注目の最新インポート4座オープンカー徹底比較(2/4)

注目の最新インポート4座オープンカー徹底比較
フロントスタイル リアスタイル フロントビュー リアビュー サイドビュー タイヤ エンジン インパネ フロントシート リアシート メーター 画像ギャラリーはこちら

優雅なスタイルと後輪駆動ならではのハンドリング

フロントスタイルリアスタイル

BMWのエントリーモデルである1シリーズの一員ではあるが、このカブリオレはあまりそれを感じさせない雰囲気を持っている。独特の有機的デザインと、プレミアムコンパクトオープンカーで唯一の後輪駆動車である。上級の3シリーズにもカブリオレが存在し、そちらは電動ハードトップとなり、日本仕様は高出力の3Lパラレルツインターボエンジン搭載モデルのみとなっているが、対してこちらはソフトトップで、2Lの4気筒エンジンのみの設定となっている。

1シリーズも3シリーズも、本国ではもっと豊富なラインアップがあるが、日本導入モデルでは割り切って、1シリーズと3シリーズそれぞれのポジショニングの差別化を図ったわけだ。

この1シリーズ・カブリオレには、コストダウン、軽量化、3シリーズとの差別化、若々しさの演出などの役目が与えられている。また、135iクーペ同様にアクティブステアリングを選べるところもポイントで、その制御も非常にこなれている。

ドライブフィールは、コンパクトな後輪駆動車ならではハンドリングが楽しめる。この3台の中でみると、「さすがはBMW!」となるのだが、1シリーズのボディに対して屋根をなくすのは剛性面では難しかったようで、ボディがシェイクしがちで、それに起因するライントレース性の悪化もみられる。

動力性能的にももう一歩。車重増に対してファイナルギアをローギアード化して対応しており、実用上は不満のないレベルではあるが、もう少し上の味を求めたくなってしまう。

フロントビューリアビューサイドビュータイヤエンジン

色あせないスタイリング

フロントスタイルリアスタイル

ニュービートルは、4代目ゴルフのプラットフォームをベースに、往年の「タイプI」(通称ビートル)をモチーフにデザインしたボディを架装したクルマである。

カブリオレは電動開閉式のソフトトップを持ち、閉じた状態ではニュービートルの特徴である丸みを帯びたデザインを見せる。

2005年秋のマイナーチェンジで、3分割されたバンパーのエアインテークや強調されたホイールアーチが採用されている。追加された「ヴィンテージ」は、ディープブラックパールエフェクトのボディカラーと、ボルドーレッドのレザーシート+ガーネットレッドのファブリックトップが組み合わされる。これまでも数々の限定モデルが設定されてきたが、この組み合わせは、なかなか強烈なインパクトがある。

そしてこのクルマが登場して以来、筆者も何度かドライブしているのだが、乗るたびによくなっていることがわかる。ボディ剛性では相当不利であるはずだが、従来みられた不快な振動は現時点ではほとんど気にならないレベルに抑えられており、乗り心地にも固さが感じられなくなった。

パワートレインは、2Lの直4DOHCエンジンにティプトロニック仕様の電子制御6速ATが組み合わされる。走りのパフォーマンスを語るクルマではないと思うが、基本はドイツのベーシックカーであるゴルフから譲り受けた、そつなく不満のない走りを身につけている。

フロントビューリアビューサイドビュータイヤエンジン

V6でも十分にアメリカン

フロントスタイルリアスタイル

堂々たるサイズのボディに、初代マスタングをモチーフとした印象的なスタイリング。フロントマスクは、V6モデルにもアクセサリーランプが付き、クロームのアクセントが配されるなど、上級のGT並みに見栄えするようになっている。

ボディカラーには新たに「コロラドレッド」が採用された。また、GTは18インチタイヤを履くが、V6には235/55ZR17サイズとなるのが主な相違点である。目に見えない部分のコンポーネンツにおいても、たとえばリアにリジットサスを採用するなど、現代的とはいえないながらもマスタングの伝統を「あえて」受け継いでいる。走ってみると、洗練はされていないものの、独特の楽しさはある。

