フォレスター/エクストレイルHV/アウトランダーPHEVを徹底比較 ~スタイリッシュで実用的な売れ筋SUV~(2/4)

フォレスター/エクストレイルHV/アウトランダーPHEVを徹底比較 ~スタイリッシュで実用的な売れ筋SUV~
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精悍な印象を強めながら視界や取りまわし性も良い

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スバル フォレスターは、水平対向2リッターエンジンを搭載するミドルサイズのSUVで、現行モデルは2012年に登場した。その後も数回にわたる改良を行い、2015年10月には安全装備を進化させて燃費も向上させている。

ボディサイズは全長が4,610mm(Sリミテッドと2.0XTアイサイトは4,595mm)、全幅は1,795mm、全高は1,715mm(Xブレイクは1,735mm)と、全幅を1,800mm未満に抑えたことが特徴だ。最小回転半径は5.3mに収まり、2リッタークラスのエンジンを積んだSUVの中では、取りまわし性が優れた部類に入る。

ボディスタイルは水平基調。サイドウインドーの下端を高めていないから、ボディ後端のピラー(柱)が少し太いものの視界は良い。ボンネットが見やすいことも特徴だ。

フロントマスクは上下方向に厚みを持たせ、先ごろの改良では、ヘッドランプやフロントグリルを従来以上にメリハリの利いたデザインに仕上げた。SUVらしく精悍な印象で、存在感を強めている。

エンジンは前述のように水平対向4気筒の2リッター。大半のグレードが自然吸気のノーマルエンジンを搭載するが、2.0XTアイサイトは直噴式のターボとなる。

駆動方式は全車が4WD(スバルはAWDと呼ぶ)を採用して、CVT(無段変速AT)仕様のJC08モード燃費は、ノーマルエンジンが16km/L。ターボは13.2km/Lになる。

アイドリングストップはCVT搭載車のすべてに採用され、渋滞時などに燃料の消費量を節約しやすい。

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オフロードSUV風の個性は薄れたが外観は都会的

日産 エクストレイルハイブリッド日産 エクストレイルハイブリッド

日産 エクストレイルの初代モデルは2000年に登場、前輪駆動をベースにしたSUVながらも、オフロードモデル風の外観で人気を高めた。2代目も同じ路線で発展したが、2013年に登場した3代目の現行モデルは外観を刷新し、フェンダーなどに丸みを持たせた形状になった。初代、2代目に比べると、都会的な印象を強めている。

現行モデルで外観が大きく変更されたのは、海外で販売されている「ローグ」と基本部分を共通化したからだ。

このデザイン変更は賛否両論。従来モデルのオフロードSUV風の外観は、ほかの前輪駆動ベースの都会派SUVとは見栄えが明らかに違った。現行モデルはシートや荷室に防水加工を施すなど、機能面では従来モデルと同様のアウトドア感覚を打ち出すが、外観の個性は薄れた。

また従来モデルは、外観をオフロードSUV風の四角いボディに仕上げることで、前後左右ともに視界がきわめて優れていた。ボンネットも四隅までしっかりと見えた。

これに比べ現行モデルでは、ボンネットは手前が視野に入るものの先端に近づくと見えにくく、斜め後方の視界も良くない。

特にボディ後端のピラーが太いから、縦列駐車をする時などは気を使う。取りまわし性はSUVの平均水準だが、従来モデルに比べると運転がしにくい。だから従来モデルのユーザーが現行モデルに代替えする時は、車庫入れなどを試しておくと安心だろう。

ボディサイズは全長が4,640mm、全幅が1,820mm、全高は1,715mmとなり少し大柄。最小回転半径も5.6mになる。

エンジンは直列4気筒の2リッターのみだが、ノーマルタイプとハイブリッドを設定した。駆動方式は前輪駆動の2WDと4WD。SUVである以上は4WDを選びたい。

4WDのJC08モード燃費は、ノーマルエンジンの2列仕様が16km/L、荷室に補助席を備えた3列仕様が15.6km/L、ハイブリッドが20km/L(2列仕様のみ)になる。

