ユーティリティ・スポーティ軽カー 徹底比較(3/4)

ユーティリティ・スポーティ軽カー 徹底比較
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ミラクルオープンドアがもたらす利便性

インパネドアオープン

ミラクルオープンドアにより、助手席側センターピラーをドアに内蔵させたことで、1480mmの開口幅と、1505mmという開口高さからなる非常に広い開口幅を実現している。その他のドアについても、昨今のダイハツ車の例によって、前後ともほぼ直角にまで開く。ステップのないフラットな低いフロアにより、乗降しやすく、子供なら立ったままサイドウォークスルーができるくらい広い。

開閉の所要時間は、オープンに約6秒、クローズに約7秒と、開口幅が大きいためか、後述するeKスポーツよりも1秒ほど長くなっている。構造的には、助手席側のドアの中身はアッパーロック高張力パイプ材ピラーによってピラー同等の強度を確保するとともに、内部にはインパクトビームも入っている。

室内の感覚的な広さは、およそ5ナンバークラスのハイルーフミニバンのようである。2490mmのロングホイールベースと、軽自動車最大の室内長2160mmや、前後席間のタンデムディスタンスが1135mm、室内幅1350mm、室内高1350mmと、ほぼスクエアな非常に広い空間になっている。

また、大面積のフロントウインドウと、その両側前方にクォーターウインドウによるワイドパノラマウインドウにより、視界も非常に良好である。後方はガラス見切りのバックドアウインドウとなっている。

インテリアは、ムーヴと同じデザイナーが手がけたとのことで、デザイン面での共通性も感じられる。インパネ主要パネルの新しいシボの感覚もなかなか面白い。シートは見た目は平板に近いベンチシート状のものだが、座ると微妙なホールド感があり、おしりの収まりもいい。

助手席はロングスライドが可能で、前倒しすることでシートパックテーブルとしても使えるし、後席の前倒しと含めて長尺物を積載することもできる。また、助手席は280mmのロングスライドが可能で、後席に乗せた子供の面倒もみやすい。大きな荷物を積みたい際は、後席をフロアにダイブダウンさせることで、荷室長1385mmにもなる低くフラットな空間を創出することもできる。

また、フローリングフロアが設定されている点も特筆したい(タントのXリミテッドに標準装備、その他では一部を除きオプション)。

フロントシートリアシートユーティリティオーバーヘッドコンソールラゲッジ

ベーシックなユーティリティを

インパネドアオープン

こちらもセンターメーターを中心とした、シンプルなレイアウトのインパネとなっている。機能はベーシックなもので、スイッチ類は整然と配置されており、視認しやすい。

収納スペースもシンプルな設定で、特殊なアレンジを必要とせず、いたって使いやすい。助手席ドアに設定した車検証入れや、プチごみ箱、助手席背面のマルチポジションユーティリティなど、独自のアイデアも見られる。ドア前端に配された開閉式ドリンクホルダーも非常に使いやすい。収納スペースは、これだけあれば実用上は十分だろう。

電動スライドドアにはインナーレール式を採用していることで、外見ではスライドドア車とわからず、また動作時にも左側にわずか幅200mmのスペースしか要しない。ただし、もともとスイングドアの設計だったこともあってか、開口幅は530mmであり、あまり広いとはいえないところは惜しまれる。開閉の所要時間は、オープンに5秒、クローズ6秒となっている。

eKスポーツには、ホールド製に優れるスポーツシートが備わり、比較的大きめのアームレストも備わる。また、オプションにてレカロシートが設定されている。

後席はリクライニング可能だが、ラゲッジスペースを拡大したい際のアジレンが背もたれを前倒しするのみにとどまり、ラゲッジフロアとシートに段差が生じてしまうのは少々難点ではある。

スライドドア以外に、いわゆる飛び道具的な装備はなく、シンプルかつベーシックな素性をつきつめた設定となっている。

フロントシートリアシートハンドルラゲッジラゲッジ

上質な室内空間と快適性向上のための充実装備

インパネドアオープン

パッと乗った瞬間に、このクルマが軽自動車であることを思わせないような質感の高さを感じる。ムーヴカスタムでは、ブラックを基調にシルバーのラインをアクセントとし、ワイド感を演出している。シートには立体構造のシートファブリックを採用している。

前後ともドアがほぼ直角に開く点は、やはりこのクルマの大きなアドバンテージである。また、前席はもとより、外観からイメージするよりもずっと後席空間は異様に広い。

テールゲートについては、ムーヴカスタムは横開きである点が特徴。リアシートはシンプルなアレンジで前倒しでき、ラゲッジフロアと後席背面がほぼフラットになるというのは、実際の使い勝手においても、重宝大きなメリットである。ただし、フロアはやや高めとなっている。

そして、充実装備を誇るダイハツの軽カーの中でも、ムーヴカスタムはその頂点といえるモデルである。現在ではその他の車種にも採用されているが、MOMO製本革巻ステアリングホイールやディスチャージヘッドランプは序の口として、リバース連動ドアミラー、運転席&助手席シートヒーターなども設定されている。

さらには、ダイハツ自身がムーヴカスタムを走りにこだわったモデルと位置づけていることから、現時点ではムーヴカスタムとソニカにしか設定のないレーダークルーズコントロールやVSCなども用意されている。

フロントシートリアシート ダッシュボードラゲッジラゲッジ

内装・装備の総評

いうまでもなく、ムーヴカスタムは、トールワゴン系軽カーとしての素性をつきつめ、ekスポーツは、助手席側後席スライドドアを採用し、タントカスタムでは、ミラクルオープンドアを採用した、という、ユーティリティについての進化のプロセス。インテリアでは、全車、センターメーターとなっており、収納スペースを豊富に設定している。ekスポーツでも過不足はないが、ダイハツの2台の装備の充実ぶりは目を見張るものがある。

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岡本 幸一郎
筆者岡本 幸一郎

ビデオ「ベストモータリング」の制作、雑誌編集者を経てモータージャーナリストに転身。新車誌、チューニングカー誌や各種専門誌にて原稿執筆の他、映像制作や携帯コンテンツなどのプロデュースまで各方面にて活動中。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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