スタイリッシュインポートセダン 徹底比較(2/4)

スタイリッシュインポートセダン 徹底比較
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独特の浮遊感のある乗り心地

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ブーメラン型のヘッドライトや、凹面形状としたリアウインドウなど、個々の部位にも特徴的だが、ボディパネル全体の印象も、写真で見るよりも実車はずっと抑揚あり、表情豊かである。

今回の中で唯一シックスライト(リアサイドウインドウの後方にさらにウインドウを設けた)を採用しており、視界にも非常に優れる。

2機種のエンジンおよびトランスミッションは、103kw/200Nm の2L直4に4速AT、155kw/290Nmの3L V6には6速ATが組み合わされ、駆動方式はFFのみとなる。

せっかくC5を買うのであれば、ぜひ3L V6を選ぶべき。価格差を補ってあまりあるテイストの違いがある。

油圧式サスペンション「ハイドラクティブⅢ」による足まわりは、シトロエン独特の浮遊感があり、まるで路面の凹凸を、なかったことにしてしまうかのような感覚。この乗り心地をひとたび味わうと、はまる人も多いというのもうなずける。

スポーツモードにしても、予想したほど固くはならず、乗り心地の快適性をある程度保ったまま、ロールやピッチングの振幅を適度に抑える。ワインディングや高速道路をそれなりのペースで走る際のハンドリングに期待するのであれば、こちらのほうが好ましいだろう。ステアリングフィールも独特の感覚で、操舵力が軽い中にも接地感があり、深い舵角を与えても、タイヤはしっかり路面に追従する。

全体として、兄貴分のC6よりもまとまりがよく感じられ、見た目も乗り味も、ドイツのDセグ車に太刀打ちすることを意識したと思わせる仕上がりである。

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パサートのスペシャリティバージョン

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VWの上級セダンであるパサートをベースに、モノフォルムのクーペのような流麗なルーフラインを与えたスペシャルバージョンがパサートCCだ。

鋭い目つきのヘッドライトや、メッキを多用したフロントグリル、テールランプもデザインなども個性的で、シルエットの美しさに個々の部位の強さが相まって、非常にキャラクターの立つエクステリアを構成している。

さらに感心させられるのが走りだ。乗り心地もよく、スタビリティも高く、そのまとまりの良さは、最近とみに評判の高いVWの中でも、極上の仕上がりといえる。

サスペンションは十分なストローク感があり、路面のアンジョレーションをものともせず、タイヤがどこまでもついていく印象。切ったとおりに曲がり、そのままキレイにラインをトレースしていく。

DCC(サスペンションは、基本的にはどこでも「コンフォート」で十分。もちろん「スポーツ」のほうが固くなり、高速ではよりフラットライド感が増すが、ふだんはオートで十分だろう。

エンジンは、147kW/280Nm の2LのTSIエンジンでも十分な力感を持つ。ATとの組み合わせによりスムーズに走れる。

上級のV6 4MOTIONでは、220kW/350Nmというハイスペックの3.6L V6エンジンにDSGを組み合わせ、パフォーマンス的にはたしかに上だが、2Lもギア比が適切に設定されているため、不満は感じない。

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スポーティなルックスを楽しめるTI

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ジウジアーロが手がけたボディは、大きなラジエーターグリルのアルファのエンブレムや、立体的な3連の丸型ヘッドライトなど、より自社ブランドを強調しつつ、新しいアルファらしさを表現している。クラシカルに見せている反面、この時代にあって、むしろ古さを感じさせない。

スポーティなTIは、今では非常に多くのグレードをラインアップするようになった159の中でも、ちょっと特別な位置付けである。外観では、19インチタイヤに、専用のスポーティなデザインのアロイホイールを履くほか、シルバーのドアミラー、レッド仕上げのブレーキキャリパー(フロントはブレンボ製)、サイドスカート、ツインサイレンサー式エキゾーストパイプなどが与えられる。

ボンネットを開けると、エンジンもデザインされているかのよう。159のデビュー当初は、アルファらしさが薄れたと揶揄されたものだが、スペックに変化はないものの、小気味よい吹け上がりに、これはこれでヨシと思えるようになってきた。

ただし、セレスピードがシフトチェンジのたびに息をつくのは相変わらず。AT限定免許でも乗れるのは魅力だが、運転感覚では、価格はだいぶ高くなるものの、3.2L V6にATのQトロニック搭載モデルを選んだほうが、発進・停止の多い日本には適するといえよう。

フットワークは、アルファ車というよりも、いい意味で、少し前のドイツ車のようなイメージ。ボディ剛性感が高く、乗り心地は引き締まった印象だが、不快ではない。リアのスタビリティが高く、切り始めから一体感があり、ややクイックなステアリングフィールは、いたって現代的なスポーツカーの乗り味である。

2008年11月の改良で、VDCを流用してLSD効果を得る電子制御式Q2機能が追加された。

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デザイン・スペックの総評

スタイリッシュなセダンというと、アルファが急先鋒。そして乗り味も、かつての少々ヤンチャとも思える元気な印象こそなりをひそめたものの、スポーティなイメージは相変わらず。そこに、シトロエンC5は、非常に上手い形でシトロエンらしさと乗り味を表現してきた。またパサートCCは、このところ勢いのあるVWが、こういうクルマもつくれることを見せつけたように思える。こうした、それぞれに個性的な3台が、奇しくも同じような価格帯にあるというのも興味深い。

いずれもパワートレインを複数ラインアップするが、それぞれ上級のほうがオススメというわけでもなく、印象は上で述べたとおり。全体の乗り味においては、C5はどうこういってもシトロエンらしさが持ち味で、159はスポーティテイストが魅力で、パサートCCは、特徴云々ではなく、その完成度の高さにおいて唸らせるものがあるという印象。

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岡本 幸一郎
筆者岡本 幸一郎

ビデオ「ベストモータリング」の制作、雑誌編集者を経てモータージャーナリストに転身。新車誌、チューニングカー誌や各種専門誌にて原稿執筆の他、映像制作や携帯コンテンツなどのプロデュースまで各方面にて活動中。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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