ライバルは「プリウスα」!3列シートを備えたハイブリッド専用モデル「ホンダ ジェイド」/渡辺陽一郎(3/3)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
1.5リッターハイブリッドに7速DCTを搭載
ジェイドのエンジンは、前述のように1.5リッター直列4気筒のハイブリッド。直噴エンジンだから、ヴェゼルと同じタイプになる。エンジンとモーターを合計したシステム最高出力は152馬力で、ノーマルエンジンに当てはめれば2リッタークラスだ。
トランスミッションは7速DCT。2組のクラッチを備えた有段式のATを備える。ホンダのハイブリッド車に幅広く採用されるメカニズムだ。
JC08モード燃費は、16インチタイヤを装着した標準タイプのハイブリッドが25km/L、17インチタイヤを備えた上級のハイブリッドXが24.2km/L。この数値もヴェゼルと同等か、少し良いくらいになる。
ちなみに、ほかのハイブリッドミニバンの数値はトヨタ プリウスαが26.2km/L、ヴォクシー&ノアが23.8km/L、フリードハイブリッドが21.6km/L。ジェイドは中間的な燃費値といえる。
「ホンダセンシング」搭載で充実の安全装備
ジェイドの装備面で注目したいのは、自動ブレーキを作動できる安全装備の「ホンダ センシング」。ミリ波レーダーと単眼カメラが前方を監視して、歩行者を含めて衝突回避の支援を行う。警報を発する時はペダルにも振動を与え、ドライバーが危険を認識しやすくした。正面衝突の危険にも対応し、この時はペダルと併せてハンドルも振動させる。
軽自動車などに見られる赤外線レーザー方式は時速30km以下の作動だが、ホンダ センシングは高速域までカバーされる。カメラを使っているから車線も認識して、車線逸脱を警告したり、車線の中央に戻れるように電動パワーステアリングを制御することも可能だ。
さらにカメラが標識を認識してモニター画面上に表示し、見落としを防ぐ配慮もある。多機能な安全装備となった。
ライバル車との価格バランスはそれほど悪くない
ジェイドの価格は、標準タイプのハイブリッドが272万円。ハイブリッドXが292万円。LEDヘッドライト、スマートキーなどの基本的な装備はハイブリッドにも標準装着され、ハイブリッドXになると、ホンダセンシング、17インチアルミホイール、大型テールゲートスポイラーなどが加わる。
標準タイプにホンダセンシングを10万8000円でオプション装着することも可能だが、スポーティなジェイドの性格を考えると、17インチアルミホイールなども欲しいだろう。となれば、ハイブリッドXを選ぶのが良いと思う。ハイブリッドXはハイブリッドに比べて20万円高いが、ホンダセンシングなどを含めて26万円相当の装備がプラスされる。
買い得感という点でも、ハイブリッドXを推奨したい。
ちなみにライバル車の価格は、ヴォクシー&ノアハイブリッドXが293万1,429円、プリウスα・S(7人乗り)が282万8,618円で、ジェイドの価格はバランスとして悪くない。
もっとも、ヴェゼルハイブリッドに比べると実質30万円の上乗せだ。1.5リッターのハイブリッドとして見ると割高にも思える。それでもヴェゼルハイブリッドとの比較で、3列目シートと装備の違いで20万円、上級のプラットフォームと4輪独立懸架のサスペンションで10万円の上乗せと考えれば、許容範囲ともいえるだろう。
要はコンパクトミニバンと考えれば割高だが、3列シートを備えたミドルサイズのハイブリッドワゴンとなれば妥当、あるいは割安感も少し生じてくる。
4名で快適に移動できるハイブリッド車が欲しいユーザーには、価格はちょっと高めではあるが魅力的なクルマになりそうだ。
ホンダジェイド主要諸元
全長×全幅×全高:4,650×1,775×1,530mm/ホイールベース:2,760mm/最低地上高:140mm/車両重量:1,510kg/エンジン:1.5リッター 水冷直列4気筒 DOHC i-VTEC i-DCD/トランスミッション:高出力モーター内蔵7速DCT/駆動:FF/最高出力(エンジン):96kW(131PS)6,600rpm/最大トルク(エンジン):155N・m(15.8kgf・m)4,600rpm/最高出力(モーター):22kW(29.5PS)1,313~2,000rpm/最大トルク(モーター):160N・m(16.3kgf・m)0~1,313rpm/燃費:25.0km/L(HYBRID)24.2km/L(HYBRID X)
ホンダジェイドラインナップと価格
HYBRID/1.5リッター直噴DOHC i-VTEC/7速DCT/FF/2,720,000円
HYBRIDX/1.5リッター直噴DOHC i-VTEC/7速DCT/FF/2,920,000円
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