【ahead femme×オートックワン】-ahead 6月号- オンナにとってクルマとは

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インド、ジュネーブ、タイ、中国、韓国と、今年に入ってすでに5ヵ国のモーターショーを取材しているが、コンパクトサイズSUV の人気がさらに強まっているのを感じる。クーペのように流麗なルーフライン、観音開きのドアやオープンカーまで登場して、どれもかなりスタイリッシュだ。そしてキーワードには、「女性」がついてまわる。

たとえばロサンゼルスでは、女性向けのクルマと言えばクーペだったが、それだといかにも「女性が乗っている」と周囲にも分かりやすく、防犯上好ましくないという理由でSUV に乗る女性が増えているということだった。

また、道路の舗装状態があまり整っていない国では、少しくらい石や穴があっても気にせず走れるという理由で、SUVを好む女性が多いという。そうなると大きなサイズでは敬遠されるし、エコ意識という点からもコンパクトなSUV に人気が集まりやすいのだろう。

でも日本では、クルマに詳しくない女性に聞いてみると、まず「SUV」という言葉を知らない。

20代女性でもいまだに「ヨンクのことですか?」と言うくらい、浸透していない。さらに、日本の道路環境で、女性が日常的にSUV に乗るのはどうなのだろう。

今、世界だけでなく日本でも売れに売れている、レンジローバー イヴォークと2週間ほど過ごしてみた。コンパクトSUV といっても横幅は1.9 mある。

最初に感じたのは、ドアを閉めた瞬間から全力で守られているような包まれ感だった。ちょっと高い視点から運転するので隅々が見やすく、カメラ映像で左右と後方が確認できるから、車庫入れの時も不安はない。

街中を走るとちょっと重たいかなと思ったが、しっかり地面をとらえている感覚がじわりと心地よさに変わってくる。

そして二度ほど豪雨に見舞われ、大雨洪水警報が出た中を走らなければいけなかった時に、私はSUV の真骨頂を実感した。

日常では本格4WD の威力を発揮する場などないと思っていたが、「もし洪水になってもイヴォークとなら安全な場所に逃げられる」と思った瞬間に、身体中が深い深い安心感で満たされたのだった。

そうか、これか。女性がSUV に乗るということは、この安心感を手にするということだ。

そしてこれは、温泉よりも何よりも、頑張る女性を癒してくれるものかもしれない。

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筆者
樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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