ホンダ N ONE 新型車解説(1/2)

ホンダ N ONE 新型車解説
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“軽自動車=ホンダ”のイメージ定着を担ったモデル

1980年代中盤以降、日本の自動車メーカーは海外市場に依存しながら発展してきた。特にバブル経済が崩壊した1990年代以降は、海外偏重がさらに加速。セダンやSUVは軒並み大柄になり、海外での売れ行きは堅調でも、国内販売は下降の一途をたどった。

ところが2008年にリーマンショックが発生。海外市場も活気を失った。となれば国内の重要性が高まり、ホンダは軽自動車に力を入れる方針を打ち出した。

その第1弾が「N BOX」で、2011年末に登場すると大ヒット。第2弾には、派生モデルとして「N BOX プラス」が2012年7月に発売され、これまた好調。そして第3弾、N ONEが2012年11月1日に発表された。

ホンダは『N ONEを皮切りに、2015年までに軽自動車を6モデル追加する』としている。となればN ONEの役割は重要。N BOX(N BOX プラス)、さらにN ONEとヒットが続けば、「新型の軽自動車を買うならホンダに注目」というイメージが定着するからだ。軽自動車ビジネスの上昇気流に乗ることができる。

ホンダ N ONE
ホンダ N ONEホンダ N ONE

N ONEの1番の特徴は、1967年に登場した「N360」がモチーフになっていること。ホンダが4輪車市場に本格参入する足掛かりとなった車種で、ホンダのクルマ造りの原点ともいえる。丸型2灯式ヘッドランプを備えたフロントマスク、少し角度を寝かせたリアゲートなど、N ONEは「N360」の特徴を巧みに取り込んだ。

もっとも、エンジンやプラットフォームはN BOXと共通。ホイールベース(前輪と後輪の間隔)も前輪駆動の軽自動車で最長となる2520mmで、N BOXと同じ数値だ。

ボディサイズは、全長が3395mmで全幅は1475mm。ほかの車種と同じく、軽自動車の規格枠いっぱいの寸法になる。全高は1610mmだから、eKワゴンの1550mmを上まわり、MRワゴンの1625mmに近い。

N ONEが「N360」をモチーフにされていることを考えると、背が高すぎると感じる。往年の「N360」の全幅は1295mmで、全高は1345mm。かなり小さなボディで、全高は全幅の104%だった。同じ比率を今日の軽自動車の全幅に当てはめれば、全高は1534mm。つまりミラココアの1530mmくらいがちょうど良い。全高がN BOXより200mm以上も低ければ、明確な個性化が図れて立体駐車場も使える。それなのにN ONEは全高を1610mmまで高めた。なぜだろう。

理由は、N BOXと共通化されるプラットフォームだ。フロントシートの下に燃料タンクを設置して、空間効率を高めている。そのために、リアシートの床面がほかの軽自動車よりも少し高い。ミラココアと比べると、全高はN ONEが80mm高いのに、室内高は1240mmで同じ寸法にとどまる。

いい換えれば、N BOXのプラットフォームでミラココアと同じ室内高を得るには、1610mmの全高が必要だったのだ。

エンジンルームも同様。プラットフォームの制約と前後方向の寸法を詰めたことで、エンジンの頂上部が高くなり、ボンネットの位置も不可避的に持ち上がる。となれば天井も高くしないとバランスが崩れてしまう。

以上のようにN ONEは、N BOXとの共通化によって制約を受け、全高が1610mmに落ち着いた。仮に全高がミラココアと同等なら、外観はさらに「N360」に近づき、前述のように立体駐車場も利用できた。ちょっと残念な気もするが、薄利多売の軽自動車を開発するには、エンジンやプラットフォームの共通化によるコスト低減は避けられない。N ONEの外観からは「軽自動車造りの宿命」がうかがわれる。

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渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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