国産スポーティSUV 徹底比較(2/4)

国産スポーティSUV 徹底比較
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より洗練されたドライブフィール

マツダ CX-7マツダ CX-7

全長は4,695mmと5ナンバー枠内だが、全幅は1,870mmにも達している。全高は1,645mmとSUVとしてはやや低め。ホイールベースは2,750mm。車両重量はFF車が1,660kg、4WD車が1,760kgとなる。

スポーツカーとのクロスオーバーをいち早く謳ったスタイリングは、スラントしたノーズに大きく傾斜したフロントウィンドウ、絞り込んだルーフライン、筋肉質なボディサイドなど、今見ても新鮮でありスポーティなテイストを持っている。

2009年9月のマイナーチェンジでは、フロントまわりのデザインが変更され、5角形ロアグリルおよびフォグランプベゼルを拡大したほか、開口部をメタル調パーツで縁取ることで上質感を表現。またフロントバンパーが、空力特性や安全性を考慮した形状へと変更された。

さらに、リアバンパーも形状が変更され、新デザインの18インチアルミホイールが採用された。ドライブフィールもスポーティなイメージへの期待に応えるもので、マイナーチェンジでさらに洗練された。

最高出力175kW(238ps)/5,000rpm、最大トルク350Nm(35.7kgm)/2,500rpmという2.3リッター直4DISIターボエンジンは、スペック面での変更はないがエンジンの小改良および5速ATのシフトパターンの最適化などにより、10・15モード燃費で9.1~9.3km/L(JC08モード燃費は8.8~9.0km/L)と燃費が向上した。

大きな車体ながら、軽快で一体感のあるフットワークは健在。マイナーチェンジでダンパーの減衰特性が見直されたことにより、突き上げ感が低減し乗り心地が良くなった。

さらに、OEMタイヤの変更によりロードノイズも低減したほか、吸音材の追加により静粛性も向上している。また、今回の撮影車両はFF車だが、従来のFF車は4WD車に比べるといささかステアリングフィールや接地感に軽薄な印象があったのだが、マイナーチェンジ後はその印象が薄れ、しっとりとしたフットワークを手に入れたことも好印象だった。

FFのほか、走行状態に応じてFFから前後50:50の直結状態まで自在な駆動力配分を行なう「電子制御アクティブトルクコントロールカップリング式」と呼ぶ、スタンバイ4WDが用意されている。

マツダ CX-7マツダ CX-7マツダ CX-7マツダ CX-7マツダ CX-7

スッキリとしたフロントマスク

ホンダ CR-Vホンダ CR-V

ボディサイズは、4,565mm×1,820mm×1,690mmと、全長は短いながらも全幅は大きめ。

ホイールベースは2,620mm、車両重量は1,480kg~1,590kgとなっている。エアロダイナミクスを追求し、アンダーカバーを設定している。エクステリアはフロント下部が登坂性を意識した形状とされているほか、「サイドクラッディングパネル」などアンダーボディに凹凸が設けられ、オフローダー的なテイストも与えられている。

2009年のマイナーチェンジで、少々アクの強すぎる感があったフロントマスクは、スッキリとしたデザインなり、アルミホイールもモダンな新デザインとなった。

2.4リッター 直4 i-VTECエンジンは、最高出力125kW(170ps)/最大トルク220Nm(22.4kgm)を発生。トランスミッションは5速ATが組み合わされる。過不足はないものの、他の2モデルと比べると、少々物足りない印象があるのは否めない。

シャシー性能は高く、大径タイヤをよく履きこなしている。足まわりのセッティングが変更され、心なしか従来のしなやかな印象が薄れたように感じられるものの、依然としてクラストップレベルのフラットライドで安定感ある、質感の高い走りを身につけている。

また、マイナーチェンジでボディ各部に遮音材が追加されたことによる静粛性の向上も実感できる。ホンダ独自のスタンバイ4WDであるデュアルポンプ式を採用した「リアルタイム4WD」は、先代までのシステムに対し、デュアルポンプのクラッチ容量増加やワンウェイカムユニットの追加により、伝達駆動力とレスポンスが向上しているのが特徴だ。

ホンダ CR-Vホンダ CR-Vホンダ CR-Vホンダ CR-Vホンダ CR-V

極めて流麗なスタイリング

日産 スカイラインクロスオーバー日産 スカイラインクロスオーバー

これまでのSUVにはない極めて流麗なスタイリングが、このクルマの最大の特徴に違いない。

全長は4,635mmと他の2モデルの中間的数値だが、全幅は1,800mmともっとも小さく、全高は1,575mmとグッと低い。一方で2,800mmというホイールベースはもっとも長い。

ルーフ高もフロア地上高も、SUVとしては異例なほど低めに設定されており、オーバーハングの短いボディの四隅にタイヤを配していることで、大径タイヤを履く大型2ボックスハッチバック車のような独特のパッケージングとなっている。

今回、唯一の縦置きエンジン車らしく、ロングノーズを持つプロポーションにアーチを描いたルーフラインというフォルムは、前後左右も上下方向もグッと絞り込んでいるため、外寸がそれほど大きくない。したがって、実際よりも小柄なクルマに見える。

ただし、小さく見えてもパワートレインや充実した装備により、車両重量は1,730~1,830kgと今回の中ではもっとも重くなっている。

それでも、最高出力243kW(330ps)/7,000rpm、最大トルク361Nm(36.8kgm)/5,200rpmを発生する、VVELを備えたVQ37VHRユニットに7速ATという組み合わせは、全域で力強く、このクルマを走らせるのになんら不満はない。

また、縦置きされる6気筒エンジンが奏でる重厚な響きは、やはり横置き4気筒エンジンでは得られないもので、上記2モデルにはない車格感をドライバーにアピールしている。

フットワークには俊敏性があり、スカイラインシリーズに共通したスポーティな感覚を持つ。4WDよりもFRのほうが軽快で好印象。ただし、乗り心地はやや固めで、もう少しストローク感が欲しいところではある。4WDには、日産の伝家の宝刀といえるセンターデフ式のフルタイム4WD「アテーサE-TS」が搭載される。

日産 スカイラインクロスオーバー日産 スカイラインクロスオーバー日産 スカイラインクロスオーバー日産 スカイラインクロスオーバー日産 スカイラインクロスオーバー

総評

いずれも、エンジンおよびトランスミッションの設定は1種類で、駆動方式は2WDと4WDが用意されている。CR-Vを基準とすると、CX-7はターボエンジンを積むことが特徴。一方、スカイラインクロスオーバーは、V6エンジンを縦置きにしたFRベースという、まったく違うレイアウトであり、それぞれの素性は、やはりドライブしたときの印象に直結している。いずれもSUVらしからぬスポーティな走りを身上としているが、中でもスポーティさに特化した印象があったCX-7が、洗練度を深め、上質なドライブフィールを手に入れていたことが印象的だった。

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岡本 幸一郎
筆者岡本 幸一郎

ビデオ「ベストモータリング」の制作、雑誌編集者を経てモータージャーナリストに転身。新車誌、チューニングカー誌や各種専門誌にて原稿執筆の他、映像制作や携帯コンテンツなどのプロデュースまで各方面にて活動中。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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