最新背高コンパクトカー 徹底比較(2/4)

最新背高コンパクトカー 徹底比較
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四角い中のマルがよりキューブらしく

フロントスタイルリアスタイル

インパクトのあった2代目キューブをキープコンセプトのままモデルチェンジした3代目は、さらに印象的なスタイリングを得た。

世界戦略を見据えたボディはひとまわり大きくなり、角を落としたスクエアなフォルムに、丸のモチーフを意図的に配し、左右対称のバックドアを受け継ぐ。「サングラスをかけたブルドッグ」というフロントマスクも特徴的。世界のどの車種にも似ていない。

エンジンは80kW(109ps)&148Nm(15.1kgm)を発生するHR15DEのみに絞られ、従来どおりエクストロニックCVTが組み合わされる。車重はほかの2台に比べ100kg以上重いのだが、加速フィールに優れる。CVTは回転の上昇が先行するが、実際の加速も速いので、直感的に「速い」と感じさせる味付けだ。また、静粛性が高く、トータルで見てひとクラス上の乗り味に仕上がっている。

運転感覚としては、ボディがしっかりしたことと、サイズが大きくなった印象がある。それは室内の居心地もそうだが、走ったときの感覚においても感じられる。

足まわりのチューニングもこなれており、このクラスながら高性能なダンパーを使っているようで、上手くまとめ上げられている。16インチ車では、やや乗り心地が固い印象もあるが、十分に許容の範囲内。不快なロールが抑えられ、高速巡航時にもフラットな乗り味をもたらす。

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背高ルックながら軽快な走り

フロントスタイルリアスタイル

ダイハツとトヨタが共同開発し、COO/bBとして販売しているモデルのOEM供給モデル。

フロントグリルにスバルらしいウイングモチーフなどを取り入れ光輝タイプグリル、リアはメッキガーニッシュを配する、スバルらしいスタイルに仕上げた、3兄弟の中で、デックスがもっともまとまりいいように思える。

エンジンは68kW(92ps)&123Nm(12.5kgm)を発生する1.3L直列4気筒の自然吸気DOHCのみの設定で、4速ATと組み合わされる。3000rpmあたりまでの低回転域のトルク感が薄いのだが、それを超えるとピックアップがついてくる印象。市街地走行ではとくに問題なく、ATのリニアな走りには、CVTの2台に対しても、むしろ好印象である。ただし、ATが4速なので、登坂や高速走行時の再加速はもう一歩であるのは否めない。

フットワークには、けっして重心の低くないクルマでありながら、ロールを抑えた引き締まった乗り味をもたらす。ヒラリヒラリと身のこなしを見せ、軽快感がある。反面、乗り心地はちょっと固め。荒れた路面ではけっこう凹凸を拾ってしまい、縮まず、伸びず、やや跳ね気味となる。それは後席の乗り心地にも表れている。ただし、このおかげで軽快感とスタビリティを上手く両立していることには違いない。

フロントビューリアビューサイドビュータイヤエンジン

欧州車と遜色ないフットワーク

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基本プラットフォームはスイフト用のものを流用しており、全長と全幅はスイフトよりも少し小さく、逆に全高は高く、リアを切り落としたような形状をしている。

張り出したフェンダーや、シャープなデザインのヘッドライトも特徴的。欧州が主体のモデルらしく、日本車離れしたデザインを得ている。

欧州の道を徹底的に走り込んでハンドリングをチューニングしたとのことで、このクラスのクルマとは思えない走りを身につけている。デックスが背高系ながら軽快感を出しているのに対し、スプラッシュはまるっきり逆で、コンパクトカーながらドッシリ感を出している。

ダンピングが利いた走りは、ちょっと固めの乗り心地だが、ヨーロッパ車のような引き締まった印象で、高速巡航も苦にしない。ステアリングフィールもスッキリとナチュラルだ。この3台の中では圧倒的に重心が低いことが幸いしているのだろうが、安定感と軽快さを高い次元で両立している。

日本導入モデルのエンジンは、65kW(88ps)&117Nm(11.9kgm)を発生する1.2L直4ガソリンエンジンのみ。これにアイシン製CVTが組合されるが、ATと比べて遜色ないほど自然な制御で、CVTの弱点をほとんど感じさせない。

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デザイン・スペックの総評

キューブの奇抜なデザインは万人向けではないが、「このクルマに乗りたい」と強く思わせそうな商品力を持っている。走りも詰めの甘さはあるものの、乗る人に積極的に良さをアピールする仕上がりである。デックスは、ベース車が世に出てからそれなりに時間が経つため、新鮮味に欠けるのは否めないが、軽快な走りは今でも好印象。スプラッシュは、ビビッドなルックスやドッシリとした走りなど、欧州車そのものの味を持っている。それぞれ、ルックスも走りも持ち味が異なるが、世界戦略車となったキューブが、このカテゴリーにおいて一歩抜きん出た印象である。

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岡本 幸一郎
筆者岡本 幸一郎

ビデオ「ベストモータリング」の制作、雑誌編集者を経てモータージャーナリストに転身。新車誌、チューニングカー誌や各種専門誌にて原稿執筆の他、映像制作や携帯コンテンツなどのプロデュースまで各方面にて活動中。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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