試乗でわかった!後輪駆動版のウラカンLP580-2は「限界のわかりやすさ」を追求したスーパーカー!(2/3)
- 筆者: 大谷 達也
- カメラマン:ランボルギーニ ジャパン
新次元ともいえる「わかりやすい」サスセッティング
ランボルギーニは、どうやってこれを実現したのでしょうか?
2013年に発表されたウラカンLP610-4は4WDスーパースポーツカーとして非常に高い評価を受けてきましたが、今回登場したウラカンLP580-2はその後輪駆動版。
たしかに、4WDを後輪駆動に改めればコーナリングの限界性能は低下しますが、それだけで「限界がどこにあるか?」がわかりやすくなるわけではありません。
実は、ランボルギーニはウラカンLP580-2のサスペンションを少し柔らかめにし、クルマの傾き方で限界に近づいたことをドライバーに知らせる手法を編み出したのです。
もちろん、ただサスペンションを柔らかくしただけではスポーツカーらしい機敏なハンドリングは失われてしまいます。
そこでランボルギーニは「わかりやすさ」と「機敏さ」を絶妙にバランスさせたサスペンション・スプリングを選び出すとともに、ロールバーやダンパー、そしてパワーステアリングなどを徹底的にチューニングし、スーパースポーツカーらしいハンドリングを残しながらも、スーパースポーツカーの世界では新次元ともいえる「わかりやすい」サスペンション・セッティングを作り出すことに成功したのです。
怖い思いをせずサーキットを攻められるスーパーカー
試乗会が行われたのはオーストラリアのフィリップアイランド・サーキット。私は初めて訪れましたが、ぐるりと大きく回るコーナーが続くレイアウトで、スポーツカーのハンドリングを見極めるにはうってつけです。
ウラカンLP580-2でここを走ってみたところ、クルマの微妙な傾きにより、自分がどの程度のペースで走っているかが手に取るようにわかることに驚きました。
通常、タイヤからキキキーッというスキール音が聞こえ始めると「そろそろ滑り始めるな」と身構えるのですが、このサスペンション・セッティングのおかげで、それよりもはるか手前で“崖っぷち”の接近を察知。
続いてタイヤのスキール音、最後にタイヤがジワリと滑り出す感触がお尻から伝わる「3段階警報」で、どこまで行くと崖から落下するかを常に把握していながら飛ばすことができるのです。
この効果は絶大。これほど怖い思いをせずにサーキットを攻められるスーパースポーツカーは滅多にあるものではありません。
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