ホンダ「S660」をホンダ「ビート」と比較してみた/渡辺陽一郎(2/5)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
内装のデザイン&居住性
最近の軽自動車は質感が高く、S660も上質に造り込んだ。メーターはエンジン回転がアナログ、速度はデジタルで示す。インパネの中央は緩やかな曲線を描き、助手席の前側にはステッチの入ったソフトパッドを装着する。前席の中央に位置するセンターコンソールは樹脂素材を意識させるものの、質感はかなり高い。
ビートは24年前のクルマだからレベルが違って当然だが、当時では上質に仕上げた。メーターは3連で、中央のタコメーターと右側のスピードメーターは文字盤がホワイト。スポーティーな仕上がりを見せる。
シートのサイズは、座面のサイズがほぼ同じで、背もたれはS660が少し高い。座り心地はS660にボリューム感があるが、ビートも当時のクルマとしてホールド不足はなかった。
車内の広さは両車ともに引き締まり感がある。ボディサイズは異なるが、室内幅は1215mmで同じ数値。室内高もS660が5mm上まわるだけだ。
進化度数:5点/10点(順当に進化した)
動力性能
エンジンは両車とも直列3気筒の660cc。S660が搭載するのはNシリーズ用で、内径は64mm、行程は68.2mmだ。トルクを高めるのに有利なロングストローク型になる。対するビートは66×64mmだから、ショートストローク型であった。
S660はターボを装着して、最高出力は64馬力(6000回転)、最大トルクは10.6kg-m(2600回転)に達する。
ビートはターボを装着せず、スロットルボディを1気筒に1個ずつ備える多連スロットル方式。インテークマニホールドの前側に容量の大きなチャンバーも装着して、吸排気効率を高めた。最高出力は64馬力(8100回転)、最大トルクは6.1kg-m(7000回転)であった。
この記事にコメントする