独プレミアムブランドDセグワゴン 徹底比較(2/4)

独プレミアムブランドDセグワゴン 徹底比較
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フェイスリフトにより新鮮味がUP

フロントスタイルリアスタイル

日本導入から3年余が経過したBMW 3シリーズのマイナーチェンジが実施された。

エクステリアでは、キドニーグリルやフロントバンパーの開口部の形状変更、ボンネット中央付近へのライン追加と、リアバンパー、テールランプ、トランクリッドなどのデザインが変更された。また、ウインカーにLEDが用いられた。個性的なエクステリアには、まだ古さを感じるほどでもなかったが、小さな変更の積み重ねによるフェイスリフトで、より新鮮味を増したように目に映る。

日本仕様のみドアハンドルを薄型化し、全幅を15mm縮小して1,800mmとした点にも注目。日本の立体駐車場への適合性を高めるのが目的で、BMWがいかに日本市場を重要視しているかがうかがえる。

今回、2L直4を搭載する320iではなく、価格が100万円程度高くなることを承知で、2.5L直6を積む325iを持ち込んだ。BMWといえばやはり「シルキー6」への期待が大きく、ご了承いただきたい。

量産車世界初の軽量マグネシウム合金製クランクケースを採用したバルブトロニックエンジンは、ミッションの制御と合わせて、出足にわずかにリニアでない領域が残るが、回すほどにBMWのストレート6ならではの調律された響きを堪能させる。低回転域からトルク感もあり、3,000rpmあたりからの吹け上がりが実に気持ちよい。

乗り心地は、路面の凹凸を拾いがちではあるが、難しいRFTを上手く履きこなしている。

走り全般について、今回のマイナーチェンジでの変更点はとくに伝えられていないが、3カ月に1度は見直すといわれるBMWらしく、デビュー当初より洗練された印象を受ける。セダンとの差異もあまり感じられない。

フロントビューリアビューサイドビュータイヤエンジン

よりアバンギャルドが似合うワゴン

フロントスタイルリアスタイル

エレガンス系とアバンギャルド系という明確に差別化された2本柱をラインアップする現行Cクラスだが、日本では7割近くアバンギャルドが選ばれている。ワゴンモデルもやはりアバンギャルドの人気が高い。

セダン同様、強いキャラクターラインを配するサイドビューも特徴的。アバンギャルドでは、フロントグリル内に埋め込んだスリーポインテッドスターや、精悍なランプ類、エアロフォルムを強調したバンパーなどが特徴。とくにワゴンでは、こちらのテイストのほうが似合うように思える。

走りは、スタビリティ(=安定性)とアジリティ(=俊敏性)の両立を謳うとおりの味付け。快適性の高さはライバルを一歩リードしつつ、スローレシオながら一体感のあるステアリングを切り込むと、クルマは素直にノーズの向きを変える。メルセデスらしい正確さを残しつつ、日本車のような軽いタッチのステアリングフィールとなっているのも特徴だ。

ドライブフィールにおけるセダンとの差は小さい。しいていうと、リアセクションに60kg分の重さ感があり、乗り心地に微妙に固さを感じるという点が上げられるが、今回のライバル2車と比べるとソフトなほうである。

エンジンは、C200系には1.8L直4DOHC+スーパーチャージャー仕様。これに5速ATが組み合わされる。上に2.5Lと3LのV6ユニットも用意されており、そちらはやはり6気筒らしい上質感を持っているが、動力性能的には、同1.8Lユニットでも十分。登坂路や高速道路での再加速でも不満はない。ただし、過給機付きエンジンの宿命だが、市街地走行では、アクセル開度の浅い低速での加速時に少々リニアではない領域がある。そのあたりは、もう少し排気量の大きな自然吸気エンジンにはかなわない。

フロントビューリアビューサイドビューエンジンタイヤ

FFとは思えないハンドリング

フロントスタイルリアスタイル

ボディサイズが大きくなり、遠目にはA6と見まがうほどになった現行A4。サイズアップだけでなく、ボディパネルの造形も伸びやかで美しく、かつダイナミックなものとなった。セダンでも見られたこのテイストは、アバントにも見事に受け継がれている。アウディのアイコンとなったシングルフレームグリルに加え、ヘッドライト下にLEDを駆使したウイング状のポジションランプを配したのも特徴的だ。

走りについては、従来のフロントオーバーハングにエンジンを搭載していた手法をやめ、フロントアクスル位置を前方に移動した。その恩恵で前後重量配分が適正化されたか定かではないが、ハンドリングが洗練され、クワトロとの差が小さくなった。FF車としては驚くほどのステアリングレスポンスを持っており、ハンドリングも従来のアンダーステア傾向からニュートラスステアに近付いた。

走りの一体感はセダンの方がわずかに勝るように感じるが、乗り心地やハンドリングについては、ほとんど差は感じられない。

ステアリングの操舵力が、低速時にはかなり軽く、中-高速時には重くなることで、高速巡航時の直進性を確保しているようだが、フットワークは概ね軽快で、安定感も非常に高い。乗り心地のカドを丸めつつも引き締まった印象で、低速走行時には、やや突っ張ったような固さを感じるが、高速時にはちょうどよくなる。

パワートレインは、フラットにトルクを発生する1.8L直噴ターボエンジンにCVTの組み合わせとなる。加速感を演出するためのスロットルの早開きが気になったが、これは個体差の模様。別の機会に試乗した同じパワートレインのクルマでは、もう少しマナーよく躾けられていることを確認している。

フロントビューリアビューサイドビューエンジンタイヤ

デザイン・スペックの総評

走りは、ドイツ車らしく、高速巡航時のスタビリティの高さなど共通したよさがある中で、それぞれのブランド独自の味を盛り込んでいる。それは「アジリティ」などと呼ぶスポーティな感覚だが、表現の仕方が、上で述べたとおり各車でニュアンスが異なり興味深い。

パワートレインは、325iは2.5L直列6気筒+6速ATで、C200とA4 1.8TFSIは1.8Lの過給機付きとなるが、過給機がスーパーチャージャーとターボチャージャーで、組み合わされるミッションも、ATとCVTと異なり、それぞれの基本素性がそのまま走りに表れている。

質感は325i、快適性はC200、軽快感はA4が勝るという印象。

エクステリアは好みの問題だが、それぞれセダンに対するワゴンとして上手くキャラクター付けされており、セダンに対し引け目を感じるものでなくなっている中で、もっともワゴンのイメージがしっくりくるのは、この中ではA4だろう。

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岡本 幸一郎
筆者岡本 幸一郎

ビデオ「ベストモータリング」の制作、雑誌編集者を経てモータージャーナリストに転身。新車誌、チューニングカー誌や各種専門誌にて原稿執筆の他、映像制作や携帯コンテンツなどのプロデュースまで各方面にて活動中。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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