レクサス LC500/LC500h発表会レポート|1,300万円にふさわしい内装が、心揺さぶるラグジュアリークーペ
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◆レクサスブランドの未来を担う2by2 クーペ、“LC500/LC500h”が発売開始
2017年3月16日 春先のお台場でラグジュアリークーペ、レクサス“LC500/LC500h”の発表会が行われた。
発表会の多くは、ベールに包まれた車両が迎えてくれるが、今回は少し異様な景色が目の前に広がった。
会場の内外を仕切る“白い回廊”には、これまでブランドイメージの一端として作られた、ホバーボード“SLIDE”、">オープンクルーザー“LEXUS Sport Yacht Concept”、">そして宇宙船“SKYJET”のイメージが、絵画のように掛けられており、その奥には、“SKYJET”のミニチュアモデルが展示されていた。
ラグジュアリーホテルのエントランスには、“日常からの逸脱”を目的に、この手の入り組んだ導線が設けられることがあるが、この“白い回廊”も日常から“レクサスワールド”へと誘う入り口ということだろう。
このレクサス LC500/LC500hは、レクサスの新時代を担うフラッグシップモデルとして位置づけられ、“ブランドイメージの革新”という重要なミッションと共に発表された。
レクサスLC500/LC500hのデザインは、2012年にデトロイトモーターショーで発表されたコンセプトカー“LF-LC”に由来。車名の“LC”には“Luxury Coupe(ラグジュアリー クーペ)”と“Lexus Challenge(レクサス チャレンジ)”という二つの意味が込められている。
デザインテーマは「クーペならではの艶やかさと先進技術の融合“Seduction and Technology”」。ラグジュアリーライフスタイルブランドを目指すレクサスのフラッグシップモデルにふさわしい2ドアクーペである。
発表会冒頭に登壇した、レクサスインターナショナルプレジデント 福市氏は、LC500/LC500hと今後のレクサスブランドについて以下のようにコメントしている。
「今、“ラグジュアリー”は転換期にあります。人々のラグジュアリーに関する考え方は、経験やモノそのものが発信するストーリーが重視されるようになっており、“ラグジュアリー”の定義は、感性を刺激する体験型へと変化しています。
レクサスは、様々な経験を積み、豊かさの本質を追求する方々に、クルマにとどまらず感性を刺激し、驚きと感動を追求する、ラグジュアリースタイルブランドでありたいと考えています。
“Exprience amazing”予測できないワクワクする未来を、体験を、皆さまの驚きと感動を糧とし、我々はチャレンジを続けてまいります。そして本日皆様にお披露目させていただく、レクサスLCは、我々の新しい時代の始まりを象徴するモデルであり、 人々を魅了させるだけではない、その五感をも動かすモデルです。」
▼発表会オープニングムービー
◆レクサス LC500/LC500hが目指す世界観とは
LC500/LC500hの価格は、“ラグジュアリークーペ”の名にふさわしい1,300万円~。そのデザインもさることながら、使用されている素材や技術も一流である。
以前より報じられていたがLC500/LC500hには新開発のプラットフォーム“GA-L”と“マルチステージハイブリッド”が搭載されており、レクサスブランドの走りに対するテーマである「より鋭く、より優雅」な走りを実現している。
スピンドルグリルを起点として優雅に伸びるフロントノーズには、LC500には5L V8エンジンが、ハイブリッドモデルであるLC500hには3.5L V6エンジンが搭載され、優雅な装いの下に獰猛な本性が見え隠れする。
どちらのエンジンでも採用される、10速ATは、世界トップレベルの変速スピードとクロスギアレシオを誇り、リズミカルで伸び感のある走りを実現している。
そして、世界初の“マルチステージハイブリッドシステム”は、2基のモーターと10段ギアにより、今までの走りを覆し、ダイナミックな走りを実現したという。
チーフエンジニア 佐藤氏は
「レクサスが、よりエモーショナルなブランドになるために、お客様の感性に訴えるデザインと走りを備えた、ブランドを象徴するラグジュアリークーペが必要でした。そして私たちは、レクサスの車づくりを変える“挑戦”の象徴として、開発に取り組みました。
こだわったのは、理屈抜きにかっこいいデザインと、気持ちのいい走りです。スペックにこだわらずに、感性価値を追求いたしました。」
とコメントした。
さらに、チーフデザイナー 森氏は
「インテリアは、インパネとステアリングを中心に操作系スイッチを機能的に配置。また、緩やかにドライバーを囲むコックピット造形に運転の喜びを感じられるような演出をしました。
