オジサン世代のシビックショックを繰り返さないで!ホンダにおけるフィットとシビックの関係(1/3)

オジサン世代のシビックショックを繰り返さないで!ホンダにおけるフィットとシビックの関係
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ホンダにおけるフィットとシビックの関係

ホンダ 新型シビック タイプR

新型フィットの売れ行きの話をする前に、“ホンダ車”の中でフィットが今どのような立ち位置にいるのか簡単にお話しよう。

2017年7月27日にホンダがシビックの国内販売を復活させると発表したが、コンパクトなボディで多くのユーザーに愛用された7代目(2005年に販売終了)までのイメージはまったく残っていない。全幅は1.5リッターターボエンジン搭載車でも1800mmとワイドで、価格は260万円を上まわる。

シビックセダンを埼玉県の寄居完成車工場で製造することになり、いわば成り行きで国内販売を再開しただけだ。開発過程では国内で売ることを考えておらず、サイズと価格を除いても、日本のユーザーの心に響くホンダ車とは思えない。

その意味で往年のシビックに相当するのが、今日のホンダ フィットだろう。全長が4mを下まわる5ナンバーサイズのコンパクトカーで、初代モデルは2001年に発売された。運転のしやすいボディサイズに、燃料タンクを前席の下に搭載したことで得られた広い室内と使いやすい荷室、低燃費などが人気を高め、2002年には国内のベストセラーカーになった。

この後、フィットは2007年に2代目へフルモデルチェンジされ、2010年にハイブリッドを加えている。2013年には3代目の現行型に一新され、2017年6月にはマイナーチェンジを受けて緊急自動ブレーキを高性能なホンダセンシングに進化させた。

順調に改良が進んでいるフィットに見えたが・・・

フィットのマイナーチェンジの履歴だけを見るとフィットは順調に進化してきたように思えるが、販売面では陰りが見える。

2014年までは1年間に20万台前後を安定して売ってきたが、2015年には11万9846台に急落した(対前年比は59.1%)。2016年は10万5662台になり、2014年の約50%まで下落している。

発売翌年までは堅調に売れたが、2年を経て新車の目新しさが薄れると激しく落ち込んだということだろう。

直近の2017年7月は、マイナーチェンジの直後とあって登録台数が対前年比で124.1%になった。

前年に比べると24.1%増えたが、この数字を素直に受け取ることはできない。ホンダは5月11日にホームページ上でマイナーチェンジの実施とホンダセンシングの装着を公表しており、改良を待って購入したユーザーも多かったからだ。この影響で5月の対前年比は56.1%に下がり、6月も87.9%だった。

つまり5・6月に減少した反動で7月が増えたから、マイナーチェンジで販売が持ち直したと判断するのは早計だ。少なくとも2017年12月までの販売推移を見ないと、本当の需要動向は分からない。

それにしてもなぜ現行フィットは以前に比べて売れ行きが伸び悩むのか。走行安定性、乗り心地、後席の居住性などは先代型よりも向上しているため、それ以上のマイナス要因があったことになる。

>>ホンダ 新型フィット タイプ別を写真でみる(画像45枚)

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渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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