レクサス 新型IS 試乗レポート/今井優杏(1/3)
- 筆者: 今井 優杏
- カメラマン:オートックワン編集部
新型ISは想像を超えた怪物だった!
私は以前、このオートックワンにてとある連載を持っていた。そのうちの一つが『あなたの愛車教えて下さい!』なるタイトルで、運転のプロであるレーシングドライバーがプライベートでどんな愛車に乗っているのかガチで取材する、というものであった。
取材を重ねて行く中でわかったのは、いわゆるワークスドライバーと言われている自動車メーカー直系ドライバーには2種類の愛車選びの方法があるということ。
ひとつは予めメーカーが決めた車種を貸与されるというもの、そしてもうひとつは自分の好みで乗りたいクルマを好きに選んで良いよ、というもの。
前者はメーカーが売りたいクルマを宣伝目的で有無言わせずあてがわれたり、契約とローンチのタイミングに因ったり、と理由は様々だったが、後者の場合はなんでも好きな車種が選べるにもかかわらず、とある車種に人気が集中するのが不思議だった。
レクサスおよびトヨタ系ドライバーの場合(ちなみにトヨタは自社のチームを持っていないので、ワークスドライバーという呼び名は認めていない)、若手の選手がこぞって選んでいたのがまさに、先代ISだった。
話を聞くと大体の選手が修業時代を終え、スーパーGTなど最高峰カテゴリーに参戦を始めたのをきっかけに、それまで中古で乗っていたアルテッツアからISに乗り換えている。
そして口を揃えて、レクサスのブランド力やきめ細やかなオーナー向けサービスをISという比較的手に入れやすい価格で享受出来ること、コンパクトでハンドリングの良いサイズ感にも関わらず、レーシングギアなど参戦に必要な荷物を積み込めるラゲッジ容量を持っている使い勝手の良さ、そしてレクサスモデルの中でも若々しくダイレクトなドライビングフィールを持っていることを挙げるのだった。
先代ISがプロの選ぶ逸品であることを実感したのをよく覚えている。
そして先月発表された新型ISもまた、あらゆる意味で私の想像を超えた怪物だった。
そのISに、新緑まばゆくベストシーズンを迎えた北海道にて、ロングドライブの機会を得たのでレポートする。
レクサスの本気度が身にしみて感じる新型IS
試乗会に用意されていたのは300hと250、双方Fスポーツだった。
Fスポーツは“L”の文字が浮き彫りにされている特殊なメッシュを使用した専用グリルと(グリル上部と下部でそのL部分の浮き彫りが可変しているこだわり!)、広い開口部でスポーティな走りを予感させるバンパー、18インチ専用アルミホイールを備えている。
それを受け止めるのが走行シーンに応じて自動的に前後8段階に減衰力を電子制御する可変式ダンパー“AVS”だ。また、四輪の切れ角を制御する“LDH”は350のFスポーツにのみ装備される。
インテリアでもLFAの意匠を継ぐ可動式メーターリングを採用、シートも“表皮一体発砲工法”という新しい工法を取り入れ、専用のスポーツシートを導入し、特別感をゴリゴリに推してきた。新型ISにおいてはこのFスポーツグレードが肝入りモデルだと思って間違いはなさそうだ。
さて、新型ISを語るとき、まずエクステリアに触れなければ話を前に進めることが出来ない。
正直、実物を見たときにのけぞった。そのアグレッシヴさには度肝を抜かれた。
サイズ感は若干の拡大をしているもののほぼキープされている。が、その造型だ。まるで先代ISがぬるっとその硬い殻から脱皮してまだ湿っている身体を横たえているかのように、怖いくらいに有機的で曲線的。あらゆるキャラクターラインがひとつとして直線を描いていない。そのおかげで男性的でも女性的でもない、中世的な迫力、押し出し感をまとっているように思う。
特に今回試乗したFスポーツは前述の通り特別なメッシュグリルを纏っているが、なんというか、両生類のような艶かしさ…。独立したクリアランスランプは涙のようにも見える。
対するインテリアは直線を多用し、男の遊び場の様相を醸しているのが印象に残った。コクピットと助手席をはっきりと分け、それぞれ独立したボックスのように隔離しているのが面白い。
今回新型ISは明確にBMW 3シリーズをライバルに掲げているが、このデザインや造型の意匠だけで言えばとっくにヨーロッパ車を凌駕するくらいの手間と気合いに満ちているのがわかる。
デザインはエモーショナルな部分なので好き嫌いは分かれるだろうが、あのレクサスが敢えて保守方向を選ばなかったという選択をしただけでも、「ああ、本気なんだなIS」と、身にしみて感じた。
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