パッセンジャーエリアは、前方に広がる動きを表現し、心地よさとおもてなしを感じられるような空間づくりを目指しました。
ドアトリムのドレープ形状や金属を皮で包むようにデザインしたダッシュボードやシフトノブ。職人のこだわりを感じられる贅沢な空間にしています。
コンセプトカーのモチーフを市販車としてさらに美しいデザインへと昇華させること、デザイナー冥利に尽きるプロジェクトでした。」
と、語った。
◆匠の技が光るLC500/LC500hの内装
これまで内装はCGイメージでしかお目にかかることはできなかったが、今回ようやく直接目にすることができた。
ドライバーズシートは、ホールド性の高いシートとドライバーを包み込むような造形の操作系により、クルマとの一体感を楽しむことができる。
天井は低いものの、大きく切り込んだフロントガラスのおかげで閉塞感はなく、むしろそのタイトさが心地良い。 “L package”に装備されるガラスパノラマルーフを開ければ、日が差し込み、より開放感のある室内空間となる。
一方、パッセンジャーシートは、ドライバーズシートと異なり、開放感のある演出となっている。一見矛盾するコンセプトが一つの空間として見事に調和していることに驚かされた。
視界を遮るものはなく、しつらえの良い素材と優しく体を支えるシートが、優雅なドライビングを演出してくれる。
そのほか、内装の大きな特徴としては、世界観がガラッと変わる4色のインテリアカラーが挙げられる。
ブラック、ダークローズ、オーカーには、それぞれアルカンターラ製の本革が用意され、LC500/LC500hのラグジュアリーな大人の空間を演出してくれる。“匠の技”でこだわったというしつらえの良さもしっかりと味わうことができる。
そして、これまでCGで確認する限りでは、彩度が高く奇抜な印象に感じていたブリージーブルーであるが、実物はかなり好印象であった。CGで濃紺に見えていた部分は、実際には藤色のような紫系の青で、ドアトリムのブラウンと競合しない色調となっており、日本人好みの風合になっていた。
◆LC500は4月中旬より順次生産開始。価格は1,300万円から
LC500/LC500hは月間約500台を目標に、2017年4月中旬から順次生産を開始する予定だ。
会場の反応は上々、気になる方は最寄りのレクサス店に足を運んでみてはいかがだろうか。
▼山本シンヤさんによる詳細なLC500/LC500hの解説はこちら。
">新型LCは脱“高級なトヨタ車”!?レクサスの新しいラグジュアリークーペを徹底解説!
新型レクサス LC500/LC500h価格表 | |||
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グレード | 価格 | エンジン | トランスミッション |
LC500 | 13,000,000 | 5.0L V型8気筒 | 電子制御10連AT |
LC500 “L package” | 13,000,000 | ||
LC500 “S package” | 14,000,000 | ||
LC500h | 13,500,000 | 3.5L V型6気筒 + モーター | マルチステージハイブリッドトランスミッション |
LC500h “L package” | 13,500,000 | ||
LC500h “S package” | 14,500,000 |
LC500/LC500h 主要スペック | |||
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LC500h | LC500 | ||
寸法 | 全長 | 4,770mm | 4,770mm |
全幅 | 1,920mm | 1,920mm | |
全高 | 1,345mm | 1,345mm | |
ホイールベース | 2,870mm | 2,870mm | |
燃費 | 燃費 | 15.8km/L | 7.8km/L |
エンジン | 種類 | V型6気筒DOHC | V型8気筒DOHC |
総排気量 | 3.456L | 4.968L | |
最高出力[NET] | 299PS/6,600rpm | 477PS/7,100rpm | |
最大トルク[NET] | 36.3kg・m/5,100rpm | 55.1kg・m/4,800rpm | |
モーター | 最高出力 | 180PS | - |
最大トルク | 30.6kg・m | - | |
駆動装置 | 駆動方式 | FR | FR |
トランスミッション | マルチステージハイブリッドトランスミッション (電気式無段変速機) | Direct Shift-10AT (電子制御10速オートマチック) |
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