ホンダ インスパイア 試乗レポート

  • 筆者: 松下 宏
  • カメラマン:原田淳
ホンダ インスパイア 試乗レポート
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キー・コンセプトは ダイナミズム&インテリジェンス

フロントスタイリングリアスタイリング

ホンダの上級車に位置付けられているインスパイアは、実はアメリカではアコードとして販売されている。かつてはひとつだったアコードも、今では市場ニーズに合わせる形でボディが2種類になり、日本ではその両方が販売されるため、アメリカ版アコードにはインスパイアの名前が付けられている。

今回、新型インスパイアとして5代目に当たる。ホンダにはフラッグシップモデルとしてレジェンドがあるが、レジェンドはモデルサイクルが長くなりがちであるのに対し、新型インスパイアはきっちりモデルチェンジされて、ホンダの高級車ユーザーを確保する役割を担っている。今回は、ダイナミズムとインテリジェンスがコンセプト。さまざまな面で相反する要素を高い次元で両立させたのがポイントだ。

グレード構成はシンプルな2グレードの構成で、上級グレードの35iLと35TLには追突軽減ブレーキやアダプティブ・クルーズコントロール、ホンダHDDインターナビなどの装備が標準で用意される。

見事なまでの先鋭な外装と、ゆとりの上質空間

ヘッドライト
インパネフロントシート

新型インスパイアをひと目見たときに感じたのは大きいという印象。それもそのはず、全長が4940mm、全幅が1845mmというのだから、レジェンドと同じか、それ以上のサイズなのだ。ただ、単純にサイズから大きさを感じたのではなく、縦方向の厚さを確保したフロントグリルのデザインなどが大きいという印象を強めている。

ただ、フロントバンパーの左右部が、角を切り落としたような形でデザインされており、スポーティさを感じさせている。またリアビューはBMW5シリーズを連想させるような所もあるが、結果的にはスポーティさや迫力を感じさせるものに仕上がっている。

インテリアはいかにも広いという印象だ。運転席と助手席の間のセンターコンソールの幅が拡大されて助手席がかなり遠くに感じられるようになったほか、後席の広さが特筆モノだ。後席に座ると、頭上に十分な空間があるほか、ゆったり足を組める広さがある。ほかにも510Lにまで拡大されたトランク容量や各種の収納スペースなど、ボディの大きさを生かしたクルマ作りがなされている。

新可変シリンダーシステム搭載で驚きの走りを実現

シフトエンジン

搭載エンジンは3.5Lに排気量アップされた。動力性能は206kW(280ps)でレジェンド用が300psを超えるのに比べるとやや抑えた設定になっているが、これはレギュラーガソリン仕様であることも影響している。それでも280psのパワーがあれば十分であり、レギュラーガソリン仕様であることによって燃料代が安く上がることを考えると、これは好ましい設定といえる。

さらに、可変シリンダーシステムを進化させて採用しており、V型6気筒が3気筒に変わるだけでなく、走行状態に応じて4気筒にも変わるようになった。実際に走らせた印象は、とにかく余裕十分の動力性能だ。新型インスパイアの35iLはボディが大きいし、装備も満載しているので重量が1600kgを超えてけっこう重い。でも重さを感じることのない走りを見せる。今ではこのクラスの相場が6速になりつつあるとはいえ、5速ATとの組み合わせも悪くない。

高速道路をクルージングしている状態では、3気筒か4気筒で走っているはずだが、その変化が全く分からない。アクセルを踏み込めば瞬時に6気筒に切り替わって力強い走りを見せるが、その時の気筒数の変化によるショックも感じられないのだ。そのための工夫もいろいろと凝らされている。足回りはやや硬めというか、しっかりした感じの乗り味を感じさせる。その分だけ高級車にしてはロードノイズがやや大きめだったりするが、こうしたスポーティな走りの味が新型インスパイアの特徴だ。

オススメは充実装備満載の35iL

ヘッドライト&フォグランプ

新型インスパイアを買うなら、断然35iLがお勧めだ。35iLの価格は390万円で、ベースグレードの35TLとの価格差は60万円もあるが、それでも35iLの方がお勧めなのは充実した装備を備えるからだ。

追突軽減ブレーキ+Eプリテンショナーやアダプティブ・クルーズコントロールなどの安全装備に加え、ホンダHDDインターナビやインテリジェント・デュアル・フルオートエアコンなどの快適装備が標準で装備されるから、最近のクルマならではの満足感が得られるはずだ。装備の分を考えると、35iLのほうが割安といえるくらいである。

新型インスパイアはミニバンを卒業した人のためのクルマといえる。ミニバンには多人数乗車というメリットがあるにしても、大きさ、重さや重心の高さなどデメリットとなる部分もいろいろある。クルマはやはりセダンというユーザーにお勧めできるクルマである。

アメリカではカムリがライバル車に当り、快適性を重視したそのカムリに対し、スポーティさを重視した“インスパイア”といった性格の違いがあるので、好みに合わせて選べば良い。ティアナも基本的な性格はカムリと共通だ。国内ではスポーティさの面から、マークXやスカイライン、ISなどもライバル車として浮上してくるが、これらのFR車とは明確な性格の違いがある。特に室内の広さに関しては新型インスパイアが断然である。FRの走りが好みという人はマークXなどを比較して選べば良いと思う。

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松下 宏
筆者松下 宏

自動車そのものはもとよりクルマに関連する経済的な話題に詳しい自動車評論家。新車、中古車を含めてユーザーサイドに立った的確な購入アドバイスを語ることで定評がある。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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