ホンダ エレメント 試乗レポート

  • 筆者: 西沢 ひろみ
  • カメラマン:佐藤靖彦
ホンダ エレメント 試乗レポート
リアスタイリング フロントシート インパネ シート エンジン タイヤ&アルミホイール ラゲッジスペース ハッチバック 試乗 画像ギャラリーはこちら

ホンダが輸入する新しい価値を提案するSUVは、アメリカの匂いがプンプン感じる。

リアスタイリングフロントシート

「ライフガードステーション」と聞いて、その用途やカタチをすぐに想像できる日本人は少ないかもしれない。でも、アメリカの若者にとっては、自由な生き方を象徴する憧れの対象なのだ。窓を開けるだけで空や海とつながる「ライフガードステーション」は、スイマーやサーファーを見守るライフガードのために海岸に建てられたシンプルな建物。CR-Vのコンポーネンツを活用してホンダR&Dアメリカで開発され、オハイオ州のイーストリバティ工場で生産、国内に輸入されるエレメントは、この「ライフガードステーション」をモチーフに生まれた。

若いエンジニアで構成されたという開発スタッフの中に、日本人はたった5%程度しかいなかったそう。言い換えると、ホンダのクルマでありながらアメリカ人がアメリカの若者をターゲットに開発したクルマがエレメント。どこをとってもアメリカの匂いがプンプン感じたのも当然だろう。

センターピラーがない!リアドアは「サイドアクセスドア」と呼ばれる観音開き。

インパネシート

観音開きのリアドアを採用したクルマはエレメントが初めてではない。55年代にはトヨペットクラウンが、近年ではサターンクーペやbBオープンデッキが取り入れている。だが、これまでの観音開きに比べるとエレメントのそれはインパクトが大きい。海辺でのテレビコマーシャルの影響も大きいと思うが、全長 4300mmのボディサイズが生む広い開口部のおかげだろう。驚きの開放感がエレメントの存在感につながっている。

けれども、想像したほど乗り降りのしやすさは感じられなかった。確かに間口は広い。だけど、最低地上高175mmのフロアが結構高く、決してしやすいとはいえないものった。そこは、オフロードでの走破性を持ち合わせるSUVゆえに仕方がないのだが、実際に触れてみると「乗降性よりも荷物の出し入れが便利なドア」と言える。見た目、だだっ広い居住空間も、いざ座ってみるとミニバン的な居心地の良さは得られない。特に後席はスライド機構を備えるものの、座面長が短く、ヘッドクリアランスも少なめで快適とは言い難い。エレメントはコンセプトのとおり、アメリカにおける2人+荷物のパッケージングなのだ。

国内のバリエーションは、4輪駆動の2.4L直4エンジン+4速ATの1タイプだ。

エンジンタイヤ&アルミホイール

本国アメリカにはFFや5速MTも用意されるというが、国内は月販目標台数が1000台ということもあり、1タイプのみの導入となる。エンジンはアコードと同じ2.4リットル直4(i-VTEC)を搭載する。1560kgの車重は、なんとアコードワゴン24E(最も装備が簡素なモデル)と同じだった。また、4WDシステムは、前後に回転差が生じたときに多板クラッチが圧着されてリアにトルク配分するデュアルポンプ式だ。

アメリカのSUVというと、豪快な加速を想像しがちだけど、エレメントのエンジンフィールは国産車的な低中速トルクを重視したもの。アクセルを踏むと、いたって平穏な発進加速とクルージングを見せる。乗り味も、背の高さを感じさせない安定感と、極めて普通の乗り心地が伝わってきた。路面によって多少ピッチングを感じるのは、グッドイヤーのオールシーズンタイヤを履いていることと、259.0万円という価格帯が関係しての仕上がりだからだろう。大らかな気分で乗れば、不満はどこにもないはずだ。

使い勝手に優れたラゲッジスペースと多彩なユーティリティが自慢。

ラゲッジスペースハッチバック

サイドアクセスドアとともに、自由な使い勝手をサポートするのが上下に2分割で開閉するテールゲートだ。アッパーゲートは、ちょっとした荷物の出し入れに便利だし、ロアゲートはフロアとの段差を解消したところがポイント。さらにアウトドアで大人2人が腰掛けても平気なユーティリティスペースにもなるのだ。そして、ラゲッジスペースのフロアは、濡れたり汚れたりしても簡単に拭き取り掃除が可能なウレタンコートが施されている。後席はミニバンでお馴染みの左右跳ね上げ式シートを採用。跳ね上げにはかなりの力を要したことをご報告しておこう。前後のシートは、表面の撥水コーティングだけでなく、裏面にもポリエステルポリウレタンフィルムをラミネート。水の染み込みも防ぐ防水シート表皮が自慢だ。

自由なライフスタイルと大らかな心。その象徴ともいえるエレメントには、趣味に生きる自由人がもっとも似合っている。そう感じさせた。

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筆者西沢 ひろみ
樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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