乗り心地がやや固めだが、ローズドモデルに比べてボディ剛性の低下をあまり感じないし、屋根を切ったクルマにありがちな、振動が続く印象があまりない。安定感が高いため、速度感が希薄になっている。ボディの微振動は小さく抑えられており、ステアリングフィールも意外とスッキリしていて、乗りやすく仕上げられている。

排気量が4LもあるV6エンジンと適度にルーズなATの組み合わせにより、リラックスして乗れる。マニュアルシフトはできないが、加速したいと思って踏み込めばキックダウンして、V6ながらV8に負けない野太く猛々しいサウンドを轟かせながら豪快に加速する。2,000回転以上をよく使う設定で、レッドゾーンは5750rpmから。盛り上がるようなトルク感ではなく、排気量にものをいわせたフラットなトルク特性で、あまり回して楽しむ性格のエンジンではなく、トルクで押すタイプである。そのあたりは上のV8と同じ印象で、V6でも十分に「アメリカン」している。実際、V8に比べて動力性能的なハンデをあまり感じさせない。

フロントビューリアビューサイドビュータイヤエンジン

デザイン・スペックの総評

この3台はキャラクターがまったく異なるし、比較してどちらかを買うということもあまりないかと思われるが、この価格帯で、こんな魅力的な4座オープンカーが存在し、それぞれ上記のような性格のクルマだということをイメージしていただければと思う。

スタイリングは好みの問題として、3台では当然ながら走りのテイストがだいぶ異なる。それも好みの問題だろうが、オープン化によって、ボディ剛性のダウン、車両重量の増加など、走りについては不利な要素も出てくるところ、もっともその点でクローズドルーフモデルに対してハンデを感じさせないのはマスタングだった。

また、この3台の中で比べても、メカニズム的には旧態依然としているはずのマスタングのトータルバランスの良さを知った。ドイツ製の2台は、さすがにドイツ製に恥じない完成度を見せる。出て間もない1シリーズ・カブリオレもまずまずの仕上がりだが、とくにニュービートルは完熟の域に達したと感じられた。

この記事の画像ギャラリーはこちら

  すべての画像を見る >

【PR】MOTAおすすめコンテンツ

岡本 幸一郎
筆者岡本 幸一郎

ビデオ「ベストモータリング」の制作、雑誌編集者を経てモータージャーナリストに転身。新車誌、チューニングカー誌や各種専門誌にて原稿執筆の他、映像制作や携帯コンテンツなどのプロデュースまで各方面にて活動中。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

MOTA編集方針

「車好きのみんなが見ているメルマガ」やSNSもやってます!
カー用品・カスタムパーツ

愛車の売却を、もっと楽に!もっと高く!

  • 一括査定はたくさんの買取店からの電話が面倒?

    これまでの一括査定は、たくさんの買取店からの電話が面倒でした。MOTA車買取なら、最大20社の査定額をwebで簡単比較。やり取りするのは査定額上位の3社だけ。車の査定が楽に完結する仕組みです。

  • 一括査定は本当に高く売れるの?

    これまでは、買取店に会わないと査定額がわからず、比較がしづらい仕組みでした。MOTA車買取は、申込翌日18時に最大20社を簡単比較。加えて、買取店は査定額上位3社に選ばれるために競い合うから、どうしても高く売れてしまいます。

新車・中古車を検討の方へ

人気記事ランキング
最新 週間 月間

新着記事

新着 ニュース 新型車 比較 How To
話題の業界トピックス・注目コンテンツ

おすすめの関連記事

BMW 1シリーズカブリオレの最新自動車ニュース/記事

BMWのカタログ情報 BMW 1シリーズカブリオレのカタログ情報 BMWの中古車検索 BMW 1シリーズカブリオレの中古車検索 BMWの記事一覧 BMW 1シリーズカブリオレの記事一覧 BMWのニュース一覧 BMW 1シリーズカブリオレのニュース一覧

この記事にコメントする

コメントを受け付けました

コメントしたことをツイートする

しばらくしたのちに掲載されます。内容によっては掲載されない場合もあります。
もし、投稿したコメントを削除したい場合は、
該当するコメントの右上に通報ボタンがありますので、
通報よりその旨をお伝えください。

閉じる