レクサス LFA 試乗レポート/岡本幸一郎(3/3)
- 筆者: 岡本 幸一郎
- カメラマン:茂呂 幸正
クルマの隅々まで神経が行き届くような感覚
乗り心地も悪くなく、フットワークの仕上がりも素晴らしい。
独自開発によるカーボンモノコックシャシーなればこそ実現した、極めて軽く剛性の高いボディと、48:52とされた前後重量配分、クイックでダイレクト感のあるステアリングがもたらす俊敏なハンドリングもLFAの真骨頂。まるでクルマの隅々にまで神経が行き届くかのような感覚がある。
560psの大パワーを受け止めるカーボンセラミック製ディスクローターを持つ超高性能ブレーキも、とても扱いやすい。
同タイプのブレーキは、絶対的な性能が高くても、扱いがシビアなものが少なくないのだが、レクサス LFAはそうではない。
このように存在自体は非日常性に満ちたクルマながら、ドライブするといたって乗りやすく、日常性を身に着けたクルマであることもLFAのひとつの側面だろう。
それでいて本来の実力は、それほど大がかりではない仕様変更で、2011年9月に発表されたように、ニュルブルクリンクで記録した7分14秒64というタイムが証明するとおりのレベルにあるのはまぎれもない事実。
そして、そのポテンシャルの片鱗を、たとえ市街地を普通に走っていても垣間見ることのできるクルマである。
LFAの生産は500台が完成したところで終了とのことだが、それはなんだかとてももったいない話。
また一説では、トヨタは今後も10年に一度ぐらいのペースで、LFAのようなクルマをつくるかもしれないという話もチラホラ聞かれるわけだが、せっかくのLFAも何らかの形でつくり続けて、進化させてくれればいいのにと思わずにいられないところだ。
まずは日本にもこんなスーパースポーツが存在することを世界に向けて誇りたい。
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