車同士の事故。相手の車は誰が修理費用を出す?

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過失に応じて、自分か相手のいずれかが負担する

自動車保険は大きく分けて、単独事故と相手のある事故に大別されます。単独事故は自分が一人で引き起こした事故なので賠償責任は全て自分が負うことになります。例えば被害者の損害はもちろん、塀やガードレールの修理などが該当します。また自分のケガの治療費や自分の車の修理費については自腹、もしくは保険を利用して対処します。

一方、相手のある事故は少々話しが入り組んできます。相手と自分それぞれ、どれだけの賠償責任を負うかは、お互いの「過失割合」が重要になってくるのです。交通事故に過失割合は必ずついてまわるもので、車同士に限らず、相手が人、自転車などの事故でも過失割合は発生します。例えば車と人の事故はいかなる時でも車側が100%悪くなるわけではなく、人側が「信号無視で横断歩道以外の幹線道路を横切った」…などの場合、相応の過失割合となります。

さて、この過失割合ですが、動いている車同士の事故の場合、ほとんどのケースで両方の車両に過失が発生します。「自分は運転がうまいし、交通ルールは絶対に守る」といった人も多いかもしれません。そこでこんな例があります。あなたが渋滞の幹線道路を時速10km前後でノロノロ運転していたとしましょう。ゆっくりですが車は動いている状態です。そこへ側道から、一時停止を無視した車が時速40kmで渋滞の列に突っ込んで来て、あなたの車の左前のバンパーを大きくへこませました。あなた自身は「こちらには非はない」と主張するかもしれませんが、時速10kmで走行中だったことから過失割合としてはおそらく1:9か2:8となります。追突してきた車は前方不注意、一時停止無視などの過失となりますが、あなたも左前方不注意の過失が科せられる可能性が高いのです。

相手の過失分はもらい、自分の過失分は支払う

とても不条理に思えますが、ほかにも次のようなケースで過失は発生します。

「片側2車線の道路の左車線を走行。突如、右側車線から進路変更してきた車に幅寄せされて接触」

「交差点に進入。対向車線の車がセンターラインを越えて、自分が走行している車線に進入。正面から衝突」

このように一般的には車が走行していたら過失割合が発生することになります。なお渋滞で一時停止、赤信号で停車中、駐車場で駐車中といった場合に過失は発生しません。 さて相手の車を誰が修理するのか?という問題ですが、それも過失割合によって変わってきます。

表のように車同士の事故の場合、相手の車の修理費はあなたの過失分に応じて決まってきます。これは相手にとっても同様です。

例えば…

「事故で相手の車に100万円の損害が発生」 相手の過失5=半分の50万円は相手が自腹か自分の保険で用意

自分の過失5 =半分の50万円の賠償責任があるため、支払うことに

…となります。

よって「相手の車の修理費は誰が出すのか?」の答えは、過失割合に応じて双方が負担する…となります。

なお過失割合は保険会社の大小、当事者が有力者かどうか…などで決まることはありません。過去の似たような事故の判例、裁判例を基準に過失割合を話し合い決定します。一見不公平に見えるケースも全て過去の判例から導かれているため、過失割合が変わることはそうそうないようです。

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筆者
樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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