独3大ブランド アッパーミディアムセダン 徹底比較(2/4)

独3大ブランド アッパーミディアムセダン 徹底比較
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軽量ボディ、クワトロ、Sトロニックの優位性

アウディ A6アウディ A6

新しい造形のシングルフレームグリル、直線基調の精悍なヘッドライトを持つフロントマスクがスポーティイメージを強調。滑らかな曲面で構成されたボディパネルや、流れるようなルーフラインを持つ。LEDを駆使した先進的イメージの演出もアウディらしい。

2グレードがあるうちの上級の「3.0TFSIクワトロ」に搭載される3リッターV6スーパーチャージャー付きエンジンは、最高出力220kW[300ps]/5250~6500rpm、最大トルク440Nm[44.9kgm]/2900~4500rpmというスペック。コンパクトなコンプレッサーによる良好なレスポンスと、リニアでスムーズな加速が長く続く特性を実現している。

組み合わされる7速のSトロニックと呼ぶデュアルクラッチ式トランスミッションによるはダイレクト感のあるドライブフィールもA6ならではである。これに、前後40:60を基本に、最大で前輪に70%、後輪に85%のトルクを伝達し、さらには4輪への理想的な駆動力配分を行なうトルクベクタリングシステムを備えた最新世代のクワトロが組み合わされる。

この先進のフルタイム4WDシステムが標準で与えられるというのもA6の特徴で、ダイナミックな走りと、条件を問わない操縦安定性の高さもA6の強みである。

ボディサイズは、4930mm×1875mm×1465mmと、大きくなったといわれる現行5シリーズをさらにわずかに上回る。ホイールベースも先代より拡大され、Eクラスよりも少し大きい2910mmとなっている。それでいて、アルミとスチールを組み合わせたボディは、スチールのみの場合に比べて30kgの軽量化を実現しており、撮影車で重量は1870kgと、後輪駆動の下記2モデルに比べ、4WDシステムを搭載しながらも、比較的軽量に仕上がっているところも特筆できる。

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俊敏かつ操縦安定性に優れるハンドリング

BMW 5シリーズBMW 5シリーズ

7シリーズゆずりのプラットフォームにより大型化されたボディは、4920mm×1860mm×1470mmというサイズ。2970mmというホイールベースも3台の中でダントツに大きい。撮影車両の重量は1840kgで、前軸重930kg、後軸重910kg(車検証記載)と、A6やEクラスがフロントよりであるのに比べて、前後重量配分がほぼ50:50になっているところはさすがである。

今回の535iには、3リッターターボエンジンは、最高出力225kW[306ps]/5800rpm、最大トルク400Nm[40.8kgm]/1200~5000rpmというスペック。

BMWならではの、直噴技術、ツインスクロールターボ、バルブトロニック、ダブルVANOSなどを盛り込んだ「ツインパワー・ターボ・テクノロジー」による直列6気筒エンジンは、ターボラグもなく、極めて低いエンジン回転数から幅広い回転域で最大トルクを発生させるのが特徴。これに8速という多段ATが組み合わされ、全回転域がパワーバンドのような特性を示す。ストレート6ならではの響きを堪能することができるのもBMWならではである。

ドライブフィールは極めて上質。滑らかに走り、乗り心地も素晴らしい。走行速度に応じて、約60km/h未満では後輪を反対方向に操舵して俊敏性を高め、60km/h以上では同じ方向に操舵して安定性を高めるインテグレイテッド・アクティブ・ステアリングにより、一般走行時には、ほかの2モデルよりもクイックに感じられる。

ドライビング・パフォーマンス・コントロール・モードのスイッチを押すと、エンジン・レスポンスやシフトタイミング、パワステのアシスト量などの設定が連動して調整され、走行特性を任意に選択できる。

さらに、最新モデルでは燃費を大きく改善するという「ECOPRO」モードが追加されたのもニュースだ。

BMW 5シリーズBMW 5シリーズBMW 5シリーズBMW 5シリーズBMW 5シリーズ

クリーンディーゼルも選べるプレミアムカー

メルセデス・ベンツ Eクラスメルセデス・ベンツ Eクラス

Eクラスは、タイヤハウスに沿わせたリアフェンダーのラインや、斜め角型の4灯式ヘッドライトや、バンパー下部の両側に配されたLEDドライビングライトなどが特徴だ。いまやこちらが主流となったアバンギャルドでは、よりアグレッシブな意匠となる。

撮影車には、フロント、サイド、リアのスポイラーや、18インチホイール、スクエアデザインのマフラーなどが与えられる「AMGスポーツパッケージ」が装着されている。同パッケージが、かつてはかなり高価だったところ、現在では45万円という価格で用意されていることも特筆できる。

880mm×1855mm×1470mmというボディサイズや、2875mmというホイールベースは、わずかながら今回の中では最も小さいが、このサイズと切れ角の大きなステアリングのおかげで、最小回転半径は5.3mと3台中で一番小さい(A6は5.7m、5シリーズは5.5m)。低速走行時の取り回しに優れるダイレクトステアリングも寄与して、実際も取り回し性は最も良好に感じられる。

エンジンは、1.8リッター直4ターボ、3リッターV6自然吸気、3.5リッターV6自然吸気、5.5リッターV8自然吸気、そして3リッターV6ディーゼルと、非常に豊富なバリエーションの中から選ぶことができるのもEクラスならでは。

日本でもディーゼルを選べるのが特筆点で、E350ブルーテックのエンジンスペックは、最高出力155kW[211ps]/3400rpm、最大トルク540Nm[55.1kgm]/1600~2400rpmとなり、ガソリンエンジンの5.5リッターV8を凌ぐ圧倒的なトルクを誇る。

ドッシリと安定していながら重々しさを感じさせないフットワークは、フラッグシップのSクラスにも通じるもので、高いスタビリティと軽快感が見事に同居している。

メルセデス・ベンツ Eクラスメルセデス・ベンツ Eクラスメルセデス・ベンツ Eクラスメルセデス・ベンツ Eクラスメルセデス・ベンツ Eクラス

デザイン・スペックの総評

このカテゴリーのモデルにおいて、共通して見受けられるのは、スポーティなルックスとドライブフィールの追求、過給機を加えたエンジンのダウンサイジングと効率化といえる。その点で、3大プレミアムブランドは、同じような方向を目指しながらも、先進的なものを積極的に採り入れるアウディ、独自のアプローチを見せるBMW、総合力に勝るメルセデスと、キャラクターの違いが表れているあたり興味深い。

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岡本 幸一郎
筆者岡本 幸一郎

ビデオ「ベストモータリング」の制作、雑誌編集者を経てモータージャーナリストに転身。新車誌、チューニングカー誌や各種専門誌にて原稿執筆の他、映像制作や携帯コンテンツなどのプロデュースまで各方面にて活動中。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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