポート/渡辺陽一郎
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ドライブモードセレクトやワイド化されたディスプレイなど、インテリアも正常進化

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新型LSでは、インパネも刷新された。

旧LSのインパネは中央部分が縦長になるクラウンなどの流れを汲むデザインだったが、マイナーチェンジで水平基調に変わっている。カーナビなどを表示するディスプレイも、8インチから12.3インチへとワイド化。視認性を向上させた。

フロントシートは座面のボリュームを20%高め、従来型以上に体をしっかりと支えてくれる。

さらに、運転席の座面の長さを変える機能の改善にも注目したい。従来型は座面全体が前後にスライドする方式。座面を伸ばす(前方にスライドさせる)と、体重が座面後部の薄い部分に加わり、体の支え方が悪化した。

座面はヒップと大腿部の形状、体重の加わり方を計算して造り込むから、座面が前後に動いてズレが生じればシートの機能は低下する。そこで新型は、座面の前端をロール状にして、オットマンのように電動で持ち上がる方式としたために、違和感は解消された。

ちなみに、新型LSのような座面長を電動調節するタイプの機能は、2004年に登場した先代マークXでも採用されている。優れた機能だったが、現行型では廃止された。開発者にその理由を尋ねると「ユーザーから評価を得られなかった」との返答だった。

選べる走行モード「ドライブモードセレクト」を新たに装備

レクサス 新型LS(LS460)

走りに関する機能では「ドライブモードセレクト」が新しい。ダイヤル式のスイッチで、「エコ/コンフォート/ノーマル/スポーツS/スポーツS+」という各種の走行モードが選べる。

「エコ」ではエンジンや8速ATの変速、エアコンが低燃費指向になり、「コンフォート」では電子制御式エアサスペンションが乗り心地を重視した制御に変わる。「スポーツS」は、エンジンやATが高出力を引き出せるモード。

そして「スポーツS+」になるとエアサスペンションは硬めの設定、電子制御式パワーステアリングは手応えが少し重くなり、ステアリングの可変式ギヤ比もクイックなハイギヤードを保つ。

新型LSでは、ボディ剛性も向上させた。前後のドアの開口部近辺には、従来のレーザー溶接よりも広い面積で結合させる「レーザースクリューウェルディング」を採用。ガラスとルーフの接点、ボディの後端にはスポット溶接に加えて接着剤も用いる。

このほかインパネの前側を補強してステアリングの支持剛性を高め、ボディ底面の骨格も補強。剛性の向上も図られた。

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渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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