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電気自動車並みの機能を兼ね備えた本格的なPHEV

三菱 アウトランダーPHEV三菱 アウトランダーPHEV

三菱は長年にわたってSUVに力を入れてきた。1982年に発売された初代パジェロが大ヒット。それまでは作業車だった4WDの流れを変えた。この後も若年層を対象にしたRVR、軽自動車サイズのパジェロミニなどを投入してSUVの市場を活性化させてきた。

そして今の三菱を代表するSUVがアウトランダーだ。

ボディはミドルサイズで、一番の特徴は充電可能なハイブリッドのPHEVを用意すること。この機能は本格的で、前後輪に駆動用モーターを装着して発電機も備える。通常の走行では、エンジンは主に発電機の作動を担当して、ホイールの駆動はモーターが行う。エンジンがホイールを直接駆動するのは、その方が効率が良い高速巡航時のみだ。発電用のエンジンを積んだ電気自動車ともいえるだろう。同様の制御を行う日本車にはホンダ アコードハイブリッドがある。

駆動用電池の容量は12kWhと大きく、トヨタ プリウスPHVの約3倍。純粋な電気自動車となる日産 リーフの標準タイプ(24kWh)の半分に相当する。なので充電された電気で走れる距離もJC08モードで60.8kmと長い。ハイブリッド車でありながら、急速充電器を使えるメリットもある。

アウトランダーPHEVのエンジンは直列4気筒の2リッターとなる。ノーマルエンジン車は、前輪駆動の2WDが2リッター、4WDが2.4リッターだ。

PHEVのボディサイズは全長が4,695mm、全幅が1,800mm(ノーマルエンジン車は1,810mm)、全高は1,710mm(同1,680mm)。全長は長いが、全幅はむやみに広げていない。ボディスタイルも水平基調だから視界が良く、最小回転半径は全車が5.3mで小回りの利きにも配慮した。

現行アウトランダーの発売は2012年だが、2015年に大幅なマイナーチェンジを実施して、フロントマスクを「ダイナミックシールド」と呼ばれる形状に改めた。バンパーが両側から内側へ回り込むようなデザインが特徴で、同様の形状が今後の三菱車に幅広く採用される。

発売当初のヘッドランプの両側を垂れ下げたフロントマスクは、SUVでは珍しく柔和な表情をしていた。個性はあったが、販売面では不利であった。ヘッドランプが切れ上がった今の顔立ちは、通俗的ともいえるが、SUVの売れ行きを伸ばすのには適した形状だろう。

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デザイン・スペックの総評

ボディサイズは3車種ともに同程度だ。全長は最も短いフォレスターが4,610mm、最も長いアウトランダーでも4,695mmに収まる。

最小回転半径は、フォレスターとアウトランダーは5.3mだが、エクストレイルは5.6m。これはホイールベース(前輪と後輪の間隔)の長さが影響した。ホイールベースは、フォレスターが2,640mm、アウトランダーが2,670mm、エクストレイルは2,705mmと3台の中では最も長く、小回り性能では不利になっている。

全高は全車が1,700mmを上まわり、立体駐車場が使えない。洗車も簡単ではないだろう。

4WDモデルのJC08モード燃費は、フォレスターのノーマルエンジン車が16km/L、ターボは13.2km/L。エクストレイルは2列シートが16km/Lで、ハイブリッドは20km/Lだ。アウトランダーではノーマルエンジンを積んだ4WDの2.4Lは14.6km/Lで、PHEVのハイブリッド走行燃費は20.2km/L(プレミアムパッケージは20km/L)になる。

ハイブリッドの燃費数値をノーマルエンジンと比べると、エクストレイルは125%、アウトランダーは138%になる。クラウンなどのトヨタ車では200%に達することもあり、ここで取り上げたSUVのハイブリッドは燃費向上率があまり良くないが、長距離を移動する機会が多ければ節約効果も高い。またアウトランダーPHEVは、充電された電気で走る距離が長くなると、走行コストを効果的に抑えられる。

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渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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