ホンダ 新型CR-V 新型車解説(2/3)
- 筆者: 松下 宏
- カメラマン:本田技研工業株式会社
力強さと環境性能を両立した新型CR-Vのエンジン
新型CR-Vの搭載エンジンは2機種。2リッター i-VTECエンジンは新開発の可変吸気量制御が加えられ、無段変速のCVTが組み合わされており、駆動方式はFFだ。
また、もう1機種の2.4リッター DOHC i-VTECエンジンには電子制御5速ATが組み合わされて、駆動方式はリアルタイム4WDとなっている。
2リッターエンジンの動力性能は110kW/191N・mを発生。可変吸気量制御を採用することでポンピングロスを減らし、トルクコンバーター付きCVTと組み合わせた燃費は「14.4km/L(JC08モード)」。従来のCR-Vは、2.4リッター/FFが「12.2km/L」であったから、燃費は大幅に向上している。
2.4リッターエンジンは基本的には従来と変わらないが、さまざまな改良が加えられて大幅な進化を遂げている。2.4リッターエンジンの動力性能は140kW/220N・mで、パワーは15kWも向上させるとともに、燃費もJC08モードで「11.0km/L」から「11.6km/L」へと向上した。また、組み合わされる5速ATはパドルシフト付きとなった。
新型CR-Vでは、ホンダ車の定番となったECONモードも用意され、エンジン、トランスミッション、エアコンなどを燃費優先で最適制御することが可能。インサイトなどのハイブリッド車と同様に、メーター内の色が変わって燃費を向上させる運転を促す仕組みも採用されている。
駆動方式はリアルタイム4WDを電子制御化したのが特徴で、前輪が空転する前に後輪に駆動力を伝えることでスムーズな発進を可能とし、前後輪の駆動配分を緻密に行うことで、雪道での発進やコーナリング、登坂など、悪条件時の走行安定性を高めている。
さらに従来がデュアルポンプ式だったものをひとつのポンプにして小型・軽量化を実現し、さらにポンプを電動モーター式にすることでクルーズ時(FF走行時)の後輪駆動力を完全にカットして燃費の改善につなげている。
このほか、FF車では横滑り防止装置のVSAと電子制御パワーステアリング(モーションアダプティブEPS)を協調制御し、4WD車ではリアルタイム4WDも含めた協調制御とするなど、制御の高度化を進めている。
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