プレミアムワゴン 徹底比較(2/4)

プレミアムワゴン 徹底比較
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『アバント』というのは「美しいワゴン」の代名詞でもある

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アウディによれば、『アバント』というのは「美しいワゴン」の代名詞でもあるのだと言う。そう言われるとなるほどこのクルマのルックスというのは、ベースとなったセダン以上に印象的でスタイリッシュなものとぼくの目には映る事になった。

 A6アバントのフロントセクションの造形はもちろんセダンと同一。言い換えれば「リアセクションのみを新たに作り変えた」のがこのモデルというわけだ。けれども、そこには無理な“後付け”感などは微塵も漂わない。それどころか、シングルフレーム・グリルの採用でかなりアグレッシブな表情を示すフロントに比べると、今ひとつリアビューのインパクトが弱い印象の否めないセダン以上に前後の見た目のバランスが優れているとも感じられるのが、こちらアバントという雰囲気。後ろ上がりのベルトラインに対してルーフは逆に後ろ下がりのラインを採用する点や、リアウインドウの前傾角がワゴンとしては強めである事なども、ステーション・ワゴンとしては非日常感の強いデザイン手法を取る事も強い躍動感の表現に一役買っている。「セダン以上に見た目が魅力的だから」という購入理由を挙げる人が居ても全く不思議を感じない一台――それが、A6アバントだ。

日本仕様のアウディA6アバントで展開される搭載エンジン/トランスミッションは、ひと足先にリリースされたセダンのそれに準じたもの。すなわちFWDシャシーを備える『2.4』は2.4リッターのV6エンジン+CVTという組み合わせ。さらに、3.1リッターのV6エンジンを積む『3.2FSIクワトロ』と4.2リッターV8エンジン搭載の『4.2クワトロ』には6速ATと4WDシャシーという組み合わせが与えられる。

動力性能に余裕が大きいのは、当然ながら『4.2クワトロ』。『2.4』は実用上は不満ナシと言えるものの、やはり常に要求されるアクセル踏み込み量が大きくなりがちで、その分プレミアム感はやや薄い印象だ。

「ライバルの、次のモデルチェンジまでを見越して」と大型化をされたA6は、その分重い事がひとつのウイークポイント。ハンドリング面も含め、率直なところ走りの軽快感は高いとは言えない。その分重厚感が表現をされている、と解釈出来なくもないわけだが。

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セダンに比べ、よりフォーマルな雰囲気が漂う

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現行5シリーズ・ツーリングが日本に初導入となったのは、セダン導入から1年近く後の2004年6月。それからさらにわずか1年ほどでエンジン換装などの大幅なリファインを行っての再導入となったのが、現在発売中の最新モデルという事になる。

“従来型”のツーリング=525iツーリングを手に入れたオーナーには甚だ気の毒という感が拭えないが、最新のモデルとの内容の差は決して小さくない。中でも最大のポイントはBMW自慢の直列6気筒エンジンが、完全新設計の新世代ユニットに置き換えられた事。525iツーリング用ユニットの場合、同じ2.5リッターの排気量が発生させる最高出力は192psから218psへと大幅アップにしている。

一方で、まだ誕生後間もないモデルゆえに、エクステリア・デザインには手が加えられていない。“走り”のイメージが強いBMW車だが、ステーション・ワゴンのプロポーションは意外にもコンサーバティブな雰囲気が強いというのが通例。今度の5シリーズにもやはりそうしたイメージが貫かれている。ベースであるセダンに比べるとむしろよりフォーマルな雰囲気が漂うとも思えるのが5シリーズ・ツーリングのエクステリア・デザインだ。

“駆けぬける歓び”というキャッチフレーズが高らかに謳われるBMW車。そして、そうしたクルマづくりのフィロソフィーはワゴン・モデルでももちろん紛れなく健在だ。

それでもシビアにセダンと比較をしてみれば、その軽快さがわずかならも後退した事を実感させられるシーンも皆無ではない。100kg以上の重量増とボディ後端に大きな開口部が開いた事による影響は、やはり「全く無い」とは言い切れないものなのだ。

が、それにしても新たにマグネシウム・テクノロジーを駆使したエンジンが生み出す出力は明らかに従来型よりも強力だし、“完全バランス”の直列6気筒デザイン放つサウンドも回すほどに心地良さを味わわせてくれる。すなわち、ワゴン化されたとは言っても「ドライバーこそ最高のお客さん」というクルマづくりの姿勢には一点の淀みも生じていないのだ。自らステアリングを握り、アクセルペダルを踏み込んでこそその真の価値を味わう事の出来るステーション・ワゴンがこのモデルという事になる。

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老若男女問わず万人から大きな支持を受けそうな安心感

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輸入プレミアム・ワゴンのひとつの象徴としてすでに確固たるポジションを築き上げているのがメルセデス・ベンツのEクラス・ワゴン。そもそも“最高の実用車”を目指すというのが全てのメルセデス・ベンツ車のクルマづくりの基本姿勢であるだけに、いかにも使い勝手に優れた実用ワゴンを目指して開発された事が実感出来るのがこのモデルのデザイン/パッケージングでもある。

Eクラス・セダンをベースとしながら「多くの人が想像をした通り」とも言えそうなリファインを与えられたこのクルマのエクステリア・デザインは、いかにもオーソドックスである一方で老若男女を問わず万人から大きな支持を受けそうな安心感の漂うもの。

流麗さという点では“新参者”のA6アバントに及ばないものの、「セダン以上に多くの物を収容出来そう」という見た目の雰囲気では、数あるステーション・ワゴンの中でもトップレベルにランク出来るのがこのモデルでもある。

現在メルセデス・ベンツでは、V6エンジンを4バルブDOHCヘッド採用の新世代ユニットへと換装中。今のところEクラス・シリーズでこの新エンジンを搭載するのは、2005年の2月にリリースされた『E350』のみで、『E240』には同じV型6気筒でも従来からの3バルブSOHCユニットが用いられている。

そんな最新の心臓を搭載したE350ステーション・ワゴンで走り出してみると、なるほどそのテイストはいかにも見た目との整合性が取れている印象。すなわち、加速のフィールはSLKと同じエンジンを積むとは思えないほどにジェントルな雰囲気が強いもの。SLKの場合、いかにもスポーツカーらしい排気サウンドが強く印象に残ったが、一方のこちらはそのチューニングがグンとマイルド。このあたりが、同じ心臓を積みながら大きなテイストの差を生み出す要因となっていると実感する。

ハンドリングの感覚も、全般に“おっとり”のタイプ。アクティブ・ステアリングの採用でシャープな感覚が強い5シリーズ・ツーリングとは、まさに好対照なセッティングだ。

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河村 康彦
筆者河村 康彦

1960年東京生まれ。工学院大学機械工学科卒。モーターファン(三栄書房)の編集者を経て、1985年よりフリーランスのモータージャーナリストとして活動を開始し、現在に至る。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員、ワールド・カー・オブ・ザ・イヤー選考委員、インターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤー選考委員 などを歴任。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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