氷上も長持ちも、もっともっと「マックス」に/ダンロップ 新スタッドレスタイヤ「WINTER MAXX 02(ウィンターマックス ゼロツー)」発表会レポート
- 筆者: トクダ トオル(MOTA)
- カメラマン:和田清志・住友ゴム工業
タイヤ業界はもう「冬支度」本番!?
気象庁からの梅雨明け宣言もないまま、東京は猛暑日が続いている。いよいよすっかり”夏本番!”な中で、タイヤ業界はひと足もふた足も早く「冬支度」が始まっている!
住友ゴム工業は7月4日、「DUNLOP(ダンロップ)」の新スタッドレスタイヤシリーズ「WINTER MAXX 02(ウィンター・マックス・ゼロツー)」の発表会を開催した。
2012年に初めてデビューした初代「WINTER MAXX」(WINTER MAXX 01)で、氷上性能とライフ長持ち性能という相反する性能を両立させ人気を集めた。そんなダンロップが、満を持して登場させたニューモデル、WINTER MAXX 02。
そのキャッチフレーズは『ダンロップ史上最高傑作スタッドレス』と勇ましい。
WINTER MAXXシリーズの美点はそのままに、特に「氷上のブレーキ・旋回性能」、そして「効きの長持ち性能」を高めたという。
真夏のスケートリンクで最新スタッドレスを体感!
発表会では報道陣を真夏のスケートリンクに招き、実際に氷上における性能を試してもらうというイベントも行われた。
比較のため用意されたのは従来製品のWINTER MAXX 01。
アイススケート場という空間の中では、せいぜい時速20キロも出すのが精一杯で、体感出来ることも限られているが、そんな中でも十分に性能差を実感することに。
例えば、加速時にちょっと荒っぽくアクセルを踏み込んだ際や、その後にすぐブレーキを踏み込んだ際。氷上路面への食いつきの差が、確実に進化をしていることを体感出来た。
面白いのが、他の記者たちが試走しているのをコース外のスタンドから眺めていたとき。加速やブレーキング時、新型WINTER MAXX 02装着車からは「キュッ」という氷を掴む音がより明確に聞こえてきたのだ。
これ以上のインプレッションについては、近日公開のダンロップ「WINTER MAXX 02」試乗レポートをぜひ楽しみにしていて欲しい。
「超密着ナノフィットゴム」が「キュッ」と密着!
さて、新型WINTER MAXX 02の性能向上、さきほどの「キュッ」の裏側には、どんな技術が込められているのだろうか。
まず「氷上性能」。
WINTER MAXX 01においても凍結した路面に対する密着性能を持つナノフィットゴムを特長のひとつとしていたが、WINTER MAXX 02ではさらに密着性能を約20%も高めた新ポリマー「超密着ナノフィットゴム」を採用する。
またサイピング(タイヤと路面が設置する面に刻まれた細かな切り込み)の本数を増やし、エッジによる氷のひっかき性能を高めた「MAXXグリップパターン」も採用。
これらにより、WINTER MAXX 01に対し新型WINTER MAXX 02は12%もの氷上ブレーキ性能向上を図った。
高機能バイオマス材料、その名も「しなやか成分」
次いで「効きの長持ち性能」。
通常の夏タイヤは、冬の低温時にはゴム質が硬くなり、路面との密着度が低下。滑りを誘発する傾向にある。これに対しスタッドレスタイヤは、冬季においてもゴムの質が柔らかくしなやかで、路面との密着度を高めているのが特長だ。そのためスタッドレスタイヤにはゴムの中に軟化剤オイルを注入している。
この軟化剤オイルも経年で徐々に抜けてしまうことから、スタッドレスタイヤも数年後には硬化が始まっていく。
ダンロップではここに着目し、2015年東京モーターショーで発表した高機能バイオマス材料、その名も「しなやか成分」(!)の開発に成功。
新型WINTER MAXX 02ではそのしなやか成分配合ゴムを採用することで、軟化剤オイルが抜けにくい構造とし、より長くその氷上性能を保つことを可能とした。
その他にもWINTER MAXX 02のダンロップ史上最高傑作の裏側には、ここではお伝えしきれないほどの様々な技術が込められている。下記の記事も併せてチェックして欲しい。
■ダンロップ史上“最高傑作”のスタッドレスタイヤ「WINTER MAXX 02」発売[自動車ニュース/2016年6月28日]
販売店スタッフやユーザーもWINTER MAXX 02を「体感」!?
さて、我々報道陣も体感した氷上試走会だが、実はすでに全国のダンロップ販売店スタッフらがその実力を「体感」しているという。
住友ゴム工業では過去最大規模の体感試走会を実施。従来モデルWINTER MAXX 01でも、全国でおよそ6000人の販売スタッフらが体感したというが、今回はこれを上回る1万人規模での開催を予定している。こうした実体験をもとに販売されるとなれば、購入側にとっても重要な決め手のひとつとなるだろう。
この他にも販売店では、ダンロップ WINTER MAXX 02の疑似体験として「360°ヴァーチャル体感動画」をはじめとする様々な体感ツールが順次用意される予定だ。
[レポート:トクダ トオル(オートックワン編集部)/Photo:和田清志・住友ゴム工業]
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