レクサス HS250h 試乗レポート/岡本幸一郎(3/3)
- 筆者: 岡本 幸一郎
- カメラマン:島村栄二
期待に応える装備と走りは好印象
上質な素材をおごり、端正なデザインとしたインテリアは、高級セダンに求められる装備はもちろん揃っているし、プレミアムな雰囲気も十分にある。前後席の居住性についても、クラウンと比べても遜色ないといえるだろう。新しくなったハイブリッドシステムインジケーターは、最初は戸惑ったが、慣れれば見やすくてよい。
ただし、プリウスではつながっていたオーリス以来のフライングバットレスが、途中で寸断され、そこにRXで陽の目を見たリモートタッチが備わるわけだが、これまでの経緯を知らない人には大した問題ではないかもしれないものの、どうも気になってしまう。
HS250hは、4つのグレードで構成され、価格差もけっこう大きいわけだが、その差はダイレクトに装備の差となる。おそらく標準車に上級装備を与えたバージョンIが最量販になるだろうし、これに安全装備を充実させたバージョンLも控えている。
一方では、18インチタイヤや専用サスペンション、エアロパーツなどの付くスポーティグレードのバージョンSもあり、こちらは走りもよりキビキビ感が強調されている。個人的には、同グレードの存在がけっこう気になった。
395万円の標準車だって、カーナビをはじめ標準装備品はけっこう充実している。そう考えると、これまで一気にクラウンやGSまでいかなければならなかった「プリウスの上級車」としても、HS250hは意外と割安という見方もできると思う。
レクサスの一員として仕上げられた内外装や走りの質感は、そこに期待するユーザーにとって、期待を裏切ることはないはずだ。
そこで気になるのは、年内に発売予定という、HS250hのトヨタ版である「SAI」(彩)だ。こちらを待つべきか、それともレクサス版にすべきか、悩ましいところである…。
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