グッドデザインエキスポ 2011 発表会速報
- 筆者:
- カメラマン:オートックワン編集部
Gマークって、ご存知ですか!?
グッドデザイン賞、通称「Gマーク」。その名前が冠された商品を、あなたもどこかで観たことがあるはずだろう。
1957年に通商産業省(現経済産業省)によって創設された「グッドデザイン商品選定制度(通称Gマーク制度)」がその始まりで、1998年には民営化し日本産業デザイン振興会が主催となった。
グッドデザイン賞は、もう50年以上に渡り日本のデザインを見続けてきた。家電や自動車、住宅・ビルなどの建築物から身近な生活の道具はもちろんのこと、ソフトウェアやサービス、ビジネスモデル自体が受賞することもあるなど、我々の社会全体の「デザイン」を評価する取り組みなのだ。日本のデザイン界を代表するデザイナーや建築家など約70名の専門家が審査委員となり、文字通り「よいデザイン」を選出する。
そんなグッドデザイン賞の選定にあたり、なんと審査委員による二次審査の会場をそのまま公開してしまおう、という大胆な企画が、この「GOOD DESIGN EXPO(グッドデザインエキスポ) 」の発祥だ。2001年に「グッドデザインプレゼンテーション」の名で始まって以来、早や10年。今では、デザイン業界の夏の風物詩とも言える恒例行事となっている。
今年2011年は大震災の影響もあり、一時は開催すら危ぶまれたが、無事に8月26日金曜日より東京ビックサイトにて開幕した。8月28日日曜日まで開催される。
今年も約2000点ものありとあらゆるデザインが一堂に会している。既に二次審査は終えられ、この中からおよそ1000点程度に絞り込みを実施。10月までにグッドデザイン賞「Gマーク」の認定、その中から約15点程度の作品がグッドデザイン賞金賞として選出され、そして最終的にグッドデザイン大賞が選ばれる予定だ。
今年も大いに盛り上がっている「GOOD DESIGN EXPO 2011」、そんなイベント初日の模様を速報でお届けしよう。
自動車関連だけでも多数の出展が
2000点以上に及ぶデザインが評価されるグッドデザイン賞。そんな中、やはり我々取材チームの興味はなんと言っても自動車だ。
グッドデザイン賞では例年、多くの自動車メーカーの商品が選考されている。中でも最近では2008年にトヨタの「iQ」が、そして2006年には三菱の「i(アイ)」が、栄えあるグッドデザイン大賞を受賞していることをご記憶の方もいらっしゃるだろう。
このほか、乗用車やオートバイのみならず、バス、トラックといった商用車、プロユースの土木建築関連車両なども選考対象となっている。さらにはカーオーディオやカーナビ、タイヤからチャイルドシート、カー用品に至るまで、自動車関連だけでもかなりのものが登場している。会場を巡るだけで、普段は間近で見ることが出来ないものまでいっぺんに目にすることが出来るのだから、これは一度は観ておくべきだろう。
今年も自動車メーカーからは話題の「トヨタ プリウスα」「ホンダ フィットシャトル」を始め、数多くのモデルが出展された。画像をクリックして頂ければ、さらに多くの出展車両が観て頂けるのでぜひこちらもどうぞ。
またちょっと珍しいところでは、大阪芸術大学と近畿トラック協会などが加盟する「近畿黒煙ゼロ推進協議会」による『MIRAI便 E-truck』プロジェクトチームの出展による、EV(電気自動車)貨物車の試作車も(モックアップの模型だけれど)姿を見せていた。
このほか時代を反映してか電動バイクの出展も目立っており、いずれの展示車両も来場者の注目を集めていた。
楽しい!ありとあらゆる"デザイン"に触れ合える3日間!
しかし、GOOD DESIGN EXPOの醍醐味は、クルマだけにあるワケじゃあない。
会場は15のユニットに分けられており、身の回り用品、スポーツ・趣味用品から、雑貨・生活用品、家電・調理用品、携帯電話にパソコン、ウェブサイトのデザインやソフトウェア、AV機器、教育関連、公共施設・用品、パッケージデザイン、広告・宣伝デザイン、生産・加工、流通用品と機器設備、住宅、家具や住宅関連設備、果てはビジネスソリューションやビジネスモデル、サービス、ブランド、そして社会貢献活動や地域社会のデザイン・・・
まだまだ書ききれない各ジャンルの出展が並んでいるのだ。試しに片っ端から覗いてみると、これがどれも新鮮な驚きで溢れている。
しみじみと化粧品メーカーのパッケージデザインを各社で見比べてみたり、日ごろあまり触れることのない医療器具のデザイン性に驚いたり。何気なく目にするものから、普段考えもしなかったものまで、「デザイン」という視点だけで、これほど多彩なモノを一堂に目にすることが出来る機会はそうそうない。
また今年のGOOD DESIGN EXPO 2011では、東日本大震災からの復興をデザインで通じて担いたいと、「Area Aid Design Project 東北・茨城デザインプロモーション」コーナーを設けた。
これは、グッドデザインエキスポを主催する日本デザイン振興会が、被災地域の産業の再生と、新たな創造をデザインを通じ、復興を支援してゆく取り組みのひとつとして行われている。東北6県と茨城県の「伝統的ものづくり企業」「技術系ものづくり企業」と「デザイナー」の合計100社の製品がここで紹介されている。
伝統の工芸やものづくりの心が色濃く反映される東北のデザインを、じっくりと観てみる良い機会だ。このコーナーも見逃せない。今後この東北・茨城デザインプロモーションは国内外の展示会や見本市へ出展し、東北のデザインをアピールしていくというから楽しみだ。
グッドデザインエキスポ 2011(GOOD DESIGN EXPO 2011) 開催概要
■開催期間:
2011年 8月26日(金) 18:00 - 21:00 (※実際には豪雨の影響で開催時間は30分遅れ)
8月27日(土) 10:00 - 21:00
8月28日(日) 10:00 - 16:00
※各日とも入場は終了の30分前まで
■会場:東京ビッグサイト 東展示棟 5、6ホール 入場料: 1,000円(中学生以下は無料)
■主催: 公益財団法人 日本デザイン振興会
■出展企業・団体: 国内外の企業・団体、教育機関など約1,000社
■来場者数見込み:45,000人(昨年実績:計44,325人)
■主要企画:2011年度「グッドデザイン賞」の二次審査対象デザインの展示
■企画展示(予定): ○「デザインコミュニケーション」(企業・教育機関によるブース出展) ○特設ステージ(グッドデザイン賞公開審査、デザイナーズトークなど) ○カフェラウンジやデザインショップ、ワークショップ ○東北・茨城エリアデザイン特別出展ショーケース ほか
■GOOD DESIGN EXPO 2011 公式サイト
http://www.g-mark.org/expo/2011/
実は「グッドデザインエキスポ」として開催されるのは今年が最後!
2012年からは開催時期を秋に変更し「グッドデザイン賞受賞展」として開催されるという。来年からの新たな展開も今から楽しみだ。
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