2016年のF1は面白い展開になる?合同テストとホンダ人事から見る今年のF1界(1/3)
- 筆者: 山口 正己
今年のF1、久しぶりに面白い展開に
私はホンダが好きである。次男に宗一郎と名付けたくらいだから。
しかし、間違えないで欲しいのは、ホンダという会社が好きなのではなく、好きなのは、ホンダF1に代表される『レーシングな姿勢』である。
最近はホンダよりトヨタの方が『レーシングな姿勢』が強くなっているが…、そのことについては、いずれ改めて書くとして本題に入りたい。
今年はホンダがF1に復帰した2年目である。すでに2月22日から4日間、スペインGPの舞台であるバルセロナのカタルーニャ・サーキットで合同テストが行なわれた。最初にいっておきたいのは、今年のF1、最近になく面白い展開になりそう、ということ。今年は、F1を楽しむいい機会である。
トラブルなどなく普通に展開すれば、昨年以上に良いエンジンに仕上がった!と豪語するメルセデス・ベンツの優位が今年も続く可能性が高いが、思った以上に今年のフェラーリは、なかなかいい滑り出しを見せているところに注目しておきたい。
さらに、「ハースF1」というアメリカの新チームにも注目である。マシン名のVF1というのが、“Very First One”という、アメリカンジョークでウケを狙っている?そんな新チームには去年までロータスF1で活躍した日本人、小松礼雄エンジニアがテクニカルディレクターとしてチーム入りしている。
新参の「ハースF1」は要注目
合同テストで「ハースF1」は、新参にも関わらず、2日目にセカンドファステストを記録してF1パドックの話題となった。注目しないワケにはいかない。
もちろん、日本人の活躍は嬉しいものだが、やはり皆さんに注目してもらいたいのは「ホンダF1」だ!
しかし、先に言っておくが今年のホンダがいきなり活躍をすることはない。ナゼかといえば、F1がそんな甘い世界ではないからだ。F1は「殺人のない戦争」と言われることもあるほど、世界の最先端技術の競争の場ということも覚えておいてほしい。成績も肝心だが、チャレンジする場所のクォリティを知っておくことも大切だ。
ホンダの八郷社長は2月24日の社長会見で「勝てるのはいつごろと思いますか?」という私の質問に、「できるだけ早くとは思いますが、まず今年は最終予選の10番手に残りたい」とコメントした。その後、最終予選が8台に削られる規則変更があって条件は厳しくなったが、要するに、八郷社長は、F1を正確に認識した回答だった。
ご存じのように、ホンダはこれまで3回、F1にチャレンジしている。あらためてF1に挑戦するホンダが私の好きな『レーシングな会社』へ復活できるかどうか期待したい。
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