上級ステーションワゴン 徹底比較(2/4)

上級ステーションワゴン 徹底比較
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国内唯一の6気筒エンジンがもたらす上質感

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ツーリングワゴンをベースに、地上高を上げ、フェンダーアーチをフレアさせ、大径タイヤを履かせるなどし、SUVライクな出で立ちとしたアウトバック。全長こそ同じ4,775mmだが、全幅は1,820mmと40mmワイド化され、全高は70mm高い1,605mmになっている。

また、200mmという地上高に、225/60R17サイズというハイトの高いオールシーズンタイヤを履くため、かなり大柄に見える。それに相応しく、ステアリングギア比が、ツーリングワゴンは14.5:1と比較的クイックであるのに対し、アウトバックは16.0:1とスローに設定されており、おっとりとしたドライブフィールとなっている。

とはいえ、一般的なSUVに比べると、やはりその印象はワゴン寄りとなっている。

乗り心地については、レガシィシリーズ全体において、もう少し足まわりにストローク感が欲しいところなのだが、アウトバックはタイヤのたわみもあって、快適性と操縦性、スタビリティのトータルバランスが取れているように感じられる。

また、アウトバックのみ、日本で販売されるスバル車で唯一となる水平対向6気筒エンジンが用意される。

排気量からイメージすると、もう少しトルク感が欲しい気もするところだが、3.6リッターも排気量があれば動力性能的には余裕があり、もちろん6気筒らしい重厚感は備えている。

これを、SIドライブを駆使して3段階の走り味を選択できるのも特徴だ。ATの制御も、ダイレクト感よりも運転しやすさを優先したと思える味付け。

総じて、下位グレードの2.5リッター4気筒SOHC+リニアトロニック(CVT)に比べると、上質感は格段に高い。また、同エンジンはレギュラーガソリン仕様であるところも特筆できる。

AWDシステムは、2.5iのアクティブトルクスプリット式に対し、3.6Rでは基本のトルク配分を45:55と後輪重視にしたVTD(不等&可変トルク配分電子制御AWD)を採用。優れた回頭性を持ち、積極的に走りを楽しむことができる。

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ゆったりとした走りも悪くない

ボルボ V70ボルボ V70

往年のスクエアなイメージを残しつつ、全体をラウンドさせたエクステリアは、現代的でありながら、ひと目でボルボとわかるアイデンティティを放つ。

大きくなったアイアンマークを配した、新感覚の格子によるフロントグリルも板についてきた感がある。ボディサイズは、4,825mmという全長はそれほどでもないものの、1,890mmという全幅は、乗れば大きさを痛感するのは否めない。

ただし、ハンドルの切れ角は十分で、205/50R16という一般的なサイズのタイヤを履き、フロントバンパーのコーナーがえぐられていることで、最小回転半径は5.5mと悪くはない。

エンジンは、上級の「T6」に3リッター直6ターボを据え、このノルディックと2.5TLEには、2.5リッター直列5気筒ライトプレッシャーターボがフロントに横置きに搭載される。

エンジンスペックは、170kW[231ps]、340Nm[34.7kgm]というピークパワーとトルクを、ともに4,800rpmというエンジン回転数で発生させる。従来よりも30ps以上という大幅な向上を果たし、燃費も向上したことも特筆できる。

ただし、2,521ccという排気量は、このクラスのクルマを買おうかというユーザーにはあまり気にならないのかもしれないが、日本の税制下では少々惜しまれるところだ。トランスミッションに6速ATのギアトロニックを組み合わせ、駆動方式は2.5リッター車がFF、3リッター車はAWDとなる。

S80系の上級のプラットフォームを得たことで、静粛性や乗り心地の確保に余裕が感じられる。ノルディックについては、ボルボのT系やR系グレードのようなスポーティな感覚はあまりなく、ドライブフィールはいたってゆったりとしたもの。

やたらと俊敏性を追求した車種ばかりになった中で、こうした味もまたよしと思えてくるのだ。ただし、プラットフォームを共有する後発のXC60が、SUVゆえの不利な要素を持ちながらも、好印象な仕上がりに達していたことを考えると、V70にももう少し上を求めたくなるのも正直なところではある。

ボルボ V70ボルボ V70ボルボ V70ボルボ V70ボルボ V70

ダイレクト感あふれる運転感覚

アウディ A4アウディ A4

A4アバントに少し遅れて追加された、本命の2.0TFSIクワトロ。パワートレインは、フロントに縦置きされる2リッター直4直噴ターボエンジンに、7速Sトロニックを組み合わせる。新世代のクワトロシステムにより、前後の駆動力配分が40:60とやや後輪よりになっている。

前述の比較的ゆったりとしたドライブフィールのクルマに乗った直後ではなおのことだが、アウディ車の運転感覚には、いい意味で少々戸惑うものがある。

というのは、すべてがダイレクトだから。一切のターボラグもなくレスポンスする、極めてパワフルなエンジンに、MT以上に途切れのないシフトチェンジを可能としたSトロニック。

さらに、どっしりとした中立に、切り始めから遊びなく切ったとおりに反応するハンドリング。それを支える剛性感あふれるボディ。もちろんこれこそアウディの味である。しばらく運転しているとすぐに慣れて、これが非常に心地よく感じられてくる。そして、このクルマに慣れると、ほかの一般的なクルマがとても鈍く感じられるようになってしまう。

また、エンジン、ミッション、サスペンション、ステアリングなどの特性を切り替えるアウディ・ドライブ・セレクトもオプション設定されているのが特徴だ。

エクステリアデザインは、ワゴンっぽさの払拭を狙った印象で、スペースユーティリティよりも、スタイリッシュであることを優先したように感じられる。ヘッドライト下のポジションランプは、すでにアウディのアイデンティティとして確立しているが、2009年8月の変更で、小型ドアミラーやLEDリヤコンビネーションランプが新たにA4アバント全車に採用された。

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総評

走りのキャラクターはそれぞれだいぶ印象が異なる。エンジン形式~トランスミッションの違いはもちろん、フットワークの印象もだいぶ異なる。とかく走りはスポーティなものが良いと評価されがちで、今回でいうとA4アバントがまさに当てはまるが、乗り比べると、ゆったりと乗れることのよさにも気づかされる。V70がそうだ。アウトバックも、タイヤや重心高の面で不利ながら、レガシィシリーズの中でもよくまとまっており、オンロード主体の使用にもデメリットはない。

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岡本 幸一郎
筆者岡本 幸一郎

ビデオ「ベストモータリング」の制作、雑誌編集者を経てモータージャーナリストに転身。新車誌、チューニングカー誌や各種専門誌にて原稿執筆の他、映像制作や携帯コンテンツなどのプロデュースまで各方面にて活動中。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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