いったい何が!?日本が焦る完全自動運転の実用化、国家戦略「7年前倒し」の舞台裏(1/3)

いったい何が!?日本が焦る完全自動運転の実用化、国家戦略「7年前倒し」の舞台裏
トヨタの自動運転「Mobility Teammate Concept」自動運転実験車(Highway Teammate:ベースモデルは「レクサス GS」) ロボットタクシーの取り組みが国家戦略特区プロジェクトに トヨタの自動運転「Mobility Teammate Concept」自動運転実験車(Highway Teammate:ベースモデルは「レクサス GS」) トヨタの自動運転「Mobility Teammate Concept」自動運転実験車(Highway Teammate:ベースモデルは「レクサス GS」) テスラ モデルSでの自動運転デモ ロボットタクシーの取り組みが国家戦略特区プロジェクトに ロボットタクシーの取り組みが国家戦略特区プロジェクトに リフトと手を組んだゼネラル・モーターズ マウンテンビュー市内にあるグーグル本部。 フォード自動運転(CES2016) リフトと手を組んだゼネラル・モーターズ 画像ギャラリーはこちら

前提として自動運転の「レベル」について

最近、なにかと話題の自動運転。だが、ひとことで自動運転といっても、その中身はいろいろある。

そこで、2014年初頭、アメリカとドイツが中心となり「ざっくり、こんな感じでは?」と自動運転の度合いを示す「レベル」を決めた。

ただし、その「レベル」はアメリカの自動車技術会(SAE)と、アメリカの国家道路交通安全局(NHTSA)では、区分けが若干違う。欧州の自動車メーカーでは、SAEの「レベル」を採用し、日本の自動車メーカーではNHTSAの「レベル」を採用する場合が多いという、ちょっと面倒な状態になっている。

では、ここから先は、日本国内での自動運転についての話なので、NHTSAの基準を使う。なぜなら、クルマに関する法整備を行う国土交通省が、「NHTSA準拠」との姿勢だからだ。

「レベル4」に対する考え方が10ヶ月半で様変わり!?

トヨタの自動運転「Mobility Teammate Concept」自動運転実験車(Highway Teammate:ベースモデルは「レクサス GS」)トヨタの自動運転「Mobility Teammate Concept」自動運転実験車(Highway Teammate:ベースモデルは「レクサス GS」)

「オールジャパンで、自動運転技術を集約して世界市場に打って出よう!」。そうした志を持って、産学官が連携したのが、2014年に始まった内閣府による「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)」での自動運転プロジェクトだ。ここでは、国土交通省、経済産業省、総務省、そして警察庁が内閣府の旗振りによって、規制緩和や国際的な協調を進めている。

そのSIP自動運転プロジェクトが基盤となって、昨年6月30日に「官民ITS構想ロードマップ2015」を公開した。ITSとは自動運転を含む高度交通システム(インテリジェント・トラフィック・システム)のことだ。

このなかで、自動運転の各「レベル」について、以下を目標年と定めた。レベル2では、追従、追尾システム、衝突回避のためのステアリングが2016~2017年頃。さらに、車線変更を伴う自動運転も2016~2017年頃。

レベル3は、高速道路での自動合流等などで、2020年頃。

そして、完全自動運転であるレベル4は、高速道路で2025~2028年頃、都市などの一般道路で2027~2030年頃を目指すとしていた。ところが、それから10ケ月半後の2016年5月20日に発表された「官民ITS構想ロードマップ2016」では、驚きの改定が決まった。

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桃田 健史
筆者桃田 健史

日米を拠点に、欧州、BRICs(新興国)、東南アジアなど世界各地で自動車産業を追う「年間飛行距離が最も長い、日本人自動車ジャーナリスト」。自動車雑誌への各種の連載を持つ他、日経Automotive Technologyで電気自動車など次世代車取材、日本テレビで自動車レース中継番組の解説などを務める。近著「エコカー世界大戦争の勝者は誰だ?」(ダイヤモンド社)。1962年東京生まれ。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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