F1は速さを競うだけではない?マシンの「色」で美しさも競う!?(1/3)
- 筆者:
- カメラマン:ホンダ技研工業
F1やインディカーに比べスーパーフォーミュラは見劣り?
F1GPはヨーロッパラウンドが終了、残り7戦のアウェイの終盤戦に入った。インディカーも、ロードコース最速のワトキンスグレンでのスペクタクルな戦いを終えて、残り1戦となった。
日本のスーパーフォーミュラも、いよいよ終盤戦。来シーズンのマクラーレン・ホンダのドライバーに決定したストフェル・ヴァンドーンの活躍や、遅れてやってきた逸材、関口雄飛の初優勝で残り2戦の展開が楽しみになっている。
ところで、F1やインディカー、そしてスーパーフォーミュラを比べてみると、同じフォーミュラカーだがスーパーフォーミュラが見劣りしてしまう。バトルの内容はF1やインディカーに匹敵する濃さがあるのだが、それが見えにくい。どうしてそうなるのだろうか。
もちろん、お金のかかり方からして違う、という見識は間違いではないが、そこには明確で分かり易い理由があった。最大の理由は『色』。マシンのカラーリングの違いがその大きな理由だった。
カラーリングデザインがもうひとつイケてない?確かにそれもあるが、それだけではない。簡単にいってしまえば“艶”の有無。
同じようなカラーリングでも、その艶の差で如実に違いが出て
どういうことかといえば、F1やインディカーは、各チームが独自のペイントショップをガレージの中に持っていて、毎戦、リペイントしている。各サーキットに運び込まれるマシンのボディは、毎回新たに塗り直される。提供されている巨額のスポンサーフィーから、リペイントの予算をかける価値があるという考え方があるからだ。
対するスーパーフォーミュラは、カッティングシートでカラーリングを行なって、1年間使い回し。最近のカッティングシートは、ボディ曲面への追従性も素晴らしく、艶も悪くないのだが、艶のクォリティが実際のペイントには届かない。同じようなカラーリングでも、その艶の差で如実に違いが出てしまう。
とはいえ、カッティングシートにはメリットもある。まずは、費用。1年間使えるから、格段に割安になる。そして重量も魅力だ。2006年のトヨタF1で重量比較を行なったところ、ペイントによって塗料の重さで約4kgほどの重量増なのに対して、カッティングシートでは、1.5kgほどで済み、2.5Kgの差があったそうだ。
もちろん、レーシングカーは軽い方がいいに決まっているので、重量の点からはカッティングシートに軍配が上がる。しかし、見映えはどうしてもペイントには敵わない。スーパーフォーミュラが貧相に見えるのは、ここがポイント。
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