ホンダ ジェイド RS[1.5リッター VTEC-TURBO] 試乗レポート/岡本幸一郎(1/2)
- 筆者: 岡本 幸一郎
- カメラマン:小林岳夫
ジェイドの本命が登場!?
従来の低全高のオデッセイとストリームを統合した後継モデル的な位置づけである『ジェイド』には、やはりオデッセイなら「アブソルート」、ストリームなら「RSZ」のような雰囲気を求める人が多い模様。であればジェイドの本命はむしろこちらではないか?という気がしてくる…。
ひとあし先にハイブリッドのみ発売されていたジェイドに加わった「RS」は、単にパワートレインを直噴ターボエンジン+CVTに替えただけでなく、あえて「RS」と命名されたくらいで、スポーティなキャラクターが与えられているところもポイントだ。
なにせホンダの中でも、「RS」といえば「タイプR」の手前に位置するスポーティグレード。執筆時点において日本で販売されるホンダ車で「RS」の名が与えられているのは、フィットぐらいのもので、そこに新たに加わることになる。
ところで、これほど短期間でジェイドに追加モデルをラインアップするなら、ハイブリッドと同時発売でもよかった気もするところだが、そこには直噴ターボ初搭載車をステップワゴンにしたいというホンダ内の大人の事情があったようだ。
車両重量の大きいステップワゴンでは、街中の使い勝手を重視して、低速でのトルクを重視した設定とされていた。そして今回のジェイドRSでは、全領域でリニアに加速Gが持続するよう、スポーティな味付けとしている。
印象としては、けっこう速い。実際、当時もなかなか速いと感じていた4代目オデッセイのアブソルートよりも加速データでは上回るらしい。
またCVTも踏み込んだときにエンジン回転だけ先に上がってしまう感覚も小さく、あまりCVTっぽくない、トルコンATのようなフィーリングであることも好印象だった。パドルシフトを操ってのシフトチェンジも瞬時にこなす。訊いたところでは、この新しいCVT自体も競合他車に比べて圧倒的に高い伝達効率を達成しているそうだ。
一方、ハイブリッドのジェイドについて述べると、フィット等と同じシステムを搭載するが、せっかく一連の車種の最新モデルでは制御がずいぶん洗練されたと感じていたところ、200kgほど車両重量が増加したジェイドでは、その重さが影響してか後発ながらスムーズさがスポイルされたように感じていた。燃費はよいが、動力性能自体にもやや不満を覚えたのは事実である。
その点、このジェイドRSなら加速性能に不満を感じることはなく、パンチの効いた痛快な走りを楽しむことができる。直噴ターボということで気がかりな騒々しさもなく、車外も車内も十分に静かなところもよい。
燃費だって、それはやはりハイブリッドには及ばないが、JC08モードで18.0km/Lというなら十分だろう。
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