ホンダ 新型N-VAN(エヌバン)7月13日発売!仕事も趣味にも使える軽商用バン、価格は126万円から|最新情報

  • 筆者: 遠藤 イヅル
  • カメラマン:和田 清志・本田技研工業株式会社

軽商用バンのニューモデル「ホンダ N-VAN(エヌバン)」誕生

この夏に発表が予告されていたホンダの新しい軽商用バン「N-VAN(エヌバン)」が、ついに2018年7月13日から発売される。

「軽バン(1BOXタイプのバン。キャブオーバーバンとも)ね、仕事で使うわけではないし、商用車はあまり興味がないなあ」と思う人がいるかもしれない。

でも、日々の生活の中で、軽商用バンを1台も見ない日は無いと思う。郵便、宅配、クリーニング、花屋、ケータリングなど、いろいろな業種の軽商用バンが働いており、軽商用バンは日本の経済や私たちの暮らしを支えていると言っても過言ではないほどだ。

そのため軽自動車を製造する各メーカーにも必ず軽トラックとともにラインナップされている。販売台数でしのぎを削るダイハツ ハイゼットとスズキ エブリイバンは、月販で6000~8000台も売れているほどだ。

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ありそうでなかった前輪駆動(FF)の軽商用バン!新発想の新型N-VAN(エヌバン)

ホンダも長い軽自動車販売の歴史の中で、常に商用バンを用意してきた。近年では3代目アクティバンがその任に当たっていたが、3代目の登場は1999年で、実に20年近くも改良を重ねて販売が継続されてきた。

その後を継ぐ新型N-VANは、Nシリーズ初の商用モデルとして投入されることになった。N-VANはアクティバンの後継モデルというだけでなく、「これからの軽商用バン」として画期的なモデルに仕上がっている。画期的なことのひとつとして、駆動方式が前輪駆動(FF)になったことがあげられる。

乗用車の軽自動車はほぼFFになっているが、軽商用バン、トラックは後輪を駆動するレイアウト(FR/MR)が基本だった。コンベンショナルな方法だが、後輪駆動ではプロペラシャフトが車体の下を通るため、床が下げられないという欠点があった。つまり、前輪駆動を採用したN-VANは、「今までありそうでなかった」軽商用バンなのである。

ホンダお得意のセンタータンクレイアウト採用で荷室がフラットに

さらにN-VANがすごいのは、ホンダが得意とするセンタータンクレイアウトと2代目N-BOXで刷新されたFFプラットフォームを早くも軽商用バンにも採用して低床化を実現したことだ。

フィットやNシリーズの乗用モデルと同じ方法を商用モデルにも導入して、荷室床面地上高はアクティバンと比較してマイナス165mmの525mmという低さを達成。N-VANを名乗るだけあってNシリーズの設計哲学をしっかり持っている。

FF化によってノーズが伸びて荷室長は355mm減少したが、縦方向に空間が拡大したこと、助手席をダイブダウンさせて格納してフラットな荷室床面とすることで最大積載量350kgを確保。かつ荷室長さは+695mmの2635mmにも達して長尺ものも積載が可能になった。

荷室の両サイドを垂直にして箱ものの積みやすさも追い求めた結果、ビールケースだとアクティバンの35個に比べて、N-VANは40個積めるようになり、積載量はむしろ増加している。

助手席を収納するという思い切ったアイデアも、軽商用バンはドライバー1名乗車が多いという実際の使われ方に即したものだ。助手席ドアとリアスライドドアの間に存在したピラーもなくしたことで、側面からの荷物を積み下ろす際の利便性も大きく向上している。N-VANは「積み方」「下ろし方」へのアプローチが、従来の軽商用バンとは大きく異なるのが魅力のひとつと言える。

長時間座っても疲れにくいシートなど商用モデルとしての使い勝手を追求

軽商用バンは「ビジネスモデル」としての性格から、シートが乗用車よりは簡易的で、静粛性や乗り心地にも割り切りがあったため、長距離の運転では腰が痛くなったり疲れやすくなることがあった。

でもよく考えてみると、仕事で軽商用バンを使うときは1日中乗り続けている事が多いので、むしろ商用モデルこそ走行性能やシートは手を抜いてはいけないように思う。

そこでN-VANの運転席シートは従来のモデルよりしっかりと作られており、座り心地、包まれ感ともに軽商用バンの常識を超える出来に仕上げた。FF及び低床化で、1BOXスタイルとは思えない自然な着座姿勢や乗降性の高さももたらされている。

