ホンダ ステップワゴン 試乗レポート/松下宏(1/4)
- 筆者: 松下 宏
- カメラマン:原田淳
ホンダ ステップワゴン 試乗レポート/松下宏
ステップワゴンはハイト系ミニバンの市場を大きく切り開いたモデルだ。オデッセイほど印象的ではないものの、1996年にデビューした初代モデルはFF乗用車用のプラットフォームを使って作られたミニバンとして大ヒットを記録した。
当時は、まだミニバンという言葉が一般的ではなく、トヨタのタウンエースやライトエースは1BOXワゴンと呼ばれ、商用車用のプラットフォームを使って作られたFRモデルだったし、ミッドシップ方式を採用したセレナも運転席の下にエンジンがある点ではタウンエースと大差はなかった。
そんな時代に登場し、サイズの割に広い室内を持つことなどによって大ヒットしたのがステップワゴンだった。でも、2代目以降は売れ行きが今一つ伸び悩む結果になった。室内空間の広さを追求した2代目モデルは、右側にスライドドアを設けなかったことによってブームに乗り遅れ、低床・低重心パッケージを採用した3代目モデルは、見た目の広さ感に欠けることから、セレナに売り負ける結果になった。
改めてミニバンの市場にチャレンジしたのが今回の4代目モデルで、全長と全幅を拡大した大きなボディを採用し、これによって5ナンバーミニバンで最大の広さを持つようになった。
室内の使い勝手も高いレベルにある。さらに低床・低重心パッケージは継承して、走りのバランスに優れたミニバンとしたことと同時に、トルクを重視したロングストローク型の2リッターエンジンをCVTと組み合わせて搭載し、静かで滑らか、かつ燃費の良い走りを実現するなど、さまざまな魅力を兼ね備えたのが今回のステップワゴンだ。
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