BMW i3 装着 超低燃費タイヤ ブリヂストン「ologic」レポート/岡本幸一郎(2/2)
- 筆者: 岡本 幸一郎
- カメラマン:オートックワン編集部
シミュレーションと計測の融合が飛躍的な性能向上を実現
さらに同日、ブリヂストンが開発したタイヤ踏面挙動の計測・予測・可視化技術「ULTIMAT EYE(アルティメット アイ)」に関する説明と施設見学が行なわれた。
アルティメット アイというのは、最先端のシミュレーション技術に加え、走行時のタイヤ接地面の挙動を計測・可視化する技術を組み合わせることで、最適なタイヤ設計を実現した、ブリヂストン独自の画期的なタイヤ開発技術である。
建屋の中に設置された施設の中心には、直径2mのドラムと大掛かりなスタンドに取り付けられたタイヤがあった。
タイヤは直進や旋回など実車の走行状態を再現できる高機能スタンドに取り付けられており、ドラムには周方向に30度おきに9つのセンサーが配置されている。
このドラムにタイヤをいろいろな角度で接触させて高速で回転させることで、タイヤの接地圧、制動力、駆動力、横力などの動的データが得られる。それを超高速の処理装置により合成することで、高速走行時の踏面挙動を再現することができるわけだ。
これにより従来よりもはるかに複雑な、分子レベルで起こっていることが解析できるようになり、おかげでウェット性能や転がり抵抗などに飛躍的な向上が見られたとのこと。もちろん前記のオロジックの開発にも用いられており、接地圧を適正化することで、より高いグリップ力を得ることができたという。
このアルティメット アイ、もともとF1のタイヤ開発に関わっていた当時に生まれたシステムゆえ、最高速度は400km/hまで対応可能。現在も各種モータースポーツ用タイヤの開発にも使用しているが、このところ低燃費タイヤの比率が高くなっているそうだ。
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