レンジローバー イヴォーク 海外試乗レポート/河村康彦(2/3)
- 筆者: 河村 康彦
- カメラマン:ジャガー&ランドローバー・ジャパン
日本導入は2リッターのガソリンエンジンモデル!
そんなグッドルッキングなイヴォークは、同様にインテリアのデザインも魅力的だ。
同じレンジローバー車でも、『ヴォーグ』や『スポーツ』といった極めて高価なモデルのように、「高級素材を惜しげもなく使った」といった雰囲気はさすがに漂わない。けれども、それでも各部の質感や可動部分の触感などは、このブランド名を名乗るに相応しい上質な仕上がり具合。
ちなみに、後ろ下がりのルーフラインゆえ気になる後席での頭上空間は、その傾斜がより急な3ドア・モデルであっても、「こぶし1個分は確保される」というのが自身での検証結果となった。
2リッターのガソリンと2.2リッターのディーゼルという、2タイプのターボ付き直噴エンジンが搭載されるイヴォークだが、例によって日本に導入されるのは前者のみ。イギリス本国で開催された国際試乗会でも、6速ATと組み合わされたこちらのモデルをメインにテストドライブした。
走り出しの印象は特に強力ではないものの、それでも決して力不足は感じないもの。シフトプログラムが自然で混雑した市街地の中でも妙に低いギアを引っ張ったりしないのは、ランドローバー社が手掛けた各モデルに共通をする美点のひとつだ。
実は、このモデルにはこうしたカテゴリーではまだ珍しいフル電動式のパワーステアリングが採用されているが、それも「知らなければそうとは気付かない」自然なフィーリング。ちなみに、そんなこのステアリングについては後にオフロードへと乗り入れた時点で、キックバックの小ささにも感心させられる事になった。
ところで、そんなイヴォークには「オフローダーとしては初」と謳われる、磁性体の働きをコントロールして減衰力を変化させる電子制御式ダンパー“マグネライド”がオプション設定されている。装着モデルではロール感がより抑えられるのは予想通りだった事ながら、それを装着しない標準仕様でも、安定感に富んだ自然で軽快なコーナリング・フィールを味わわせてくれるのが印象的だった。
そんな好印象の背景には、やはりこのモデルならではの“低全高・低重心”という基本ディメンションが大きく効いていた可能性は大きい。スリークでスタイリッシュなイヴォークならではのフォルムは、こうして走りのポテンシャルを引き上げる事にも積極的な効果を発揮していたという事だ。
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