保険は誰を守ってくれる?

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保険は被害者のためにある

保険は相互扶助で成り立つシステムです。こと自動車保険においては、被害者救済の性質が色濃く、ケガをした被害者への補償を第一に考えられています。これは強制加入が義務付けられている自賠責保険の仕組みを見ても明らかです。

自賠責保険は昭和30年、自動車損害賠償保障法の施行に伴い開始された対人保険です。その背景には爆発的に増加する自動車と、それに比例して増え続ける交通事故がありました。自賠責保険の開始により、交通事故の被害者になった人は保険からの補償を受けられるようになったのです。

この自賠責保険で補償される人は「他人」に限定されています。この場合の他人とは次の人を指します。

・見ず知らずの人=他人

・一緒に車に乗っていた友人=?

・運転手の家族=?

(?は運行供用者かどうかで判断が異なる)

友人は他人で、家族なら他人ではないのでは?と思われますが、自賠法3条では運行供用者以外を他人と定めています。

運行供用者とは簡単に言うと、「自分のために自動車を運転する人」「また運行を支配している人」となります。

例え家族であっても「奥さん名義の車をご主人が運転。事故で助手席の奥さんがケガ」といった場合、奥さんは運行供用者となる可能性が高くなります。「ご主人の運転する車に同乗中の奥さんが他人と認定され自賠責保険で補償された」例もあります。目的や状況は個々に変化するので一概には言えませんが、自賠法に限り「家族」=「他人ではない」、とは言い切れないのです。

その一方で「友人と交代で運転してドライブ。自分が運転中に事故を起こし、助手席の友人が亡くなった」例で友人が運行供用者と認定された事例もあります。「友人・知人」もまた「他人」とは言い切れないことになります。

任意保険は他人+自分と家族を守ってくれる

自賠責保険が運行供用者以外を補償するのに対し、任意保険では補償の範囲がグンと広がります。ここでの「他人」は一般的な社会通念上の他人となります。先ほどの「友人と交代でドライブ」といった場合でも、運転せずに搭乗していた友人は他人となり任意保険の対人賠償から補償を受けることができます。ただし、当然ながら家族は他人とはならないので、対人賠償から補償を受けることができません。表組を参考に誰がどの保険で補償されるのか確認しておきましょう。

任意保険の最大の特徴は対人賠償が無制限となり、他人への賠償をしっかり補償してくれる点です。事故の際に億単位となる賠償金を即座に用意できる人はほとんどいません。保険制度は被害者にとってはもちろん、加害者とその家族をも助けることになります。

また自賠責保険ではケースバイケースだった家族への補償もしっかり受けることができます。基本的に搭乗者傷害でカバーされ、人身傷害補償でさらにしっかりした補償を受けることになります。人身傷害補償には契約車両に搭乗していなくても補償される契約もあります。自分と家族が被害者になった時のことを考えるととても心強い保険であると言えます。

昨今、無免許、暴走運転などで痛ましい事故が相次いでいます。事故車の保険があるなしはさておき、被害者側が任意保険の人身傷害補償保険、無保険者傷害保険に加入していることで補償を受けられることもあります。任意保険は車に乗っていない時の交通事故で被害者になった場合にも役立つのです。

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筆者
樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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