日本版コンシューマレポート-ホンダ フィットハイブリッド ユーザー試乗レビュー-(4/6)

日本版コンシューマレポート-ホンダ フィットハイブリッド ユーザー試乗レビュー-
フィットEVコンセプト ホンダ CR-Z 画像ギャラリーはこちら

フィットハイブリッドのユーザー評価・レビュー/ドライビング

まず、下の円グラフを見て頂きたい。これは、ユーザーが「フィットハイブリッド」に試乗する前、試乗した後のイメージ変化をグラフで表したものだ。

この「イメージが変わった」と答えた33%のユーザーによる、具体的な意見が以下の通りだ。

当然ながら、「ホンダのハイブリッド」+「ホンダのコンパクトカー」のバランス感についての指摘が多く、そのほとんどがポジディブな意見だ。

設問「試乗前後でイメージが変わったという方へ、その内容を教えて下さい」

・モーターアシストの力は予想以上に力強く、低負荷時はエンジン回転数を低く保ち、高負荷時にはパワフルな走りを見せてくれました (GONTAさん 兵庫県)

・インサイトと同じハイブリッドで値段も手頃で政府のエコ値引きがなくても買えそうに思う (ヤマグチさん 大阪府)

・エンジンでスタートしてモーターが出力をアシストする感触はターボのような感触でよかったです (nqi11455さん 群馬県)

・イメージとは関連ないかもしれませんが、色が運転状況に変化すメーターは当初驚きましたが10分もすると目障りで気をとられました。好みもあるでしょうが人間工学的にはどうなのでしょう? (izu00126さん 群馬県)

・思っていたよりエンジン音がする。意外とキビキビと走ったような気がする (ゆーこさん 千葉県)

・パワーはノーマルと比べてどうかな?と思いましたが、モーターのアシストもありノーマルより若干上かなと思いました (ボン太さん 鹿児島県)

・よくも悪くも通常のFITと変わりない。FITが完成されたデザインといえばそれまでだが、差別化してほしい (さんしろう13さん 岐阜県)

・インサイトと同じシステムを使っていると聞いていたので期待していなかったがインサイトよりギクシャク感が大幅に減っていて良かった (ヒガシタニさん 福井県)

・エコな車輌という先入観からか、エンジンの排気音が大きいと感じました。ホンダらしいといえばホンダらしいのですが、静粛性が足りない気がするのはやはり製造コストによるものでしょうか (だいのすけさん 千葉県)

・さらに低燃費になったことを実感した (シモムラさん 福井県)

・プリウスのような電気的な発進と思っていましたが、メインがエンジンなので違和感の無い出だしで安心しました (バンさん 埼玉県)

・ハンドルの重さがとても軽い感じがしました。また、アイドリングストップ時の静かさが、思ったよりも静かでした (ニックさん 千葉県)

・しっとりとした乗り心地で、静粛性も高く、思った以上に上質感があった。以前に乗ったインサイトよりもかなり進化していると感じた (エアチャリオットさん 東京都)

・良い意味で、ハイブリッド車であることを強く感じませんでした☆モータによるアシストも、何の違和感も感じることなく行われていることに、少し驚きました。。。ガソリン車から、フィットハイブリッドに乗り換えられても、変な違和感を感じることなく運転できると思います (ツヨシさん 福岡県)

次は、本連載恒例の「試乗後の感想」を12項目で選んで頂いた結果だ。

以上の各データを見ると、総じて、ユーザーは「フィットハイブリッド」に好意的だ。

では次は、筆者の「フィットハイブリッド」の走行性能に対する感想だ。

試乗は、最初に「CR-Z」を二日間、その直後に「フィットハイブリッド」を三日間乗った。

「フィットハイブリッド」を東京港区青山のホンダ社屋で借り、246青山通りを渋谷方面→首都高速・池尻大橋入路→東名高速へと走った。

まず、筆者の口から出た言葉は「重いな」だった。

「フィットハイブリッド」の車重は1,130kgある。対して「フィット 13G(FF)」の車重は990kg、「同L(FF)」は1,030kg、「同15X(FF)・15RS」でも1,080kgだ。コンパクトカーにとって、こうした50~140kgの重量差はハンドリングに大きな影響を与える。

今回、全国各ディーラーで「フィットハイブリッド」を試乗して頂いたユーザーの方にとって、最もハッキリと感じる点は、ハイブリッド機構による低速での押し出し感だ。

また、外観のガッツリ・ドッシリさが目に残る。ハンドリングの詳細は、二の次になってしまうのが現実だと思う。いかんせん、ディーラー周辺道路で40~50km/hで走行し、カーブを曲がるシーンも少ない状態で、「フィットハイブリッド」の重量増を実感するのは難しい。

同じIMAシステムを搭載する「インサイト」「CR-Z」の場合、ガソリン車のベース車が存在しない。だから、ハイブリッド車の「最大の欠点」である「重量増」は事実上、存在しない。

また、「CR-Z」のパワー/シャーシのバランス感は極めて高い。車重は「フィットハイブリッド」より30kg重い1,160kgだ。しかし、より低重心、よりスポーティなパワーユニットとサスの味付けが見事に決まっている。

ホンダ CR-Z

「CR-Z」は、たった1.3リッターのガソリンエンジン車だ。

にも関わらず、同車の試乗期間に別案件で試乗した「R35GT-R」や「メルセデスCL63AMG」より、走行中の気持ちのワクワク度が高かった。「エコスポーツ」という存在がカラダ全体に染み込んでくる感じがしたのだ。

正直なところ、「CR-Z」で感じるようなこうしたトキメキを、「フィットハイブリッド」には感じなかった。

同車はスポーツカーではないので致し方ない、といえばそれまでのこと。「フィットハイブリッド」は30km/Lの燃費と「フィット」が本来持つ利便性のクロスポイント(合致点)を狙うことが商品としての使命なのだから。

フィットEVコンセプト

とはいえ、悲しいかな「CR-Z」の完成度の高さが「フィットハイブリッド」への(筆者のような職業者だけでなく、ユーザーからの)要求度合いを引き上げてしまったと思う。

現在、ホンダは「フィットハイブリッド」よりさらに重量増の「フィットEV」で、量産型電気自動車の開発を進めている。

この研究が今後、「フィットハイブリッド」へのさらなる「走りのワクワク感」の創出に結びついていくことを期待したい。

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桃田 健史
筆者桃田 健史

日米を拠点に、欧州、BRICs(新興国)、東南アジアなど世界各地で自動車産業を追う「年間飛行距離が最も長い、日本人自動車ジャーナリスト」。自動車雑誌への各種の連載を持つ他、日経Automotive Technologyで電気自動車など次世代車取材、日本テレビで自動車レース中継番組の解説などを務める。近著「エコカー世界大戦争の勝者は誰だ?」(ダイヤモンド社)。1962年東京生まれ。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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