『ジュネーブモーターショー2013』レポート/小沢コージ ~スーパーカー祭りは突然に!ほとんどリアル「サーキットの狼」世界版だ~(2/2)

『ジュネーブモーターショー2013』レポート/小沢コージ ~スーパーカー祭りは突然に!ほとんどリアル「サーキットの狼」世界版だ~
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のび太みたいにマジメなマクラーレン「P1」!

で、この2台だけでもお腹いっぱいなのにまだ全然終わらないのが今回のジュネーブ。その筆頭は上記2大新作スーパーカーに、恐ろしくも挑もうという新参メーカー、ご存じイギリスのマクラーレンだ。実は今回、同じくこの会場でロードゴーイングカーの「P1」をデビューさせたのであーる。

マクラーレンは、レース好きならご存じのフェラーリに続き世界で二番目に長い歴史を持つF1コンストラクターで、レース用F1カーを作り始めたのは1960年代だが、本格的にロードカーを作り始めるのは1995年の「F1」。

その後2003年にメルセデス・ベンツの「SLRマクラーレン」を作り、2009年にやっと量産車部門の「マクラーレン・オートモーティブ」を立ち上げて、2011年から「MP4-12C」「MP4-12Cスパイダー」と作ってきたわけだけど、続く3モデル目がこの「P1」だ。

他と明らかに違うのは、その超マジメ系デザイン。前作MP4-12Cよりよほどエモーショナルに仕上がってるし、ドアもそれっぽい跳ね上げ式だけど、上記先輩2台に比べるとまるで遊びがない。

でもまあその分、本気度は凄くて基本コンポーネンツはやはりF1マシンさながらのカーボンモノコックで、エンジンは基本「MP4-12C」と同じ3.8LのV8ツインターボなんだけどパワー&トルクが大幅に強化されて、737ps&73.4kgm。

だけどそれだけじゃない。こちらも「ラ フェラーリ」同様、パワーアップ用ハイブリッドシステムが加えられ、これが1モーター式の「IPAS」。こちらはこちらで179ps&26.5kgmものパワー&トルクを備えているから、合わせて「ラ」もビックリの総合916ps&91.8kgmのスーパーウェポン!

しかもここからのストーリー仕立てがひと味違っていて、F1レースでもお馴染みのマクラーレンの総帥、ロン・デニスは今回「P1がドイツのニュルブルクリンク・ノルドシュライフェでラップタイム7分を切る」と公言!

要は市販車最速バトルで勝つと宣言しちゃったわけだ。言わば、モハメド・アリが、アントニオ猪木に向かって「オマエに絶対勝つ!!」って言っちゃったようなものでこれで盛り上がること盛り上がること。

現在このバトルにはフェラーリ&ランボは参戦しておらず、ドイツのポルシェ「911」と、我らが日産「GT-R」のイッキ討ちと言った状態。そこに今回英国マクラーレンの「P1」が突如殴り込みをかけたわけだ。

これはフェラーリやランボは、絶対にとらないアプローチで、いわば前者の舞台がプロレスだとしたら、後者はアルティメット系の総合格闘技みたいなもんで、いろんな意味で「P1」は興味深い。

ホント、マジでコノ手を一同に集めたレースとかあればいいのね。でF1のレジェンドドライバーをイッキに集めてシューマッハ乗せたりとか。でもそしたら本当にリアルな「サーキットの狼」世界版。上手に映画にしたら相当面白いかもしれない(笑)

ついでに俺たちのスーパーカー系も!

ってなわけで後はすっ飛ばして小沢イチオシをサラリと伝えると筆頭はやっぱアルファロメオ「4C」。コイツは上記と違う俺たちのスーパーカーなのだ。

エンジンはジュリエッタ用1.8リッター直4ターボでそこまでは普通だけど、ボディが凄くてセンターがカーボンファイバーで前後がアルミで車重実に900kg台!

この軽さでエンジンパワー233ps、ダブルクラッチトランスミッションと組み合わされるっていうからマツダ・ロードスターもビックリ。

ついでに価格は当初英国で約540万円(4万5000ポンド)ってハナシで、どうやらもうちょっと高くなりそうなので残念だが、それでも上のスーパーカー系と比べるとダンゼン安い。

かなーり楽しみであ~る。

ついでにもう一ついうとこれまた現実的なのがメルセデス・ベンツ「A45AMG」だ。ベースは見た目通りの量産ハッチのAクラスなんだけど、パワートレインが凄くてななんとAMGチューンの2リッターターボで360ps&45.9kgmを発揮!

しかも駆動はフルタイム4WDの「4マチック」だから0‐100km/h加速は4.6秒で最高速は250km/hと十分!さらに注目は価格は欧州で5万ユーロ弱、つまり日本に600万円台で入ってくる可能性があ~る。

これまたかなーり現実的。スーパーカーは見るモノ…と言いましたが、やっぱり乗れるに越したことはないわけで、つくづく今回のジュネーブは夢ありましたねぇ。

ってなワケでクルマ離れの日本じゃ考えられないような盛り上がり方ですけど、世界は広く、クルマ界には楽しい事は沢山あるわけで、いろいろ頑張って盛り上がって行きましょうよ、みなさん!!

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小沢 コージ
筆者小沢 コージ

横浜市出身。バラエティ自動車ジャーナリスト。自動車メーカー、「NAVI」編集部員を経てフリーに。現在、雑誌やネットに多数連載。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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