先進安全運転支援システム「Honda SENSING」を標準装備

さらに、使い勝手の良さや高い安全性にも注目したい。

荷物を固定するためのタイダウンフック、棚の取り付けを容易にするユーティリティナット、積み下ろし側を照らす助手席側ワークランプ、インパネ周辺のドリンクホルダーなどを装備して使い勝手を熟考した。

また、先進の安全運転支援システムHonda SENSINGを全タイプで標準装備して、事故を未然に防ぐ安全性も追求している。ミリ波レーダーと単眼カメラを用いて、自動ブレーキや誤発進抑制機能、さらにはACC(アダプティブクルーズコントロール)など、まだ乗用車でも普及できてないような10の先進機能が商用車に備わる点は驚きだ。

初代アクティを連想させる外観デザインに思わずニヤリ

外観デザインでは、街中でも威圧感のない安心感のあるフロントマスクが与えられた。

ボディパネルの強度をもたせるという機能を持たせながら、「道具らしさ」「タフさ」を印象付ける3本のビードは、初代アクティバンの波板パネルを想像させ、筆者は思わずニヤリとしてしまった。

6速MTモデルも設定!レジャー向きのグレードも用意するなど多彩なラインナップが自慢

+STYLE FUN/COOLはバモスの実質的後継モデル

商用モデルでありながらマイカー兼用として使用したり、個人ユーザーがレジャー使用で購入することが多い軽商用バン。その声にN-VANもしっかり応えており、商用仕様でプロの道具としての機能性に溢れる「G」「L」以外に、仕事とレジャー両方で使用出来る+STYLE FUN、さらにロールーフを採用してスタイリッシュさを謳う+STYLE COOLが用意される。こちらは、2018年5月に販売を終えたバモス、バモスホビオの実質的な後継モデルと言っても良いだろう。

商用仕様のベーシックモデル「G」

商用仕様のGは、必要最小限の装備が与えられるベーシックモデル。

ドアミラーやドアノブ、センターピラーが無塗装で、インテリアカラーは傷がついても目立ちにくいグレーを採用するなどシンプルそのもの。「ザ・商用車」の魅力いっぱいだ。ドアミラーの調整も手動になっている。

価格(消費税込)は、FFが126万7920円、4WDが137万7000円となる。

商用仕様のスタンダードモデル「L」

Lは商用仕様のスタンダードモデルとなっており、インテリアカラーはブラック、足元にはフルホイールキャップが装着されている。商用仕様の売れ筋はこのモデルになるだろう。

価格(消費税込)は、FFが134万1360円、4WDが145万440円となる。

G、Lともにボディカラーは白系/銀系の2色を設定。パワートレーンは直列3気筒ノンターボで、トランスミッションはCVTとなんと6MTが選択できる。

オーバースペック的に感じるS660から流用される6MTに、DOHC、4キャブという当時としては高性能すぎるエンジンを積んで登場した軽トラック「T360」の「やりすぎ!」感を思い出させる。

趣味やレジャーも楽しめる「+STYLE FUN/COOL」

+STYLE FUNは2トーンカラーのフルホイールキャップと最近ホンダがEVコンセプトカーで採用している白い丸目のヘッドライト、メッキ&ボディカラーのグリルが特徴でファッショナブルなイメージだ。

+STYLE COOLはロールーフ、メッキグリル、クリアテールレンズなどでローダウンカスタム風の雰囲気を持つ。

+STYLE FUN/COOLでは7色のボディカラーが用意され、ピンク(プレミアムピンクパール)を含んだ6色が共通、+STYLE FUNは鮮やかなイエロー(プレミアムイエロー・パールII)が、+STYLE COOLはシックなダークバイオレット(プレミアムベルベットパープル・パール)が専用色となり、それぞれのキャラクターに合ったカラーリングが用意された。

価格(消費税込)は+STYLE FUN/COOLともに、156万600円~145万440円となる。

インテリアカラーはブラックで、ステアリングガーニッシュとインパネガーニッシュがシルバーに、ドアノブがメッキに、ピアノブラック調のフロントドアオーナメントパネルになるなど華やかなイメージになっている。

+STYLE系にはターボエンジンも搭載

エンジン関係では、+STYLE系にはターボエンジンもラインナップされる。トランスミッションはターボ車はCVTのみだが、ノンターボ車にはCVTに加えて6MTも設定されている。また、商用仕様と同様に、駆動方式はFFと4WDを用意した。

