国産アッパーミドルセダン 徹底比較(2/4)

国産アッパーミドルセダン 徹底比較
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扱いやすいスポーティテイスト

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従来のプラットフォームをキャリーオーバーし、ボディサイズはわずかに拡大。全長は4,730mm、全幅は1,795mmと3台の中でもっとも大きく、1,435mmという全高はもっとも低い。エクステリアデザインは初代の延長上でリフレッシュを図っている。アイデンティティである低く構えたヘッドランプだけでなく、リアコンビランプも3連タイプとされた。

前後ピラーの裾野を広げた伸びやかなサイドシルエットも、スタイリッシュなイメージを高めている。全体のラインの入れ方やエッジの立て方も新しい感覚に満ちている。現行モデルではスタンダードタイプと、スポーツタイプ、プレミアムタイプの3つの個性が設定され、それぞれルックスだけでなく、走りのキャラクターも大なり小なり差別化されている。

動力性能は、レギュラー仕様とされた2.5リッター V6でも十分で不満はない。スムーズな回転で、静粛性にも優れる。従来の3リッターに代えて設定された3.5リッター V6になると、さらに余力がある。

ドライブフィールにとがったところはなく、初期がスローなステアリングにより扱いやすく、リラックスして乗れる味付け。快適性は全般的に高く、16インチ仕様もそうだが18インチでも豊かなストロークにより乗り心地が悪いという印象はあまりない。

スポーツタイプにはAVSが採用され、最適な減衰力を発生させ、ロールを抑えつつ快適な乗り心地を実現している。それでいて、攻めた走りに対してもしっかり応え、限界性能も侮れない。もっともスポーティな350Sとなると、高性能エンジンを搭載しVGRSの付くステアリングにより俊敏性も増し、スポーツセダンとしての素性を高めている。

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リニアトロニックの仕上がりに好感

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従来よりも大幅にボディサイズが拡大され、4,730mm×1,780mm×1,505mmという外寸となった。今回の中では、全長はマークXと同寸で、全高はだいぶ高めとなっている。さらに、従来はボディの前後端にかけてギュッと絞り込んでいたところを、5代目ではあまり絞り込んでいない。サイズ自体が大きい上に、より大きく見えるような処理がなされている。

スタイリングも、これまでコンサバな印象だったところ、縦長のヘッドライトをはじめ個性的なモチーフを多用したことで、言葉は悪いが、ややギラギラとした印象となった。独特のレイアウトにより、先代よりもフロントオーバーハングが長くなったように見える。ちなみに、小さな部分だが、リアワイパーがあるのもマフラーがシングル出しとなっているのもレガシィのみだ。

エンジンは2.5リッターのDOHCターボとSOHCの自然吸気となり、自然吸気には自社開発のCVTが与えられた。これの組み合わせがなかなかよろしく、「リニアトロニック」の名に恥じない仕上がりとなっている。エンジン出力特性と上手くマッチングが図られている。

マニュアルシフト時の変速も瞬時で、積極的にシフトチェンジを楽しめる。ただし、効率向上のため採用されたCVTのチェーン式バリエーターの音が少し気になる。軽い操舵力のステアリングを切り込むとクイックに反応するが神経質ではなく、全体としては今回の中でもっとも乗りやすいクルマだと感じられた。

Lパッケージは16インチタイヤを履くが、Sパッケージは18インチ仕様となりビルシュタイン製ダンパーが付く。むしろ後者のほうが、操縦性だけでなく乗り心地にも優れ、バランスが良いように思える。

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ダイレクト感のある7速AT

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とやかくいわれたV35の後を受けたV36は、リアフェンダーのラインの入れ方など新しいチャレンジも見られ、ややぼやけていたキャラクターが明快になった。

写真のクリスタルホワイトパールは特別塗装色で、全車にスクラッチシールドが採用されている。エンジンは、3.7リッター V6のVVEL仕様と、2.5リッター V6が用意され、3.7リッターには7速ATが組み合わされる。このATの出来がなかなかよろしく、ロックアップ領域も広く、トルク特性に優れるエンジンのパフォーマンスを引き出し、燃費の向上とともに、ダイレクト感のある加速を得ることに成功している。

ただし、エンジン自体は十分な排気量もあり力感は高いが、従来よりも格段によくなっているものの、まだガサツな印象が残るのは否めない。

V36において大改良が施されたシャシーの素性もよろしく、独自のデュアルフローパスショックアブソーバーを使っているのもポイント。ただし、それでもリアのストローク不足と乗り心地の固さ、振動の多さは少々気になる。また、4WAS(4輪アクティブステア)を採用し、俊敏で刺激的なハンドリングを実現している。

ただし、こちらも従来よりもだいぶ洗練されたものの、ハンドリングは中立付近の微少舵領域で、無反応な部分と曲がり始める部分の連続性に、やや違和感を覚える。タイプSPはスポーツチューンドブレーキが装備され、余力ある制動力を確保している。

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デザイン・スペックの総評

レガシィとスカイラインは、サイドウィンドウグラフィックやハイデッキスタイルが似ていて、スペースユーティリティ重視。マークXは昔ながらの日本的なセダンの延長上にある。走りのテイストはかなり異なり、マークXを基準にすると、レガシィはタッチを軽くソフトにすることで、より気になる部分をなくした印象。スカイラインは逆に、刺激的なドライビングプレジャーを高めた乗り味。

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岡本 幸一郎
筆者岡本 幸一郎

ビデオ「ベストモータリング」の制作、雑誌編集者を経てモータージャーナリストに転身。新車誌、チューニングカー誌や各種専門誌にて原稿執筆の他、映像制作や携帯コンテンツなどのプロデュースまで各方面にて活動中。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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