荷室は最大でテニスボールが12000個も!メルセデス・ベンツ 新型「Eクラス ワゴン」6代目がデビュー!(2/2)
- 筆者: 川端 由美
- カメラマン:メルセデス・ベンツ日本/川端由美
欧州の成熟した市場に特化して開発し、パワートレーンも豊富
ヨーロッパ市場を軸に成熟した市場に特化して開発したこともあって、ディーゼル車が3機種と豊富だ。ガソリン・エンジンは出力違いの2リッター直4エンジンを2機種に加えて、3.5リッターV6の「E400 4MATIC」がラインナップされる。
最上級モデルとなる「E43 4MATIC」には最強版の3リッターV6エンジンと4WDシステムを組み合わせて搭載する。日本市場への導入が期待されるのは、150hp/360Nmを生む2リッターディーゼルを積む「220d」、184hp/300Nmまたは211hp/211Nmの出力が異なる2リッター直4を積む「E200」と「E250」、3.5リッターV6(333hp/480Nm)を積む「E400 4MATIC」に加えて、AMG「E43 4MATIC」あたりだろう。組み合わされるトランスミッションは、自社製9速ATの9Gトロニックとなる。
エクステリアでは、顔立ちが妹分の「Cクラス」と最上級の「Sクラス」と共通するのは、セダンの「Eクラス」と同様だ。ロングノーズでショートオーバーハングのスタイリングは、新型「Eクラス・エステート」をスポーティに見せている。Bピラーまではセダンと大きく変わらない印象だが、当然、Bピラーから後半のボディ部分、つまりリア・クウォーター・パネルからリアゲートにつながる部分は独自のスタイリングが施されている。
サイドウィンドウが上下にせばめられていることで、プロファイルはスポーティな印象だ。ウェストラインが高めに設定されており、リアエンドに向けて跳ねあがることで、ワゴンのフォルムであっても疾走感を持たせている。
リアエンドのフォルムは、“シューティングブレーク”と決定的に違う点でもある。例えば、「CLSシューティングブレーク」ではスタイリングを重視して異型リアランプを採用している。それゆえ、リアゲートを開けたときの開口部がおちょぼ口になる。
最大ラゲッジ容量1820リットルとクラス随一のカーゴスペースを確保
一方、「Eクラス・エステート」のリアランプは二分割されていて、ハッチゲートを開けると、荷室の開口部がスクエアで使いやすそうだ。ラゲッジの容量が最大で1820リットルと大きいことも、セリングポイントのひとつ。後席を倒せば広大な荷室が生まれる。ライバルと目されるアウディ「A6 アヴァント」やBMW「5シリーズ・ツーリング」と比べて、クラス随一のカーゴスペースを確保している。
リアシートは40:20:40の分割可倒式で、スキートンネルを設置するなど利便性に心配りがなされている。もちろん、セダンの「Eクラス」で話題になったセミ自動運転や遠隔での車庫の出し入れといった機能も搭載されている。
セミ自動運転の「ドライブ・パイロット」は210km/hの高速域まで対応する。自動ブレーキの「アクティブ・ブレーキ・アシスト」、車外から遠隔で自動駐車できる「リモート・パーキング・パイロット」など、最新の高度ドライバー支援が備わる。
「メルセデスme」と呼ばれるコネクティビティがユニークで、テキストメッセージの表示、オススメルートの設定といったことに加えて、チケットの予約のようなサービスまで細やかに対応する。「オンラインでの車載コンシェルジュ・サービス」とでも呼ぶべき内容だ。
欧州ではEクラスの3台に1台がエステート
チーフエンジニアであり、「Eクラス」のセダンも担当したミハエル・ケルツ氏に、今回の「Eクラス・エステート」についてお話をうかがった。
「新型『Eクラス』では、セダンに準じる快適性とビジネスサルーンとしての運動性能や燃費性能を保っています。SUVほどアウトドア志向ではないけれど、家族を大切にしていて、アクティブな趣味のために荷室が必要な人に向けて設計しました。SUVとの違いは、ビジネスサルーンとしての使い勝手の良さであり、スポーティネスと快適性を両立している点です。実際、欧州ではEクラスの3台に1台がエステートであり、ドイツ国内では、エステートが半数以上と、セダンを越える需要があります」
ドイツ本国での発売は今年7月で、デリバリーは秋になる予定。価格は現段階では未定だ。
日本にはまだセダンも導入されていないので、エステートの導入は来年頃に導入されると目される。欧州で人気の「220d」と、2L直4エンジンを積む「E200」または「E250」に加えて、3.5リッターV6のガソリン・エンジンを積んだ「E400 4MATIC」に加えて、AMG「E43 4MATIC」あたりが上陸することを期待したい。
[Text:川端由美]
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