ビアンテvsステップワゴン、デリカD:5 徹底比較(3/4)

ビアンテvsステップワゴン、デリカD:5 徹底比較
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広い室内空間と独自のシートアレンジ

インパネフロントシート

室内長2,990mm×室内幅1,545mmという、「クラス最広(サイコー)」の室内空間がビアンテの特長だ。

前席は、掘り下げたように低いフロア、2列目は少し高め、3列目にかけてさらに段差を設けるなど、後席に向かうほど着座位置が高くなるレイアウト。3列目は、かなり高い位置に座る感覚だ。さらに、2列目シートは863mmというロングスライドが可能で、リムジンモードも可能だ。

大開口のスライドドアにより、後席への乗降性にも優れ、2列目シートをアレンジすることで、3通りの3列目へのアクセス方法が可能となる。また、他社では7人乗り仕様を続々と追加している中、ビアンテの乗車定員は全車8人乗りだが、2列目シートをマツダ得意の左右スライドとすることでキャプテンシートとしても使えるので、実質的に7人乗りを兼ねていることになる。

3列目は跳ね上げ式ではなく、チップアップして前後スライドさせる方式。アレンジの操作はシンプルでわかりやすい。

また、センターを中心に切れ上がらせ、奥にメーターを配したインパネは、デザインの面白さをポイントとして挙げたい。メーターを助手席や後席からも見えるようにして、ドライビングを共有しようという狙いだそうだ。

ミニバン離れした雰囲気も、ビアンテの付加価値といえる。メーターパネルの奥の方で、内側が青紫に光り、オレンジで表示される光の演出も楽しい。また、最上級の23Sではステアリングシフトスイッチが備わる。さらに、シートに入れたラインのアクセントも斬新で、汚れにくいシート生地素材や消臭天井など、細かな実用性への配慮もぬかりない。

ただし、安全装備の面で、横滑り防止装置の設定がない点は惜しまれる。

2列目シート3列目シートシートアレンジシートアレンジメーター

低床プラットフォームによる低いフロア

インパネフロントシート

2007年11月のマイナーチェンジで、2列目キャプテンシートの7人乗りが追加されたのが大きなニュース。一方で、それまでラインアップされていた2列目回転対座仕様は消滅した。

インパネは、デジタルワイドメーターが斬新。質感的には今見るともう一歩という気もするが、見やすく、手前には収納スペースが巧みに設定されている。

スライドドアを開けると、ステップと同じ高さのままフロアにつながっているのは、このクルマならでは。また、フローリングフロアを選ぶことができるのも特筆点である。

2列目キャプテンシートの7人乗り仕様は、両側にアームレストが備わり、チップアップ&スライドするという、ホンダが得意としている方式。ちなみに、2列目ベンチシート仕様では、シートバックが2段階に前倒しされてコンパクトに畳まれるタンブルシート仕様もある。

シートアレンジはいたってオーソドックスで、3列目を跳ね上げるタイプ。3列目シートを跳ね上げたときの操作力はかなり重いが、そのあと、フックにベルトを引っ掛ける操作について、デビュー当初は走行時の振動で外れないようにという配慮からか非常にきつかったところ、いつのまにか少し緩くされたようで、いくぶん楽になった。

安全面では、追突軽減ブレーキや横滑り防止装置「VSA」をオプション設定。さらに、高速道路での運転負荷を軽減する車速/車間制御機能「IHCC」も用意している。

2列目シート3列目シートシートアレンジシートアレンジメーター

インテリアもSUVテイスト

インパネフロントシート

今回の中では圧倒的にフロアが高く、SUVとの融合を図ったミニバンなので、むしろそれが売りといえる。インテリアの雰囲気も、一般的なミニバンとは違った、SUV的なテイストを採り入れたものとなっている。

インパネは機能ごとに区切ったような構成で、保温・保冷機能付きグローブボックスをはじめ、収納スペースも十分。撥水性を高めた防汚シート表皮や、撥水ドアガラスなども採用する。

スクエアな形状で、サイドウインドウも切り立っているので、サイズよりも広く感じる。フロアが高く、シートポジションも高いので、室内が広いという感覚はビアンテには遠く及ばないが、それでも十分に広い。

シートアレンジでは、他の2台は、フルフラットモードが2、3列目でのアレンジとなるが、デリカD:5は1、2列目というパターンも可能となっている。フラットにできてありがたいのは、後席よりも1、2列目だと思うので、これはアドバンテージといえるだろう。また、後席はヘッドレストを外してアレンジする手法を採っているが、少々面倒でも、シートやヘッドレストとしての機能は、こちらのほうがよくなる。

INVECS-ⅢのCVTは、上級グレードにスポーツシフトが付く。

デリカD:5で惜しいのはカーナビだ。ビアンテはG-BOOK、ステップワゴンもインターナビという先進的なシステムが設定されているが、三菱製は性能面でやや劣る。せっかくナビパッケージ車を用意しているのだから、もう少し付加価値のあるものを望みたい。

反面、ロックフォードの高性能オーディオが、ローコストで選べるのは大いに強みだ。ナビさえ良くなれば、それだけでもだいぶ印象は変わると思う。

安全面では、横滑り防止装置「ASC」が全車標準装備される点は大いに評価したい。

2列目シート3列目シートシートアレンジシートアレンジメーター

内装・装備の総評

ハイルーフミニバンの室内のトレンドとして、7人乗り仕様の設定、2列目シートのアームレスト装備、後席にいくにしたがってヒップポイントを高くすることなどが挙げられ、いずれもその要素を採り入れている。

ウエストラインが低いのは、ビアンテ、ステップワゴンとも共通だが、乗って「広い!」と直感するのは、デリカD:5を含めても、圧倒的にビアンテだ。フロントスクリーンの角度や、ルーフ前端の頭上のかぶさり具合などからしても、ビアンテは本当に広く感じる。

ステップワゴンは、ハイルーフミニバンとしては乗用車的だが、狭いわけではなく、十分であることには違いない。

デリカD:5は他2台とは反対で、座る位置も相当高く、また、外観からしてもウエストラインを敢えてドアを分厚くしてウインドウを薄くしたような印象だ。三角窓が効果的に配されていて、視界も十分に確保されている。居住空間については、スクエア形状により広さは十分に保たれている。

シートアレンジについては、ステップワゴンとデリカD:5がハイルーフミニバンとして一般的な手法であるのに対し、ビアンテは独自のアイデアを具現化したといえる。

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岡本 幸一郎
筆者岡本 幸一郎

ビデオ「ベストモータリング」の制作、雑誌編集者を経てモータージャーナリストに転身。新車誌、チューニングカー誌や各種専門誌にて原稿執筆の他、映像制作や携帯コンテンツなどのプロデュースまで各方面にて活動中。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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