広大な荷室空間やスタイリッシュなスクエアボディはカスタムベースとしても最適

ミニマムな軽トランポとして大活躍しそう

軽商用バンとしての実力の高さだけでなく、スタイリッシュさも備えているN-VAN。個人ユースでも使用出来るモデルもラインナップしていることから、従来の軽商用バンがカスタマイズのベースに好まれたように、N-VANもメーカー、アフターマーケットによるカスタムモデルやカスタムパーツが数多く出ることだろう(きっと往年のホンダの名車、ステップバン風のカスタムも!)。

軽商用バンはオフロードバイクやレーサーをコースやサーキットまで運ぶために使用される、いわゆる「軽トランポ(トランスポーター)」としても人気が高い。N-VANは助手席ダイブダウンによって生まれる前後方向の空間を生かして、バイク(オートバイ)の積載も容易になった。従来の軽商用バンでもバイクを積むことは可能だったが、種類によっては斜めに入れないと載せられなかった。

一方N-VANの荷室奥行きは最大で2635mmもあり、全長2mを超える大型バイクもラクに積載できるのではないだろうか。床面の低さもバイクを押して載せる際に有効に働く。ただし、N-VANの最大積載量は350kg(4WDは300kg)なので、その点は注意が必要だ。

車中泊も可能!軽キャンパーとしての活用にも期待大

また、室内高さがあり奥行きが取れるN-VANはキャンピングカーのベースとしても向いている。室内がフラットになるので、車中泊にも適しているだろう。

軽トランポ、軽キャンパーは、トヨタ ハイエースなどの1BOXバンに比べて維持費が安いが長距離の運転は疲れる、という評価が多い。

その点、シートがしっかりしていてロングドライブでも疲労が少ないというN-VANは、「新しい軽トランポ」「新しい軽キャンパー」として人気を博すかもしれない。

テーマは「俺のトランポ」。無限から早くもカスタムパーツ発売

その動きを先読みしたように、ホンダのカスタムパーツを取り扱う無限は、「Circuit Style」をコンセプトにした純正パーツを展開。個人でモータースポーツを楽しむ「俺のトランポ」「俺たちのモーターホーム」をキーワードにした、スポーティで機能性とデザインを両立したパーツをN-VANと同時に発売する。

75パイのフィニッシャーを採用したオールステンレス製のスポーツエキゾーストシステムが設定されるほか、外観を彩るパーツにはフロントグリルガーニッシュ、フロントアンダースポイラー、リアバンパーガーニッシュ、無限のワークスナンバー「16」をゼッケン風イメージしたデカールステッカー、そしてN-VAN専用開発の12インチアルミホイール「MD5」などを用意。

インテリア用にはスポーツマット、ラゲッジマット、無限のロゴが入った折畳みコンテナなどが発売される。

Nシリーズの技術を盛り込んだN-VANは軽商用バンの新たな立ち位置を開拓

「軽商用バン、トラックは後輪駆動」という常識を覆して乗用Nシリーズが持つ“車内が広くなる技術”を存分に盛り込み、各社の従来のモデルと全く違う立ち位置で開発された革新的な(いかにもホンダらしい!)軽商用バン「N-VAN」。

軽商用バンを必要とするマーケットの台風の目になるかもしれない。

[TEXT:遠藤イヅル/PHOTO:和田清志・本田技研工業株式会社]

ホンダ 新型N-VANの主要スペック

ホンダ 新型N-VANの主要スペック

グレード

L Honda SENSING

駆動方式

前輪駆動(FF)

トランスミッション

無段変速オートマチック(トルクコンバーター付)

価格(消費税込)

134万1360円

全長

3395mm

全幅

1475mm

全高

1945mm

ホイールベース

2520mm

車両重量

950kg

乗車定員

2名(4名)

最大積載量

350kg(4名乗車時は200kg)

エンジン

水冷直列3気筒横置 DOHC

排気量

658cc

最高出力

39kW(53PS)/6800rpm

最大トルク

64N・m(6.5kgf・m)/4800rpm

燃費(JC08モード)

23.8km/L

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遠藤 イヅル
筆者遠藤 イヅル

1971年生まれ。カーデザイン専門学校を卒業後、メーカー系レース部門にデザイナーとして在籍。その後会社員デザイナーとして働き、イラストレーター/ライターへ。とくに、本国では売れたのに日本ではほとんど見ることの出来ない実用車に興奮する。20年で所有した17台のうち、フランス車は11台。おふらんすかぶれ。おまけにディープな鉄ちゃん。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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