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NEXTALK 2011/9/23 11:45

THE NEXTALK ~次の世界へ~ ホンダ レーシング 社長 鈴木哲夫インタビュー(5/5)

関連: ホンダ Text: 御堀 直嗣 Photo: 佐藤靖彦
THE NEXTALK ~次の世界へ~ ホンダ レーシング 社長 鈴木哲夫インタビュー

人生のテーマは「自由」

THE NEXTALK  ホンダ レーシング 社長 鈴木哲夫インタビューTHE NEXTALK  ホンダ レーシング 社長 鈴木哲夫インタビュー

鈴木哲夫は、わずか10歳で「ワークスマシンを開発する」と志し、ホンダ一社を狙って就職した。そして念願が叶い、経歴に示される通り、ワークスマシン開発に関わり、さらにホンダのレース部門であるホンダ・レーシングの社長に就任した。夢を成就した男である。

【鈴木哲夫】子供心にエンターテイメントがいいと思い、しかし10歳ともなれば、もはや伝統芸能の世界への入門は遅いと考えて、自動車メーカーに入ってレース活動というエンターテイメントを開発側からできれば最高じゃないか!と思いました。

なぜホンダに、ということでは、かつてNR(New Racing)といって、楕円形のピストンの形をしたエンジンを積んだバイクで79年の世界グランプリにホンダは復帰しました。そんな技術では勝てないだろうと素人なりに思う反面、こういうバカなことをやる会社は素敵だなと。そういうことが自分もできれば最高。「チャレンジ」というインパクトが、ホンダにありました。

そういった発想の領域を含めて、私は人が生きるテーマとして「自由」ということが一番大事だと思っています。その自由を楽しもうとしたとき、バイクを例にすると、公道においても、同じ道幅の中であればクルマよりバイクの方が自由度は高いじゃないですか。

また、ほかのスポーツやレジャーと違って、バイクやクルマは、家を出たときから楽しめる。ゴルフならゴルフ場へ行ってからプレイするし、スキーならスキー場に着いてから滑れるわけですが、家を出たときから楽しめるのが、モビリティの一つの魅力じゃないでしょうか。

さらにバイクでいえば、日本のバイクブームって過去に何度かありましたけれど、いつもオフロードがはじまりでした。色々なモビリティの中で、オフロードバイクが、バイクの本質である「自由」という印象をユーザーの方々にもっとも与え易いからだという気がします。だから、売れ行きが芳しくなくとも、メーカーはラインアップを充実しておく必要があると思います。

THE NEXTALK  ホンダ レーシング 社長 鈴木哲夫インタビュー

鈴木哲夫は、毎日3時間半~4時間くらいしか寝ないと言う。他にも趣味が色々あって、時間が足りないから36時間欲しいのだと。その鈴木哲夫の座右の銘は、「虚心坦懐」だ。

【鈴木哲夫】これは、心に先入観やわだかまりがなく、ありのままを素直に受け入れることのできる心の状態ですが、二輪車の研究開発やレースでも言えることです。まず、先入観やわだかまりがあると、的確な判断や行動ができず、平静な心境で物事に対処することができません。

また、世の中で起きている事の多くはグレーであり、物を考えるときに、一方的ではなく、たとえばグレーという色が白く見える場合もあれば、黒く見える場合もあるといったこともあるだろうし、立場が変われば黒にも白にもなる訳です。変な先入観があると、白が黒になったりその逆もあったりで、その判断を見誤る事が多々あります。要は「ニュートラル」なスタンスで柔軟に対処し、連綿と思考を止めない事が大事かと思います。それを「天真爛漫」と受け取る人も多々おりますが…。

鈴木哲夫は、これまで約60台のバイクを乗り換えてきた。そして現在もバイクを8台、クルマを3台、自転車は10台、そしてヨット一艇を仲間と共同で持っている。 「ヨットも自由の象徴」と話し、ホンダに入社してから週末は外洋ヨットに熱中し、会社を休んで海外にレースをしに遠征していた時期もあったとも。

小学生のときはリトルリーグ、中学~高校とサッカーに打ち込みミッドフィルダーとして活躍したスポーツマンである。子供のころ夢見たことは大体実現したものの、それでも今なお新たな夢に向かって「一日36時間欲しい」と言う、バイタリティにあふれた鈴木哲夫が牽引する、ホンダのバイクの将来は輝いて見える。 END

御堀 直嗣(みほり なおつぐ)プロフィール

1955年東京出身。自動車ジャーナリスト。玉川大学工学部機械工学科卒業。1978年から1981年にかけてFL500、FJ1600へのレース参戦経験を持つ。現在ではウェブサイトや雑誌を中心に自動車関連の記事を寄稿中。特に技術面のわかりやすい解説には定評がある。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。また現在では電気自動車の普及を考える市民団体「日本EVクラブ」副会長を務める。

筆者: 御堀 直嗣
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