なんと燃費はライバルのシエンタと同じ!?発売間近!ホンダ 新型「フリード」徹底解説(4/4)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
新型フリードを選ぶならば、必ず「HondaSENSING」搭載車を
グレード構成は、フリード、フリードプラスともに、ノーマルエンジンとハイブリッドを設定。両エンジンに各3グレードを用意する。
ノーマルエンジンは、上から「G・HondaSENSING」「G」「B」の3種類だ。ハイブリッドは、「ハイブリッドEX」「ハイブリッドG・HondaSENSING」「ハイブリッドB」になる。
グレードの選び方だが、まず前提として「Honda SENSING」は必ず装着したい。そうなるとノーマルエンジン搭載車は、フリード、フリードプラスともにG・HondaSENSING。G・HondaSENSINGであればフルオートエアコンやスマートキーは全車に標準装着され、スライドドアの電動開閉機能も両側に備わる。ハイブリッドもハイブリッドG・HondaSENSINGを推奨したい。
ただし、装備をさらに充実させたいなら、サイド&カーテンエアバッグ、ロールサンシェード、15インチアルミホイールなどを標準装着した最上級の「ハイブリッドEX」も検討すると良いだろう。
価格は3列シートのノーマルエンジン車の場合、最も安いBが188万円、推奨グレードのG・HondaSENSINGは210万円だ。ハイブリッドは最も安いBが227万6000円、推奨グレードのG・HondaSENSINGは251万6000円になる。
現行フリードの価格は、Gジャストセレクションが198万円。新型のG・HondaSENSINGは12万円高いが、HondaSENSINGに加えてスライドドアの電動機能が両側に装着されたりするので割安だ。
ライバルのトヨタ シエンタに対しても価格競争力は十分
シエンタはノーマルエンジンのGにToyota SafetySense Cを加えて約203万円だから、G・HondaSENSINGが210万円なら、機能や装備の違いを考えると競争力は十分にある。
ハイブリッドG・HondaSENSINGは251万6000円。現行ハイブリッドジャストセレクションよりも15万6000円高いが、システムの違いとHondaSENSINGの採用を考えれば、これも買い得と考えて良い。
シエンタハイブリッドGのToyota SafetySense C装着車は約238万円だ。
フリードではノーマルエンジンとハイブリッドの価格差が少し大きく、シエンタよりも13万円ほど高い。その意味では、フリードはノーマルエンジンが買い得といえるだろう。
斬新な機能は付かない新型フリードだが、着実に進化を遂げている
このように見てくると、新型フリードに斬新と呼べる機能はない。ステップワゴンのリアゲートに横開きのドアを組み込むような工夫も採用していない。
その代わり3列目を中心に居住性を改善し、コンパクトミニバンでありながら高機能なHondaSENSINGを用意した。重要な機能は着実に進化させている。
ミニバンは生活のツールだから、目新しさよりも実用性を高めることが大切で、このニーズは満たした。
注意したいのは、ホンダカーズでは、2016年8月上旬から見積書を作ってメーカーに注文も入れていることだ。最近は発売に先立って受注を開始する車種が多く、フリードも同じパターン。
TVのCMも早々と放映を開始したから、販売店への問い合わせも多いという。そうなると発売後の9月下旬に展示車を見たり、試乗した後で注文すると、納期が大幅に伸びてしまう。
販売店のセールスマンからは、「実車を使った詳しい説明をせずに、資料だけで契約を頂くのは不安もあるし心苦しい。受注開始の前倒しには、正直にいって困惑している」との声が聞かれた。
受注を早々と開始すれば、メーカーは売れ筋のグレードやオプションが予め分かり、生産計画を立てやすい。生産開始と同時に納車をスムーズに始められるメリットもあるが、顧客は長期間にわたって待たされ、販売店も「困惑している」と言う。
販売店の困惑は、顧客にも波及する。メーカーは「販売店の先にお客様がいる」ことを忘れてはならない。商品が優れていても、売り方がメーカー本意では、顧客の満足度は高まらない。
クルマの価値は、商品と販売の総合力で決まる。最近は当たり前のことが軽んじられている。
[Text:渡辺陽一郎]
この記事にコメントする