ドイツ同門ホットハッチ 徹底比較(3/4)

ドイツ同門ホットハッチ 徹底比較
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実用性の高さは間違いなくトップ

シロッコ:インパネシロッコ:ラゲッジ

ベーシックカーのゴルフをベースとするだけに、こうして比べると、車高が高めで、ルーフが長く、各ウインドウを立ち気味とし、Cピラーの傾斜をつけないなど、ギリギリまでを室内空間とするための工夫をしたことがうかがえる。

相変わらず質感の高いインテリアは、ステアリングホイールもGTI専用品。撮影車両はレザーシートだが、初代GTIをモチーフとしたチェック柄のシートが標準となる。

前後席の居住空間は十分に広く、ラゲッジスペースも、外観から想像する以上の容量が確保されている。実用性において、3台の中では間違いなくトップだ。 安全装備では、衝突時の素早く正確な展開を可能にしたほか、新たにニーエアバッグを加えた、合計9個ものSRSエアバッグが装備される。

ただし、オプション装備と価格を考えると、レザーシートが27万3,000円、RNS510カーナビが31万5,000円、サンルーフが12万6,000円、18インチホイールがDCCとセットで21万円(+RNS510で50万4,000円)となっており、なぜかサンルーフとセットで選べないところも気になるのだが、高価なカーナビが標準装備の下記モデルとの対比で考えていくと、現実的にはそれほど割安ではないことになる。

シロッコ:メーターシロッコ:シフトシロッコ:ドアライニングシロッコ:フロントシートシロッコ:リアシート

アウディならではのクオリティ感

S3:インパネS3:ラゲッジ

A3スポーツバックの上級グレードと基本的な部分は共通だが、スポーツシートや、D字型のステアリングホイールなどが付く。内装はアルカンターラ+本革の専用スポーツシートが標準で、オプションでレザーシートが選べる。上質感とスポーティテイストに満ちた空間となっており、そのあたりはVWの2台をだいぶ上回る。

今回の中でいうと、ショートワゴン的といえるフォルムであり、Cピラー後方にクオーターウインドウを配した6ライトウインドウを採用しているのが相違点。

ゴルフGTIに比べるとウエストラインがだいぶ高いので、包まれ感はある。リアドアのウインドウも、仕切りはないにもかかわらずフルに下げることができるところもいい。

後席やラゲッジルームは、広さでいうとゴルフGTIのほうが上ではあるが、後席の居住性についても、決して狭いというわけではなく、成人男性が乗るにも十分なスペースが確保されている。

背もたれを寝かせ気味にして頭上空間を稼いでおり、常用にも十分に耐えうるもので、ネガティブに捉える必要はない。むしろ、見た目のクオリティ感はS3がはるかに上であることに惹かれる。

ラゲッジルームでは、側面がタイヤハウスから連なった形状のため、横幅がやや制約されているが、一面に貼られた緩衝材や、開口周囲のシールなどもしっかりとしているし、また付属のトノボードも、いかにもコストのかかっていそうなものが付く。こうした細かいところにもアウディクオリティが見て取れる。

S3:メーターS3:シフトS3:ドアライニングS3:フロントシートS3:リアシート

2ドア車としては実用的

シロッコ:インパネシロッコ:ラゲッジ

スポーティモデルではあるが、これほどユニークなスタイリングを実現しながらも、室内空間のこともかなり意識したのではないかと思わせるほど、広くかつ合理的に確保されている。2ドア車としては例外的に実用性に優れるクルマである。

乗車定員は4人とされており、さすがに乗降性がいいとはいえないが、後席にも成人男性が乗れないことはない空間がある。ヒップポイントを高めとし、やや中央よりとすることで、後席に乗員からも視界が開けている。ただし、横方向は絞り込まれている上、ガラス面積が小さいため、閉塞感があるのは否めない。 ラゲッジスペース容量もそこそこ大きく、後席を前倒しすると、かなり大きな空間を得ることができる。ただし、ハッチゲート開口部の面積は小さく、中が深くなっているような形状のため、使い勝手は制約される。

インパネはゴルフVIではなくイオスと共通で、意外とシンプルにまとめられている。価格帯からすると、もう少し付加価値があってもいいかもしれない。フロントシートは、ヒップポイントが低く、サイドサポートが強めで、スポーティな感覚の着座感が得られる。

RNS510のHDDナビゲーションが全車に標準装備されるのがゴルフGTIに対するアドバンテージ。サイド&カーテンSRSエアバッグが標準で付くが、ニーエアバッグの設定はない。

シロッコの中での2.0TSIの特権としては、電動式のレザーシート、運転席電動イージーエントリー機能、DCCなどが標準装備され、パノラマガラスルーフもこちらのみオプションで選ぶことができることが挙げられる。

シロッコ:メーターシロッコ:シフトシロッコ:ドアライニングシロッコ:フロントシートシロッコ:リアシート

内装・装備の総評

実用性を重視するのであれば、ベースのゴルフ自体が相当に高いレベルにあるため、ゴルフGTIを選ぶのがベスト。ただし、アウディS3もそれほど不満はなく、シロッコも容量としては確保されているため、2ドアでテールゲートの開口部は小さいが、いざとなれば一般的なスポーツカーよりもはるかに使えるので、たまに後席を使う程度であれば問題ないだろう。

標準状態での車両価格が、冒頭のとおりであるのだが、高価なカーナビや電子制御サスペンションなどの装着を考えると、実質的な価格差はぐっと小さくなるといえる。

カーナビについては、VWのRNS510は非常に使いやすく、好印象。

アウディのMMIも、当初のものは難点が多々見られたが、最新のものはかなり改善されている。

安全装備面については、いずれもこのクラスでは標準的で、十分といえる。

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岡本 幸一郎
筆者岡本 幸一郎

ビデオ「ベストモータリング」の制作、雑誌編集者を経てモータージャーナリストに転身。新車誌、チューニングカー誌や各種専門誌にて原稿執筆の他、映像制作や携帯コンテンツなどのプロデュースまで各方面にて活動中。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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