ホンダ アヴァンシア 試乗レポート
- 筆者: 河口 まなぶ
- カメラマン:森山俊一
通でなくともわかる、見事な乗り味。
不振だったアヴァンシアに入れ替えられた血は、まさにその名の通りヌーベルバーグと呼べるだけの新たな流れを持つ走り味を作り上げることができた新鮮なものだった。ホンダ自身も「今後のミドルクラスの基礎」というだけあって、この新たな乗り味・走り味には実に説得力がある。事実、走り出して5mも進まないうちに、そこにはこれまでの国産車からはほとんど得ることのできなかった確かな感触があると気付く。
この感触を実現するためにアヴァンシアのシャシは一から見直された。さらにその走りや乗り味を左右するシートも、レール以外は全面的に変更を受け、しっかりした感覚を存分に享受できるものとなった。
走らせると、ボディコントロールの巧みさが生む安心感と走りの確かさが心地よい。ソフトさだけを重視して快適な乗り心地と謳うようなクルマの場合、それに反してボディがユラユラと意に反した落ち着かない動きを見せるため確かさなど微塵もないが、ヌーベルバーグはそういうレベルの低いものとは一線を画す。
ステアリングも手応えが確か。わずかにVGRの違和感もあるが、この走り味・乗り味の前ではほんのわずかな不満にすぎない。
結果生まれたこの上質な味わいは、今後の同クラスの大きな指標となるだろう。タイトでソリッドな味わいが伝える気持ちよさは、これまでの概念をうち破るものといえる。
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