セレナライダー/ステップワゴンモデューロX/ヴォクシーG’sを徹底比較 ~人気のミニバンをエアロパーツでドレスアップ~(4/4)

セレナライダー/ステップワゴンモデューロX/ヴォクシーG’sを徹底比較 ~人気のミニバンをエアロパーツでドレスアップ~
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実用指向のミニバンに上質でシンプルなデザイン

日産 セレナライダー日産 セレナライダー

試乗したセレナライダーのオーテック30周年記念車は、前輪駆動の2WDでも車両重量が1720kgに達する。そのために2リッターエンジンでは十分な動力性能とはいえないが、実用回転域の駆動力に余裕を持たせた。背の高いミニバンとしては力不足を感じない。

エンジンノイズは、登坂路などでアクセルペダルを深く踏み込み、エンジン回転が上昇すると耳障りになる。

操舵に対する反応は、ライバル2車に比べて鈍い。前述のようにセレナは床が高く、高重心になるため、挙動の変化を抑えて後輪の接地性と直進安定性を確保したからだ。峠道などでは旋回軌跡が拡大しやすく、曲がりにくい印象がある。背の高いミニバンの典型的な挙動を示すが、動きが穏やかだから不安は感じにくい。

乗り心地は少し硬く、路上の細かなデコボコを伝えやすい。タイヤが細かく跳ねる印象が伴う。タイヤは16インチ(195/60R16)で、指定空気圧は燃費向上のために280kPaと高い。このあたりが影響したのだろう。

セレナは本質的には実用指向のミニバンだ。3列目を含めて居住性が優れ、シートアレンジも多彩に設定した。3列目を畳むと広い荷室なり、荷物の収納性を向上させるためにリアゲートは上半分だけを開閉できる。

そしてオーテックライダーは、ドレスアップバージョンながら、フロントマスクをスッキリと仕上げた。特にバンパーから上の形状は、デザインが新鮮だ。迫力というよりも上質感が伴うので、乗り心地をもう少し快適にすると、さらに個性が明確になると思う。

価格はセレナライダーが294万9480円、ライダープロパイロットエディションが309万5280円だ。セレナライダーオーテック30周年記念車は、本革シートなども装着されて348万840円。同プロパイロットエディションは361万6920円になる。

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動力性能、走行安定性、乗り心地のバランスが良好

ホンダ ステップワゴンモデューロXホンダ ステップワゴンモデューロX

ステップワゴンモデューロXが搭載する1.5リッターのターボは、欧州車に似た性格で、ターボの存在をあまり意識させない。アクセルペダルを深く踏み込むと、4500回転付近から回転の上昇が活発化するが、低回転域の粘りも相応にある。トランスミッションがCVT(無段変速AT)なので、駆動力が落ち込む1500回転以下の領域は避けた。車両重量は1700kgに達するが、ターボの欠点が露呈しにくい。

走行安定性は、5ナンバーサイズを基本にした背の高いミニバンとしては優れている。後輪の接地性を確保しながら、峠道を走っても旋回軌跡を拡大させにくい。セレナなど背の高いミニバンにありがちな腰高感も抑えた。このあたりは低床設計の効果だ。

乗り心地は少し硬めに感じるが、路上の細かなデコボコを伝えにくく、段差を乗り越えた時の粗さも抑えた。タイヤが跳ねにくく、引き締まり感が伴う。空力特性を向上させた効果もあり、サスペンションを15mmローダウンさせながら快適性と両立させた。この走りの良さは、ステップワゴンの基本設計によるところが大きい。

実用面では3列目の座り心地が不満だが、荷室は使いやすく機能をバランス良く仕上げた。

ステップワゴンモデューロXの価格は、9インチプレミアムインターナビなどを標準装着して366万5000円だ。

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ボディの補強を効果的に行って走行性能を高めた

トヨタ ヴォクシーG’sトヨタ ヴォクシーG’s

ヴォクシーZS G’sの動力性能は、2リッターエンジンを搭載する背の高いミニバンでは平均的だ。ボディが重いこともあり、加速時にはCVTの制御によってエンジン回転が先行して上昇する。これを追いかけるように車速が上がるタイプだ。通常の走行では違和感はあまり生じないが、登坂路などでこの制御が分かる。

操舵に対する反応は、標準グレードに比べると正確になって走行安定性も高めた。ボディの下側に大小さまざまな補強材を装着して、車両の基本となるボディ本体にチューニングを施したからだ。ヴォクシーは前述のように現行モデルから低床化され、ボディ補強が有効に利いている。

さらに、ヴォクシーZS G’sは18インチのタイヤを装着したから、操舵感が適度に機敏でグリップ性能も高い。その分だけ乗り心地が硬めになったが、粗い印象ではない。標準グレードと比較した時の操舵感覚や走行安定性の向上率は大きい。ヴォクシーZS G’sの価格は311万9237円となる。

ヴォクシーは標準グレードも内装が上質で、ZS G’sでは、内外装と運転感覚のスポーティ感覚も強めた。チューニングやドレスアップの意図が分かりやすく、幅広いユーザーに適している。

セレナライダーは、標準グレードと同様に多人数乗車時の快適な居住性が魅力で、外観を洗練させた。スポーツ指向と併せて、高い質感が魅力となる。

ステップワゴンモデューロXは、標準グレードの素性の良い運転感覚に磨きをかけた。実用面では3列目の床下格納による荷室の使い勝手が特徴だ。

背の高いミニバンはどれでも似通った印象を受けるが、この3車種は標準グレードの個性が豊かで、さらに指向性の異なるチューニングやドレスアップを施した。標準グレードの素性を受け継ぎながら、新たな魅力を身に付けている。

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渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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